Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

近野賢一(Br)岡原慎也(P)シューベルト「冬の旅」CD批評(No.2612)

2022-11-09 13:34:16 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也

ピアニッシモの統一感を全24曲貫いた 近野賢一 + 岡原慎也「冬の旅」


本日発売のCDである。
シューベルト「冬の旅」作品89 D911 は、ピアニッシモに始まりピアニッシモで終曲する全24曲のミュラー詩に拠る歌曲集。CD1枚に収まるし、1晩の演奏会にぴったりのため、誕生以来「世界で最も歌われて来た歌曲集」である。

近野賢一は中部地方を拠点に活動しているバリトン歌手で、ナマで聴いたことは無い。このCDが初である。岡原慎也が24年ぶりに「冬の旅」を録音した、とのことで購入した。

第1曲「おやすみ」第24曲「辻音楽師」第12曲「孤独」(=第1部終曲、初出版時の終曲)が全てピアニッシモを基調とした曲なのだが、途中で「ffz」が轟く第18曲「嵐の朝」もあり、ここに「山」を持って来る歌手も多い。

近野賢一 は「ffz」を中心にしない。

近野賢一 は「ppp(ピアニッシッシモ)」が唯一現れる第7曲「川の上で」にピークの1つを持って来る



「冬の旅」の行先の寂しさを先行予感する。
岡原慎也が弾くベーゼンドルファー275(92鍵)はウィーンのピアノでシューベルトの美しさを際立たせている。
岡原慎也は近野賢一の先生の1人、とのこと。大学院時代の師とのことなので、長い演奏歴が記されており、息がぴったり。今後も演奏を続けて欲しい。

  1. 美しき水車小屋の娘 作品25 D795 → pp←→ff
  2. 冬の旅 作品89 D911 → ppp←→ffz
  3. 白鳥の歌 D957 → ppp←→fff

シューベルト「白鳥の歌」が聴いてみたい次第である。特にハイネ歌曲!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

突然ですが「岡原慎也+岡田将ピアノ」を聴きに兵庫県宝塚市に行くことにした(No.2075)

2012-06-28 21:13:09 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
 元来が無計画な性格なのか? 単に猫頭なのか? はワカランが昨年秋に続いて半年少々で、またまた

突然、岡原慎也 を聴きに宝塚! と相成った。但し、今回は「2台ピアノのための名作集」を 岡田将 と共演で!


である。出演者については、両者の「公式HP」にリンクを貼っておくので、興味ある方は読んで下さい。(岡原慎也 のHPは、なぜ、経歴が「芸術祭優秀賞」受賞前のママなのかワケわからん><)

 わかり難いので、チラシ表 ・ チラシ裏 にもリンク貼っておきます。

 選曲の趣味は(ピアソラの編曲モノを除き)極めて、趣味が良く、「2台ピアノの精髄」って感じ。

  1. ミヨー:「スカラムーシュ」(オリジナル2台版)


  2. ピアソラ:作品集(編曲)


  3. デュカス:「魔法使いの弟子」(オリジナル2台版)


  4. ラフマニノフ:2台のピアノのための組曲第2番 作品17



 このプログラムを組んだのは、岡原慎也? 岡田将?? 2人の合議??? 「趣味の良さ」だけでなく、「異なる技巧」も必要なので、極めて興味深い。私高本の興味は、昨年の「岡原慎也の宝塚ソロ公演」以上かも知れない(爆
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『音楽の真髄』って何なんだろう?(No.1983)

2012-01-22 20:08:56 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
 本日号は以下の皆様の演奏を聴かせて頂いたおかげさまで書ける内容です。

岡原慎也、川上敦子、佐伯周子、法貴彩子、東京オペラプロデュース「修道院の結婚」公演関係者ご一同様、新国立劇場「ラ・ボエーム」2012年公演関係者ご一同様に深謝


 ちょっとした弾みで、1回でも上記の皆様の名演を聴いていなければ、本日号は書けない。深く深く感謝する次第である。ちなみに上記掲載順は「聴いた順番」である。「岡原慎也が最高」ってワケでは無いので、誤解無きように(、、、ってまた何かマズいこと書いたんけ?)


 「印象批評ヒョーロンカ = 私高本」が1996.12に、旧「デイリー」を立ち上げて、印象批評を垂れ流して1年経過した日に「奇跡」が起こった。「音楽の神様」が思ったんだろう > 少しは「きちんと詳細批評しろや > ボケ!」と。

 新国立劇場「ヘンゼルとグレーテル」公演がなぜか公演日が移動して、空いた1日に「ヘンシェル + 岡原慎也:冬の旅」があった。

 聴いた。

 オレは今まで何聴いて来たんだろう??? 信じられない名演だった。『フィッシャー=ディースカウ + ブレンデル』などの録音などはきちんと聴いて行ったよ。そんな水準では無かったのだ > 岡原慎也 + ヘンシェル


 招待頂いた音楽之友社の営業マンから「もし良かったら、打ち上げ会場にお越し下さい。」とお誘い頂いて「音楽の友ホール」向かいの喫茶店に行き、初めて 岡原慎也 と話した。極めて「理性的な人」だった、ピアニストには珍しく。「シューベルト」中心にいろいろと盛り上がった。師匠の シルデ も夫妻で来ていてご満悦だった。


 その4年後、「川上敦子のリスト」を猫頭=私高本 が敢行する。演奏は素晴らしかった。
 ・・・が、勿論、大赤字(泣

 しかも反響無い(爆涙


 さらに悪いことに、「指の故障」発生。急遽「モーツァルトソナタ全曲」に差し替えて演奏してもらった。素晴らしい演奏だったのだが、「父親の会社の引継ぎ」で一時演奏活動中止に追い込まれた(泣


 ・・・な時に、救ってくれたのが、旧知の「佐伯周子」である。会場を押さえていた「彩の国さいたま芸術劇場」で演奏会をしてくれる > しかも「ベーレンライター新シューベルト全集に拠る完全全曲演奏会第1回」として!

