Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

原田英代シューベルトツィクルス第10回批評(No.1784)

2010-09-17 23:16:51 | 批評

世界最高のシューベルトピアノトリオ弾きピアニスト = 原田英代


  『シューベルト自筆譜通りのD929』を私高本は生まれて初めて聴いた。第4楽章(=終楽章)がソナタ形式の「呈示部繰り返し有り」で、初版出版時(シューベルトの生前で、オーストリア国外で生前に出版された唯一の曲!)にシューベルト自身がカットした100小節を元に戻した状態のことを指す。

信じられないほど、「シューベルトの指示通り」である上に、「心の震え」が伝わって来る超名演であった!



  1. 原田英代(ピアノ)

  2. ミハイル・シモニアン(ヴァイオリン)

  3. イェンス=ペーター・マインツ(チェロ)


の演奏家3名に深く感謝するとともに、この素晴らしい企画を提唱した 山口昌男、そして「原田英代シューベルト・チクルス実行委員会」の皆様全員に感謝を捧げる。この素晴らしいシューベルトを聴けて、私高本は涙が止まらなかった。13年待ちに待った日が「今日」だとは全く思いもよらなかった。この演奏会は一生記憶に残るだろう。


  シューベルトは「最高に人気ある室内楽作曲家の1人」である。これは断言できる。弦楽四重奏曲には名曲が多数あるが、第14番ニ短調「死と乙女」D810 は、「客を呼べる弦楽四重奏曲の切り札」である。弦楽五重奏曲ハ長調D956 は弦楽四重奏団に1人チェリストを招聘しないと演奏できない上、同編成の名曲が皆無な割に頻繁に演奏される。ピアノ五重奏曲イ長調「ます」D667 は、弦楽四重奏団から1人ヴァイオリンを抜いた上にピアニストとコントラバスを追加する必要がある上に同編成の名曲が無いことは弦楽五重奏曲D956と同じだが、やはり超人気曲。フルートとピアノのための「しぼんだ花による変奏曲」ホ短調D802 も超人気曲、これは同編成の曲が多く、それは頻繁に演奏されている。

 ・・・で、どれが「シューベルト最高の室内楽曲」であるか? は各人の感性次第であろう。

私高本は、ピアノ3重奏曲変ホ長調D929作品100が最高傑作だと思うが、「稿問題」が良くわからないのでこれまで明言を避けて来た


である。
 『シューベルトの稿問題』は根深く、1曲1曲で状況が異なる。私高本は1989年頃に ベーレンライター新シューベルト全集に拠るCD(シュトゥットガルトピアノトリオ)の録音を聴き、1997年にベーレンライター新シューベルト全集の「室内楽全集」を購入して「D929第1稿」の楽譜を知った。それから13年。
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