Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

読売日本交響楽団第496回名曲コンサート批評(No.1507)

2007-11-30 23:14:03 | 批評

素晴らしかった ヴァンスカ指揮ベートーヴェン交響曲全曲演奏会第2回「英雄」


 今日11月30日サントリーホールにて。 第2楽章以降が特に素晴らしかった ベートーヴェン「英雄」。6日前の第1回が良かったからか、信じられないほど多くの聴衆が詰めかけていた。(曲目=「英雄」の人気のせいかも知れない。)
 旋律の受け渡しの巧さや、ダイナミクスの巾広さ
(特にフォルティッシモの爆発!) は心に響く。
 来年11月には、第4番,第8番(以上第3回)、第6番(第4回)が発表されているが、今から待ち遠しい。


 一昨日「座席は余裕ありそうだ」と言ったのは、先見の明が無かったかも知れない。今日は相当に混んでいた(爆
 ベートーヴェンは満喫できたのだが、6日前に比べるとほんの少々「あと1歩」が欲しかった。断定はできないが、おそらく前半の
  • カレヴィ・アホ : フルート協奏曲

の『特殊奏法の連続』の影響だろう。特に金管楽器奏者が受けたダメージが大きかったようで、ベートーヴェン「英雄」第1楽章では小さなキズがここあそこで聞こえてしまった。
 来年の 第6番「田園」の日の前半も、アホ「トロンボーン協奏曲」になっているが大丈夫だろうか?
 日本のオーケストラは、フィンランドのオケほど「アホ作品」に慣れていない。重たい特殊奏法連続の曲は ヴァンスカ + 読響 は避けてほしいモノだ。シベリウスにも、まだまだ隠れた名作はあるのではないだろうか?
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ヤマハがベーゼンドルファーを買収(No.1506)

2007-11-29 19:47:01 | グランドピアノの買い方・選び方
驚愕の記事が日本経済新聞のスッパ抜きで!

ヤマハがベーゼンドルファーを買収


 ベーゼンドルファーはオーストリアの名門ピアノメーカーで シューベルトが没した 1828年創業。 97鍵の「インペリアル」は世界最大の音域をカバーするピアノで、ウィンナトーンの愛好家は多い。佐伯周子シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会でも使用している。

 20世紀後半に経営がアメリカのキンボール社に移っていたのを、オーストリアの銀行が「世界に誇る企業はオーストリア資本で」と買収していたが、最近の金融の波に呑まれたのか、米ファンドに株を集められていた。
 詳細は日経新聞のサイトをご覧下さい。
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読売日本交響楽団第465回定期演奏会批評(No.1505)

2007-11-28 21:23:51 | 批評
ヴァンスカ指揮ベートーヴェン交響曲全曲演奏会の第1回批評

クレッシェンドからスビトピアノへの魔術 = ヴァンスカ指揮ベートーヴェン交響曲の魔法


 これまで、シベリウス,ニールセン と私高本にとって「相性の悪い作曲家」で客演を続けて来た ヴァンスカ。 ついにベートーヴェン交響曲全曲演奏会の第1回が11月24日の定期演奏会で開かれた。
 標題に掲げた通り、聴き古されたかに感じられるベートーヴェンが、「今ここに生まれたかのように演奏される」ことに大きな喜びを感じる。ヴァンスカの指揮は「ベートーヴェンの通り」を余りにも超絶技巧で要求する。実現するとこれほどまで感動的なのか!!!
 特に第2番ニ長調のスケールの大きさについては、モーツァルトの全てとハイドンの全てだけでなく、ベートーヴェン自身の第1番も超えている。シューベルトがこのベートーヴェン第2番に心酔した気持ちが、ヴァンスカ+読響を聴いて共鳴を覚えた。



  1. シベリウス : 葬送行進曲作品59
  2. ベートーヴェン : 交響曲第1番ハ長調作品20
  3. ベートーヴェン : 交響曲第2番ニ長調作品36

と言う「いかにも人気が出ないプログラム」の読響定期演奏会。しかも2回公演にしたので座席は極めて余裕のある状態であった(爆
 「すいているサントリーホール」は響くぞ!!!