 シューベルト演奏は素晴らしい演奏会だった。他は「それなり」だったが(爆


 月日は流れる。

「老田裕子 の マーラー」聴きに、大阪に行った


 岡原慎也のご好意で、GPから聴かせてもらった。老田裕子 も 岡原慎也 も素晴らしかったのだが「とんでもない大物」が居た、それが ピアニスト = 法貴彩子。「岡原慎也の弟子」と「プログラムノート」に記載されていた。

岡原慎也を「若く再生した」 = 法貴彩子


が実感。「岡原慎也よりもドイツ・リート伴奏うまいピアニスト」なんて想定できなくて当たり前。「私高本=猫頭」が原因でないことだけはここに明記しておきたい。


 岡原慎也は別段「音量の大きいピアニスト」では無いが、「デュナーミクの巾」は極めて大きい。「岡原慎也よりも音量の大きいピアニスト」を掲載してみるか > 岡原慎也 が文句垂れても撤回しないよ(爆

岡原慎也 より音量のデカいピアニスト一覧



  1. Nikolai PETROV


  2. 小川典子


  3. 川上敦子



 はっきり断言できるのは以上3名。川上敦子は「岡原慎也と合わせて頂いた」ので絶対に間違い無い。おそらく、ペトロフ、小川典子、川上敦子 の順だと感じる。全員ナマ聴いているので。


 ・・・で、

「音量が大きければ、感動は深くなるのか?」と言う疑問が湧き上がる


のは、当たり前。それは「ちょっと違う」だわ。「猫頭=私高本」は昨年は大阪方面に大いに迷惑掛けましたが、今年は掛けません。「猫頭批評」以上の批評が掲載される鴨 > 今年(爆

 私高本が聴いた限りでの 音量世界最大ピアニスト=ペトロフ について紹介しよう。

ペトロフ のCD売れてる順一覧


 一番上に来ている3枚組は是非是非聴いて欲しい。安いし音も良い。2枚目が最も重要で、ムソルグスキー「展覧会の絵」とリスト「パガニーニ練習曲1838年版」で第4番はもちろん難しい方で録音されている。リスト「パガニーニ練習曲」は『史上最高の録音』の名誉を録音時から今まで保持している。大ピアニストである。

ニコライ・ペトロフ「展覧会の絵」の特徴



  1. 原典版楽譜を使っているが、勝手気儘に装飾音やトリルやトレモロをブチ込む


  2. デュナーミクはムソルグスキー無視


  3. アーティキュレーションもテンポもムソルグスキー無視どころか、「音符の長さ」さえ守られていない


  4. ペダルは「ON or OFF」で、ハーフペダルは無い


  5. 結果として「遠近感」が全く表現されていない。迫力満点なんだが(爆



 録音データがこの3枚組でもその前発売された OLYMPIA盤 も一切記載が無いが、ステレオでソ連で録音した音源なので、「上のリンクしたHMVのリンク先の2番目に来ている プロコフィエフソナタ全曲」の前後の録音だろう、多分。1971-1974がプロコフィエフ録音。「ソフィアのリヒテル」よりも10年以上後になる。同じソ連在住だから間違いなく「ソフィアのリヒテル」は知っていたハズ。
 ・・・で「リヒテルとは別路線」を ペトロフ は選択した。だがこの録音は注目を集めなかった > ペトロフ追悼盤まで復刻もされなかったほどだ。

岡原慎也「展覧会の絵」の特徴



  1. 原典版楽譜を使っており、ムソルグスキーに忠実


  2. デュナーミクもムソルグスキー通り


  3. アーティキュレーションもテンポもムソルグスキー通り


  4. ハーフペダルが豊富で、私高本が聴いた限り少なくとも3種類あった


  5. 速い曲「殻を付けたひよこ」や「リモージュ(市場)」の速度が「狂人の速さ」に唖然


  6. 結果として「遠近感」豊富


  7. しかも迫力満点



である。

方向として「ソフィアのリヒテル」と同じで「彫りの深い演奏」を目指し成功した 岡原慎也


 猫頭の私高本も「展覧会の絵」詳細批評が書けるようになった。これもひとえに 岡原慎也 のおかげ様である(爆

岡原慎也、飯坂純、コンスタンティン・トリンクス、デュトワ が目指す方向は全く同じ!


