Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

バドゥラ=スコダ夫妻著『モーツァルト 演奏法と解釈』(No.1887)

2011-06-24 15:59:16 | 楽譜の選び方
 新横浜 → 新大阪 新幹線車内で、標題の本を読んだ。2002年に『川上敦子:モーツァルトピアノソナタ全曲演奏会』開始前に熟読して以来なので、9年ぶりに全部通して読んだ。 1963年初版、渡辺護訳、音楽之友社刊。原著はドイツ語で1957年刊。 私高本自身は1981年の第12刷を新品で購入しているので、ロングセラーの人気本だったことがわかるが、現在絶版。上記リンク先に1冊だけ安い中古が出ている。

 いやー、以前勉強したことが頭の中に蘇った。半世紀以上たった現在でも通用する名著である。50年間の研究で変化があった(と感じた)点はわずか以下の2点のみだった。

  1. 原典版楽譜が数多く新規出版されて、「楽譜環境」が非常に良くなったこと
  2. 「andantino」が「andante」よりも遅かった、と判明したこと

 これだけだった。パウル・バドゥラ=スコダ がその後フォルテピアノを頻繁に弾くようになることはあまり感じさせないで、モダンピアノについてほとんど語っていることは、1人の芸術家の芸の巾広げを垣間見た気がする。
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楽譜の選び方<基本> (No.1367)

2006-09-11 22:18:06 | 楽譜の選び方
 先日、「ガーシュインの楽譜」掲載号に トラックバック頂いた ので、その文章を読み「困った楽譜を購入してしまった」事実を知った。読者の皆様には

できる限り「楽」して、音楽を楽しんでほしい


と常々考えているので、本日号では、この問題を取り上げてみたい。
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楽譜は「まともな楽譜」をきちんと購入しよう!


 世の中には 『2種類の楽譜』がある。

  1. まともな楽譜
  2. カネを得られれば、購入者がどうなろうと「知ったこっちゃ無い」と考える 悪徳な楽譜

の2つである。マジ、本当である。
 今は昔、
  • 現在は 1ドル = 110円 くらいであるが
  • 固定で 1ドル = 360円 の時代が20年以上に亘り長く続いていた「時代」がある

 ウソじゃないぞ! 日本史の本で調べれば真実は判明するぞ。

 収入の問題を別にしても「輸入楽譜の値段は 現在の 3.5倍」くらいしたのである。 実際は収入も、国際水準で考えると 年々上昇しているので、さらに「昔」はキツかったのである。
 ・・・と言う時代に、「ヘンレ版」や「ペータース版」のバッハやモーツァルトやベートーヴェンやシューベルトをガンガン購入することのできた家庭は少なかった。単純な話「カネが続かない」から。
 そんな時代に
  • ペータース版やヘンレ版と「ほとんど同じ楽譜」を
  • 1/5 くらいで販売して
  • バッハ~ブラームス 辺りを「フキュー」する
  • と言う「美名」の下に
  • 「パクリ」が横行 した。

「音楽之友社」や「全音楽譜出版社」も実行していた。もちろん、他の零細楽譜出版社どもは、大手以上にガンガンやっていたのである。 この事実は、35年前に私高本が確認している。
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 楽譜には【2つの権利】が存在する。

  1. 著作権

  2. 編集権


 「1」は、作曲家自身の権利であり、死後50年間(1945年の敗戦国には 10年の延長措置があるので、「敗戦の瞬間の戦勝国民」の人には 60年になる)権利が保全される。
 「2」は、権利期限が無限?、かと思う。要するに「コピーして販売してはいけない」と言うことだ。
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 ・・・で、トラックバック頂いた方が購入した「ガーシュインの楽譜」である。日曜日に「ヤマハ銀座店」に行って確認しました。

はっきり言って「購入しない方が良い劣悪楽譜」である!


 私高本は「ガーシュインの全ての楽譜」は知らないが、そのどれかを

  1. 全ての音符をパクっておいて

  2. 『故意に』いくつかの臨時記号を『わざと』変更した楽譜


である。 『ただでも、無い方が良い』楽譜である。

悪い楽譜を見極める方法


 これが無いと、明日も明後日も「悪徳業者」に引っ掛かる人が、今後も続出するか、、、
 では極意を発表する。心して読め!

  1. 「原典版楽譜」を選択すること!

  2. 校訂責任者 または 編集責任者 が 明記されている楽譜を選択!!

  3. 万が一、校訂責任者 または 編集責任者 が記載されていても、「井口基成」と「吉田秀和」ならば絶対に『買ってはいけない楽譜』!!!


 この3点だけを「絶対に揺るがない基準」にすれば、絶対に間違いは無い。
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 ガーシュインも全く同じである。
  • 著作権は切れているが
  • 編集権は切れていないので
  • 「シャープやフラットやナチュラル」をブチ壊した楽譜を
  • 廉価に売る「著作権または編集権破壊業者」の楽譜は
  • 絶対に「買わない方が賢明」

である。 円安になっても 1ドル = 360円 までは落ちないだろうから、じっくり「作曲家の意図通り」の楽譜を購入してほしい。 ガーシュインの楽譜も全く同じである。
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 具体的な「良いガーシュイン楽譜」については明日号に掲載致します。
コメント (1)
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