 ヴァンスカの卓越した点は

  1. どんなに離れた楽器群でも「スムースな調べ」を紡ぐ
  2. クレッシェンドの直後にインテンポでスビトピアノを続ける
  3. 伴奏音型のワルツやポルカかのように聞こえる瑞々しい躍動

の3点を挙げれば言葉としては充分か?
 明日 11月29日と 明後日 11月30日 にベートーヴェン交響曲第3番の演奏会がある。是非是非聴いてほしい。座席は余裕がありそうだ(爆
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新国立劇場「カルメン」初日批評(No.1504)

2007-11-26 17:18:33 | 批評
本日から連続3回「演奏会批評」を掲載する。

新国立劇場に、シュターツオーパーとして恥ずかしくない「カルメン」が来た!




  1. 1999年1月19日初日 クーン演出&指揮(畑中良輔芸術監督時代)
  2. 2002年6月7日 初日 マッティーア演出,デラコート指揮(五十嵐喜芳芸術監督時代)

と2度製作したモノの演出がパッとしないため、ほとんど再演されなかったビゼー「カルメン」が新演出された。
  • 2007年11月25日初日 鵜山仁演出,デラコート指揮

で上演された。指揮は5年前と同じだが

  1. カルメン役 = モンティエル が圧倒的に素晴らしいカルメン像を描き
  2. 原台本に忠実な 鵜山演出が「音楽進行を滑らかに」しており
  3. デラコート指揮が 5年前よりも冴え亘る

見事な舞台となった。「カルメン」ファンは是非聴いてほしい。



 主要役は全員良かったが、代役の モンティエル は「世界最高水準」の「カルメン」役。是非是非聴いてほしい。鵜山演出は「深読みしない」がコンセプト。深読み好きの人には物足りないので、今後「不足感ありの批評」が新聞や音楽専門誌に続々と掲載されることだろう。
 ミカエラ = 大村博美 は、2004年6月「カルメン」公演の同役の時よりもさらに素晴らしい歌唱。演出 と 指揮 でこれほどまで歌い易くなるものなのだ!
 端役では ダンカイロ = 今尾滋 と フラスキータ = 平井香織 が声の飛躍を聴かせてくれたことがうれしい。少しづつ大きな役を得てほしい。

 「カルメン」代役を含め、キャスティング,演出,指揮 全ての面に目を行き届かせる 若杉弘芸術監督 の今後の演目が楽しみだ!!
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アルフレート・ブレンデル引退を予告(No.1503)

2007-11-24 09:25:59 | ピアノ音楽全般
昨日はびっくりした記事を読んだ。

ピアニストのA・ブレンデル、来年末での引退を発表



である。私高本は、1978年の「シューベルト没後150年」の『ブレンデル-オールシューベルトプログラム』のFM放送録音を聴いて、音楽への道を踏み込んだ人間。最晩年の3大ソナタが FM東京(現:TOKYO-FM) と NHK-FM で放送され、その全てを聴いた。放送局毎に違う日のテイクであり、微妙に表情が違ったことが驚きであり、新鮮だった。カセットテープに録音して繰り返し聴いたことも思い出す。

 当時のブレンデルが47才。今や私高本が「当時のブレンデル」を越している。時代の流れの速さに驚く。
 ブレンデルは

1822-1828のシューベルト


に焦点を当て、2度に亘って

ブレンデル : 1822-1828のシューベルト主要作品録音


をおこなった。2回目の録音が発売後20年近く廃盤になることなく、今も入手できる 超ロングセラー である。
 今の私高本は

佐伯周子 : シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会を主催、進行中


である。微力ながら、シューベルト、ピアノ音楽 の良さを1人でも多くの人に感じてもらえるように続けて行く。次回第4回は 2008年8月1日。 その前にも「佐伯周子のシューベルト」を聴いて頂けるチャンスを作りたい。第5回はできる限り、近い内に実施したい。

 冒頭記事を読んで、ブレンデルのシューベルトCDを聴いた。第1回目の全曲録音の始めの2枚。これだけがベーゼンドルファー。今、改めて聴いて、2007年現在でも新鮮な演奏である。ありがとう、ブレンデル!
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