なことをここに記す。扱う曲は異なり、条件が異なるが「作曲家尊重」である。指揮者の場合、ピアニストとは違った問題があり、「与えられた条件」の中で、公演を成功させる必要に迫られる。練習回数を チェリビダッケ のようにわがまま言うと、ミュンヘン・フィル 以外からはお呼びが掛らなくなったりする(爆


 ・・・で、昨年腰が抜けるほど驚いたことがあった。

岡原慎也よりも『ドイツリート伴奏がうまいピアニスト』法貴彩子


 岡原慎也の弟子。弾いたのはシューマン。岡原慎也も得意にしている作曲家だ。経歴を読むと、パリ・コンセルバトワール出身。ドイツに留学していたワケではない。
 演奏会の直後に話したが、弁の立つことに再度驚き。なぜか(シューマンではなく)ラヴェルについて話した時間が長かった。それから1ヶ月半の間に関西の2つのコンクールで優勝、立派な「コンクール荒らし」である!
 「ABC音楽振興会ニュース November 2011 第20回ABC新人コンサート」号を送って頂いたが、審査員の皆様の興奮が伝わって来る。

審査員一同が「法貴彩子のラヴェル両手協奏曲」を聴きたい!


との強い意思が感じられた。確かに「法貴彩子のラヴェル」は尽きることの無い弁で、私高本も感じたからなあ。

2012.02.11 法貴彩子のラヴェル両手協奏曲 with 飯森範親+大阪フィル


で『音楽の真髄』が聴ける、と信じ、大阪の福島に向かう。

飯森範親

は、現在、山形交響楽団音楽監督、東京交響楽団正指揮者、いずみシンフォニエッタ大阪常任指揮者、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団名誉指揮者、ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者 であり、オケからの信頼が極めて厚い指揮者である。飯森範親 も審査員の1人であり、「法貴彩子のラヴェル」に惚れ込んだ中の1人。これほど指揮者に惚れ込まれての「協奏曲デビュー」なんて、『奇跡の演奏会』だ!!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岡原慎也が『文化庁芸術祭優秀賞』受賞!(No.1979)

2012-01-18 10:46:47 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也

岡原慎也が『平成23年度文化庁芸術祭優秀賞』受賞


が発表された。

文化庁芸術祭平成23年度受賞者HP


にリンク貼っておいたので、ご確認下さい。

岡原慎也HPプロフィール

岡原慎也Wikipedia


にもまだ掲載されていない。

おめでとうございます > 岡原慎也!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岡原慎也のマーラー(ピアノ伴奏)「内藤稚子とのデュオ」 批評 後編(No.1959)

2011-12-19 17:26:42 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
 2011年の演奏会通いも残り「第9」のみとなった。ジルベスターコンサート とか、「くるみ割り人形」を聴きに出掛けた時期もあるのだが、私高本には「年末は第9」である。年とともに「悪い演奏を聴いた時に体に悪影響出る」が頻出して来るようになったので、年を追う毎に厳選に厳選を重ねるようになった。今年は

下野竜也指揮 読響 + 新国立劇場合唱団 だけ2公演聴く


ことにした。リンク貼っておいたので興味ある方は「読響コンサート情報」覗いて下さい。公演数が6回(+ 読売新聞チャリティ「第9」がもう1回あるが、主催でないからか、全席売切になって説明が面倒くさいからか、HPに記載無し)と在京オケ自主公演最多の上、「全席売切公演」がサントリーホールと横浜みなとみらいホールで続出。チケット争奪戦に出遅れたので、東京オペラシティ公演になってしまった(涙
 「第9」批評は書くかも知れないし、書かないかも知れない。ご要望があればコメント欄にどうぞ。今日のサントリーホール公演はチケット入手出来なかったので、家で「シューベルトの合唱曲集」を酒呑みながら聴いて過ごす(爆


岡原慎也ピアノ伴奏にて「全ての自由を獲得した」内藤稚子


 厳密に言えば、これからここに書く文章は「批評」と言えない。「日本ドイツリート協会 関東支部公演」を聴いた後に、打ち上げで 内藤稚子 に(普通の感覚で言えば)密着インタビューした内容が半分以上含まれるからだ。「批評」は演奏家との距離が近過ぎては成り立たない。遠すぎて「共鳴できるもの」が何も無ければ「高評」は生まれない。良心ある評論家は誰もが悩むジレンマである。これから書く文章は「基本は批評」であるが、心情的に「内藤稚子寄り」になっていることを初めに述べる。(岡原慎也寄りでは無いぞ~!)

 まずは客観的に述べる。

岡原慎也HP


内藤稚子HP



 お2人の公式HPである
 ・・・で、12/11(日)に聴いた曲は「日本ドイツリート協会」がテーマに掲げた「マーラー」で埋め尽くされていた。以下の通り。

  1. 「私はほのかな香りを吸い込んだ」 ~ 「リュッケルト歌曲集」より


  2. 「夏に交代」 ~ 「若き日の歌」より


  3. 「ラインの伝説」 ~ 「不思議な子供の不思議な角笛から」より


  4. 「美しさゆえに愛するなら」 ~ 「リュッケルト歌曲集」より


  5. 「記憶」 ~ 「若き日の歌」より



 聴いた直後の感想として「マーラー歌曲慣れしているソプラノじゃん!!!」と言う感じ。低い音域でじらしながら、高い音域で ズバッ! と斬り込む。「武士の女子版」ってな演奏。素晴らしかった。(細かなことまで、ごちゃごちゃ文句垂れる)作曲家 = マーラー が聴いても「ブラヴォー」の演奏だった、と思う。こんなソプラノが東京に居たのかよ!!!
 私高本は絶対音感が無いから断言はできないが、高声用と中声用が出廻っている楽譜の内、全5曲「高声用」で歌われた、ように聴こえた。「原調」と書かない理由は、「リュッケルト歌曲集」は「高声用」「中声用」同時出版だったからだ。どちらが原調かは私高本の猫頭ではわからん(泣

マーラー歌曲の難しさの1つが「上も下も要求される」


 シューベルトでも要求されるのだが、声楽家の「声の負担」がより大きい。特に「下」である。

これまでのマーラー「リュッケルト歌曲集」で最も評価が高いのは ベイカー(Ms) + バルビローリ指揮盤


だろう。バーンスタイン指揮の2回、ピアノの1回も「ベイカー + バルビローリ」には人気は叶わない。テンシュテットの録音は今のところ発売されたことがない。バーンスタインは、バリトンと2回、メゾソプラノと1回録音している。ご覧の通り「中声」ばかりなのである。ちなみに

EMI「マーラー大全集」の最終Disc16 に「私はこの世に忘れられて」が8演奏収録されているが(Disc8と併せ)全部「中声」、これが大EMIの録音の全て!


である。つまり「下の支えがしっかりしていないと聴けない」を意味している。

内藤稚子 は「ベイカー並み」に下の支えががっしりしている!


 これには驚き! その上で上がきらきらと輝きを保ちながら伸びやかに響く。

岡原慎也 のピアノが『バーンスタイン並み』に自在にサポートしていた


ことは特筆モノ。1曲バーンスタインがピアノ伴奏では録音を残していない曲(「美しさゆえに愛するなら」)も含めてである。


 終演後に、「プログラムに織り込まれていた 内藤稚子 のチラシ」を読んだ。マーラー は1曲も無かった。帰宅してインターネット検索して 過去のコンサートチラシ を見付けた。これまた マーラー は1曲も無かった。このまま「演奏家人生」を歩んで 内藤稚子 は納得できるのだろうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岡原慎也のマーラー(ピアノ伴奏) 批評 前編(No.1955)

2011-12-11 23:49:05 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
 唐突に予告も無しに、「岡原慎也のマーラー」を聴いて来た。「指揮」では無く、「ピアノ」。ブログ読者の皆様はご安心して読んで下さい><

 5日前には 神戸新聞松方ホール にて、ドヴォルザーク室内楽を聴いて来たばかり。1週間に2回「岡原慎也演奏会」を聴くのは、「同一プログラム」以外では初めてのハズである。演奏会全体は「日本ドイツリート協会 関東例会」なので、多彩な(岡原慎也よりも若々しい演奏家ばかりが)登場して全力の演奏を聴かせてくれた。その中で(岡原慎也と共演できるはずもないピアニストに)素晴らしい人が2人いたので名前だけ書く。

西川典子 と 志茂征彦


 この2人は「ピアノパートに最善の心配り」をしていたが、結果としては「岡原慎也会長」ほどの演奏の高みには達しなかった。原因は「猫頭の私高本」にはワカラン。岡原会長に尋ねてほしい。
-------
 演奏順は「おそらく、歌手の生年順に若い方から並べて、最後にJDL 会長&副会長の模範演奏」の予定だったのだった、と推測される。随分(良い方に)見込みが違ったのだが(爆
-------
 演奏順では「最後に据えられていた JDL副会長ソプラノ = 浅田啓子 と 岡原慎也」から批評する。マーラー自身が(どんな形でも)オーケストラ化しなかった「若き日の歌」から4曲。まず間違いなく、「登録された曲を全部外しての模範演奏」と推察される。プログラミングがキツいわなあ(泣
-------

「ハンスとグレーテ」の超名演を聴かせた「浅田啓子 + 岡原慎也」


  この曲難しいんだよね。超初期のマーラーの名曲なんだが。フィッシャー=ディスカウも「生涯に1回だけセッション録音だけ残した曲」だし(爆

 浅田啓子JDL副会長が選んだ曲なのか? 岡原慎也JDL会長が選んだ曲なのか? は全くわからん(爆

 これほど素晴らしい「ハンスとグレーテ」が聴けたのは幸いである。


信じられない素晴らしい「マーラーの世界」を「若き日の歌 ~ リュッケルト歌曲集」で聴かせてくれた 内藤稚子 + 岡原慎也


には深く感謝するばかり。(私高本の猫頭だと)これが初の共演。内藤は「関東人」と打ち上げでは言っていた。
-------
 「模範演奏」にするはずだった「マーラー:若き日の歌」の「浅田啓子 + 岡原慎也」は素晴らしかった。おそらく「岡原慎也の頭」に想定していなかったことは

模範演奏を遥かに越す演奏が「一般参加者 = 内藤稚子」に生まれたこと!


だろう。このソプラノは凄いわ > マジで

「夏に交代」では「滑稽に交代する様を十全に表現」したし、「ラインの伝説」は(書き難いのだが)他の組も演奏したのだが、「全く別の超名曲」に聴こえた名演だった!

(続編は水曜日以降に掲載します)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岡原慎也+シュトイデ&仲間たち室内楽 批評(No.1952)

2011-12-08 18:23:47 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
 神戸市にて初めて演奏会を聴いた。神戸駅前の足の便が良い立地の上に神戸港が一望できる高さに位置する神戸新聞松方ホールの演奏会。前半に

  1. シューベルト : 弦楽四重奏曲第12番「断章」D703


  2. ドヴォルザーク : ピアノ五重奏曲第2番作品81



が据えられており、ここまで聴いて大阪のホテルに戻ったので、後半は聴いていないから全くわからない。前半だけの批評である(爆


 シューベルトは「ウィーン風」を前面に打ち出した演奏。柔らかい「ウィンナ・トーン」で美しい音だけの範囲でダイナミクスを大きくは取らない。この作品にシューベルトが込めた「不気味さ」は後ろに隠れて、「親しみ易さ」がホールを包み込む。「コンサート全体の序曲」の役割のように演奏された、と書くのが最も適切だろう。

ドヴォルザークの「表情変化の大きさと変わり身の速さ」を見事に描いた 岡原慎也 + シュトイデ&仲間たち



ドヴォルザークピアノ五重奏曲第2番は、3重奏以上の規模の室内楽曲中「1つの楽章内の表情変化が最も濃い」作品


である。シューベルト「鱒」五重奏曲も表情濃いのだが、「楽章内」がこれほどめまぐるしく表情は変わらない > 例え「変奏曲楽章」であっても。「ピアノ五重奏曲」は、シューベルト、シューマン、ブラームス、ドヴォルザーク の4名のそれぞれ1曲のみが超圧倒的な人気があるのだが、(正直に告白すると)ドヴォルザーク だけは「名手」で無いと聴けないのである。中間2つの楽章でピアニストにも弦楽奏者にも「ソロ」並みの負担を強いるからだ。

 岡原慎也 も シュトイデ も仲間たちも、テンポもダイナミクスも自在に操りながら、ドヴォルザークならではの美しい旋律線を楽しげに バトン受け渡ししながら奏でて行く。互いにしみじみ聴き合ったり、煽ったりしながら。

 ウィーン、ザルツブルク、神戸 で共演しているのだが、東京でも 共演してほしい限りだ > 岡原慎也 と シュトイデ! 今回も「東京公演」で聴きたかった次第である。音響も良い「浜離宮朝日ホール」で演奏会あったのだから > 今回
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

突然ですが「岡原慎也の室内楽」を聴きに神戸に行くことにした(No.1950)

2011-12-05 11:42:33 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
 記念すべき 1950号 だが、無計画な性格なため、

12月6日(火)神戸松方ホール「岡原慎也 : ドヴォルザーク ピアノ5重奏曲第2番イ長調」を聴きに行く


になった。
 私高本は、西は西宮&宝塚の演奏会までは聴きに行ったことがあるが、神戸市の演奏会は今回が生まれて初めて。ちなみに弦楽四重奏は「ウィーン・フィルコンサートマスター = シュトイデ」とその仲間である。

岡原慎也 は、ドイツリート伴奏で『シューベルト全曲 + ヴォルフ全曲』が超有名だが、室内楽も「ハズレ無し」の名演揃い


をここに記す。

水越典子(フルート) + 岡原慎也(ピアノ)も名演だった


ことは当ブログ掲載の通り。
 昨日12月4日(日)のデュトワ指揮N響「千人」2日目の批評は必ず掲載するが、岡原慎也室内楽の批評とどちらが先になるかはわからない。基本的に無計画な性格だからなあ(爆
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岡原慎也指揮者デビューコンサート批評 後編(No.1947)

2011-12-01 23:38:15 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
 岡原慎也から「批評書けとらんやん!」と叱責を受けた演奏会批評の後編である。聴いてから半年までは経過していないが、「遅れ遅れの批評が掲載されがち」な月刊誌でもここまでは遅れない。ブログは毎日更新できるじゃん。この責任は全て私高本にございます。言い訳は本日号の末尾に(泣


 トップは

清水里紗 の モーツァルト第9番変ホ長調「ジュノム」K271


  「ウィーン移住前のモーツァルトの最高傑作」だと私高本は信じている曲だ。清水は見たところ相当に若い。おそらく中学生? 高校生? (違いがわからなくなったのは私高本が年食って当該年齢女性の「年齢」に興味失ったからです。ハイ)
 しかし「出す音」は「モーツァルトの要求」に沿った「軽やかでいながら弾んだ音色」だ。フォルテ方向の音量は(後の2人を聴いた後では)不足していたが、これは年を重ねる毎に強くなる。誰もが恐れる「第3楽章の中間部のメヌエット」のテンポ設定も(年齢からすると)信じられないほど滑らか! 将来が楽しみなピアニストがまた1人聴けた喜びはうれしい限りである。
 2番手は

神永強正 の モーツァルト第17番ト長調K453


  個人的には、最も感銘を受けた演奏。神永は「全てを指揮者`= 岡原慎也」に委ねる。テンポもダイナミクスもアーティキュレーションも! 普通「そこまで信じていいの???」と言うレヴェル。信じられないほど「囁くピアノ」に「囁くオケ」が応える様は圧巻だった。グルダやブレンデルの録音を遥かに上回る「コンビネーションの良さ」が聴けたことに、神永と岡原に感謝!

 3番手は

鈴木かずこ の ベートーヴェン第2盤変ロ長調作品19


  ピアニズムははっきり鈴木が3名のソリスト中群を抜いている! 但し「指揮者 = 岡原慎也」を(神永ほどは)信じていない。「オケを被せられないか?」の不安が強いのだろう。ベートーヴェンが「ピアニッシモ」と指示している箇所も左ペダルは決して用いずに「ダイナミクスはフォルテ方向に偏った」演奏となった。おそらく、過去に協奏曲演奏経験が豊富なのだと感じる。大概の指揮者が無神経にかぶせてくるからなあ、、、
 「演奏経験」も良し悪しである。「岡原慎也が指揮者デビュー」と言うので「過去の忌まわしい記憶が蘇った」のかも知れない。神永のように「煮ても焼いても構いません」状態ではなく、「ソロが必ず浮かび上がる奏法」に徹した。
 極めて聡明なピアニストなので、次回岡原慎也と合わせる時は格段の向上がある、と信じる。


【言い訳】
  私高本はバカである。これほど素晴らしい演奏を、岡原に、鈴木に、神永に、清水に聴かせて頂いたにも関わらず、5ヶ月以上も「批評のクロージング」が出来なかった。その原因の全ては「私高本の猫頭」である。もう少し具体的に言えば

ベートーヴェンピアノ協奏曲第2番がわかっていなかった!


に尽きる。楽譜も持っているし、事前に読んで行ったのだが(モーツァルトの2曲並みには)全く理解出来なかった。なぜか?


モーツァルトピアノ協奏曲は「川上敦子のソナタ全曲演奏会」実行時に精査していたが、ベートーヴェンはきちんと読んでいなかった


に尽きる。鈴木さん、岡原さん、ごめんなさい(泣
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2011.10.16岡原慎也リサイタル批評 後編(No.1946)

2011-11-25 22:43:04 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
 シューベルト イ短調ソナタ 作品42」D845 の終楽章に入った瞬間に「世界がひっくり返った」ような気がした。「悠然たるテンポ」だったからだ。実演でも録音でも聴いたことの無い ゆったりしたテンポ。それでいて「シューベルトらしい雰囲気」がぷんぷんと漂って来る。う~ん、どこかで聴いたことがあるような無いようなテンポ。ロンドの第1副主題に入った時に、ふと気付いた。『形式は全く違うが、同時期作曲のグレート終楽章に雰囲気似てるか?』と。


 イ短調ソナタは、過去に岡原慎也の演奏で聴かせてもらったことがある。その時は「フツーの演奏」だった。もちろん、演奏水準は極めて高いし、響きを豊かに聴かせる「岡原節」満喫だった。
 ・・・が、この日のように

全ての聴き手よ、注目したまえ! シューベルトの意向はこのテンポなのだ!!!


とシラーの詩を用いて挑戦状を叩きつけたベートーヴェン「第9」のような演奏だ! こんなことは予期していなかった!!

 岡原慎也は「第4楽章」を聴いて欲しくて、今回取り上げたことが理解できた。未だ嘗て誰もが弾いたことの無い「ゆったりとしたテンポ」。魅力溢れる演奏なのだが「シューベルト指示の Allegro vivace と合致しているか?」は疑問が聴いた後に(音楽自体には説得力あっったにも関わらず)残った。岡原慎也に「演奏は魅力溢れていたのですが、スピード違反(低速)だったのでは無いですか?」と尋ねたところ、即座に「Allegro vivace = 168」と言って、メトロノームでテンポを聴かせてくれた。あぁ、このテンポじゃん。私高本の猫頭は数十年「Presto のD845終楽章を聴き続けて信じ込んでいた」ことになる。1回だけだが、岡原慎也も聴いたのだが(爆


 ・・・で、「岡原慎也の仕掛け」がこれだけで無かったのである。

 ムソルグスキー「展覧会の絵」は超ド名曲。ラヴェルが管弦楽曲化して「化けた」曲である。「オリジナル稿」はあまり興味を持たれない。う~ん、この書き方は猫頭私高本のスカさを直撃だわ。つまり

ラヴェル編曲版を基準に「ムソルグスキーのピアノオリジナル稿も聴いている」可能性が極めて高い


と言うこと。あぁ、私高本も同じだった可能性が高い(泣


 岡原慎也の「展覧会の絵」は何と澄んだ音で開始されるのか? おそらくペダリング。 私高本はロシアに行ったことが無いのだが、冷たい空気がピンと張ったような出だし。テンポの揺れは全く無い。「プロムナード」内は定速歩行なのね?


岡原慎也の聴かせところは「速い曲」、即ち「殻を付けたひよこ」とか「リモージュ(市場)」などで信じられない速度で疾走する!!


 おいおい、シューベルトでそんな演奏聴いたこと無いぞ! リヒテルとか巨匠を含めた過去演奏よりも速い「制限速度違反」の快スピード。これ「ピアノはベーゼンドルファーインペリアル」だよね? 低音は響き渡っているし。 正直「信じられない素晴らしい世界」を聴かせてもらった。「ソフィアのリヒテル」に比肩する名演だったと感じる。特に「速いパッセージ」の切れの良さは「ソフィアのリヒテル」以上だった、に聴こえた。「岡原慎也はシューベルト中心のレパートリーのピアニスト」と思っていたが、「ムソルグスキー中心のピアニスト」なのかも知れない!


 アンコールが盛り上がって、ソナタイ長調D644の第2楽章を弾いた後に、結局「即興曲集作品90D899」を後ろから、4番-3番-2番 と弾いて危うく「全曲弾くの?」状態まで拍手が鳴り止まなかった。1番も弾くの? と思っていたら、さすがに「お開き」になった。キーシン並みか?

 確か、私高本よりも数才年上のハズだが、若さ満々。このパワーをいつまでも続けてほしい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2011.11.05 水越典子フルートリサイタル 批評(No.1944)

2011-11-11 20:13:21 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
 新大阪駅前にある「ムラマツリサイタルホール」まで聴きに行った演奏会。聴きに行った最大の理由は

岡原慎也が ディートリヒ・ヘンシェル よりも長くコンビを組んでいる フルーティスト=水越典子


と聞いたからである! プログラミングが「超意欲的」であり、次の通り。

  1. イベール : 「戯れ」(ソナチネ)


  2. ヒンデミット : 8つの小品(フルート独奏)


  3. ケナン : 「夜の独白」


  4. ジョリヴェ : 「リノスの歌」


  5. 平尾貴四男 : ソナチネ


  6. プロコフィエフ : フルートソナタ ニ長調 作品94



 フルートは好きな楽器の1つだが、好きな作曲家は バッハ、ヘンデル、テレマン、ヴィヴァルディ、モーツァルト、シューベルト、ショパン とバロック時代から初期ロマン派までが多い。そんな中で、イベール、ジョリヴェ、プロコフィエフ は例外的に20世紀作品でも好き。この3曲を聴きに、「のぞみ」に乗り込んだ。他の3曲は初めて聴く曲なので、批評できない。嫌味のない選曲であったことだけお伝えする。以下は、イベール、ジョリヴェ、プロコフィエフ の3曲の批評である。


「現代曲」らしからぬ「表現巾の大きな演奏」が終始みなぎった 水越典子


  現代曲の演奏は(フルートに限らず)「正確無比にミスの少ないタイプ」が圧倒的だ。聴衆の方も「演奏家の解釈を聴く」タイプよりも「曲を聴く」タイプが多いのが一因だろう。「安全運転」の演奏が大半である。

 水越は違う。「安全運転」は決して狙わない。

  1. 「息の安定度」(量&速度)を大きな武器として


  2. 「20世紀作品」としては滅多に聴けないほどの「豊かな音色」で


  3. 「ダイナミクス」「テンポ」「アーティキュレーション」の全てで「巾広い表現」を実現した演奏会!



 特に「息の安定度」は抜群で、音程は極めて正確な上に不要なビブラートも掛らず、この難曲を次々と演奏してくれたことには感謝するばかり! (フルートでは難しいと伝えられており、実際に聴く限りだと難しく聴こえる)速い同音反復 も軽々と吹いて行く。こんな素晴らしい演奏をナマで聴いたのは初めてである。
 「ナマで」と書いたのは、録音では Sharon BEZALY(Fl) のCDで聴いたことがあるからだ。何回も録り直しのできるCD並みの演奏を実演で聴ける、とはツユも思っていなかったので、「ヘンシェル以上の共演実績がある 水越典子」の魅力を堪能させて頂いた。


 では今回の演奏が「ヘンシェル + 岡原慎也」に匹敵する演奏か? と問われれば、少し違う。2点改善できることならば改善してほしい点があった。

  1. ピアノが スタインウェイ「B」(奥行き211cm)であったため、ピアノの低音の響きが不足したこと


  2. ジョリヴェとプロコフィエフで、CDとは違う箇所が散見(散聴?)されたこと



 終演後、岡原慎也に尋ねたところ、「フルートが休符の箇所で何回か突っ込んで来た」とのこと。「どこでどんな風だったんですか?」と尋ねたところ「高本、勉強不足だ!」と言われた。その事実は認めた上で、「佐伯周子がレパートリーにしていない著作権が生き残っている曲」を楽譜を購入してまで勉強する金銭的余裕が無い「私高本の貧乏状況」を恨めしく思ったモノだった。また、フルーティストを全力で「支えており、カヴァーするプロ魂」も垣間見させてもらった。
 私高本が聴く限りだと「フルートとピアノのどちらがずれたのかはわからない?」ように聞こえたからだ。

岡原慎也の「ピアノアンサンブル術の素晴らしさ全開」を久しぶりに(10年以上か?)堪能した


 前回は、原田茂生 とのシューベルト歌曲。私高本が熟知している曲なので聴いた瞬間に理解できたが、今回は解説までして頂いた。岡原慎也には感謝するばかりである。


 今回のプログラムの内、私高本が理解できる イベール、ジョリヴェ、プロコフィエフ については、できることならば「水越典子 + 岡原慎也 でセッション録音」にして残してほしい。スタインウェイD を用いて。
 また次回リサイタル告知がプログラムに記載されており、「20世紀作品」とのことだが、水越典子 の奏法が最も生きるのはロマン派と感じる。シューベルトやショパンが聴きたいモノだ。ピアノは勿論岡原慎也で!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2011.10.16岡原慎也リサイタル批評 前編(No.1941)

2011-10-29 19:15:06 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也

シューベルトイ短調ソナタD845終楽章に新境地を切り拓き、ムソルグスキー「展覧会の絵」で『1958年ソフィアのリヒテルの再現』を果たした岡原慎也



 完全に脱帽するしか無いシューベルト演奏を久しぶりに聴けた。このイ短調ソナタD845は「作品42」として「シューベルトのソロピアノソナタとして初出版」の曲でり、当然のこととして「極めて力作」である。マンガ「のだめカンタービレ」にて「シューベルトの代表ピアノ曲」として紹介されてから注目が上がっているのだが、過去の演奏も新規の演奏も私高本を満足させるものがなかった。ここで(小さな声で)告白すると

  1. 以前の関西に於ける岡原慎也の演奏
  2. 以前の東京文化会館に於ける佐伯周子の演奏

も含めてである。以前の岡原慎也の演奏会は私高本は全くタッチしていないので責任は無い。佐伯周子の演奏会は主催したのだから責任の一端は(50%か10%か1%かは即断出来ないが)あることはある(泣


何が「納得度を低めるか?」ははっきりしていた。

終楽章=第4楽章がこれまでの全ての演奏が「変」なのだ!




 岡原慎也の演奏が始まる。茫洋とした音の群れが次第に纏まっていく。第2楽章の天国的な伸びやかな変奏曲。ここで聴いた第45~48小節の補筆はかつて1回も(岡原慎也の演奏も含めて)聴いたことが無かったので、

「第2楽章の補筆は岡原さん自身の補筆ですか?」と質問したところ、「そうだ。」との回答を得られた。過去の補筆の内、バドゥラ=スコダ補筆に並ぶ名補筆!



 暗く突き刺す「第3楽章:スケルツォ」。そして、信じられない第4楽章が来た。『のっそり』来た感じ。あぁ、D850-D960 を知っている私高本ならば、「即同意」する遅いテンポだ。
(後編は近日中に掲載します。)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

速報だけ! 岡原慎也が信じられない若々しい名演だった!!(No.1939)

2011-10-16 22:40:41 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
シューベルト + ムソルグスキー と言う「相性わかってまっか???」と言うプログラミングの演奏会を聴いた。わかっていなかったのは「私高本の猫頭」だった。岡原慎也の「真価」を知って14年。関西の演奏会も数多く聴かせて頂いて来た。「東京と関西で同一プログラム」と言うのは、前回の「ヘンシェル + 岡原慎也」以外は関西では聴いていない。
 その中で、今回の演奏会は

私高本が聴いた「関西の岡原慎也の最高峰」の演奏会だった!


今は酒が回っているので、批評は明日以降に書く。岡原慎也は凄いピアニストだ!!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

突然ですが「岡原慎也ピアノ」を聴きに兵庫県宝塚市に行くことにした(No.1938)

2011-10-14 19:22:10 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
明後日=10/16(日)に宝塚で岡原慎也が(今度は)ピアノソロを弾く。

岡原慎也がシューベルト後期のピアノソナタ(イ短調作品42D845)をベーゼンドルファーインペリアルで弾く!


と聞き、居ても立ってもいられなくなったので、「ゲルネのマーラー:子供の不思議な角笛から」リサイタルを聴く! と言う佐伯周子を東京に放置して、宝塚に掛け参じることにした。「日本ドイツリート協会会長」として、日程調整する余地が無かったのかについては、終演後に問い詰めたいと考えている(爆


プログラムカプリングは「ムソルグスキー:展覧会の絵」!
う~ん。

ちなみに私高本は、今回の演奏会があることを知るまで、岡原慎也と1度も「ムソルグスキー」「展覧会の絵」について話した記憶が無い。岡原慎也は「相手を見て話題を無尽蔵に提供できる巾広さ」の持ち主なので、おそらく私高本が「ムソルグスキー」について興味無い、と思っていたのだと思う。大好きな作曲家であり、ピアノ曲全曲CDとか「犬のサンダル集め」しているのだが(苦笑
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岡原慎也指揮者デビューコンサート批評 続予告編(No.1895)

2011-07-08 23:00:45 | ピアニスト兼指揮者・岡原慎也
 批評の間隔が空いたことをまず初めに、読者の皆様と演奏家の皆様にお詫びする。突如として、シューベルト「フィエラブラス」D796、「美しき水車屋の娘」D795、「ロザムンデ」D797 に興味が集中してしまったことが原因。どれもが名曲中の名曲なので「はまってしまった」状態だった。佐伯周子が「岡原慎也ピアノ伴奏盤の美しき水車屋の娘CD」を見付けて聴いたのが直接の引き金。原田茂生バリトン。久しぶりに「美しき水車屋の娘」の世界に浸った時間を過ごせた。シュライヤー盤、ヘンシェル盤、ゲルネ盤、フィッシャー=ディースカウ盤などなど聴きまくり! ファスベンダー盤聴いていたら、佐伯周子にきつく説教されてしまった。う~ん、確かに趣味悪いよな > ファンベンダー盤
 明日の、東京オペラプロデュース「メノッティ:プリーガー街の聖女」が楽しみでならない。「英語」だから「ドイツ語」や「イタリア語」よりも聞き取り易いのも好影響、って私高本だけか?(爆 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする