Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

「子供の不思議な角笛から」の謎を解く(No.1926)

2011-08-30 22:14:33 | 歌曲作曲家・マーラー(1860-1911

1人の歌手による「決定的名盤」が存在しない「幻の名曲 = 子供の不思議な角笛から」の謎を解く(7)


不人気原因その7

「原調」で歌わないと違和感が大きい曲が4曲も存在している!


  これは、マーラー と シューベルト だけに存在している問題かも知れない。「ドイツリート」は声楽家の「声質」に合わせて自由自在に移調可能、が大前提になっている。

マーラー は、「子供の不思議な角笛から」の最終2曲 と 「リュッケルト歌曲集」オケ版は「移調用楽譜も同時に世界初出版」したほど!


である。「どの調性が原調か?」を詮索されたくなかったのだろうなあ! 気持ちはよくわかる。

 ・・・で、「子供の不思議な角笛から」全曲録音を聴いていると、「あれっ?」と感じる曲が数曲あることがわかった。

交響曲楽章に「丸々」転用した楽章は、交響曲楽章の調性で無いと「変」である!


 交響曲は移調しない(爆

 だから、誰の指揮でどこのオケでも「全部同じ調性で聴く」ことになる。当たり前過ぎて気付き難いかも(爆

原調で無いと「変」な「子供の不思議な角笛から」曲目一覧



  1. Urlicht, Des dur, No.2 4th movement


  2. Des Antonius von Padua Fischpredigt, c moll, No.2 3rd movement


  3. Es sungen drei Engel einen susen Gesang, F, No.3 4th movement


  4. Das himmlische Leben, G, No.4 4th movement



 この4曲だけは「移調されていると変に聞こえる」ことは保証しよう。しかも(さらに)マズいことがある。

  1. Alto : Urlicht, Des dur, No.2 4th movement


  2. instrement : Des Antonius von Padua Fischpredigt, c moll, No.2 3rd movement


  3. Alto + Chorus : Es sungen drei Engel einen susen Gesang, F, No.3 4th movement


  4. Soprano : Das himmlische Leben, G, No.4 4th movement



 見てほしい。「要求声質」が違うのだ! 「原光」は朗々とした低音の響きが欲しいが、「3人の天使が歌っていた」では、能天気な感じの合唱が歌っていて欲しい。「天上の生活」は(題名に反して)延々と食い物のことが軽やかな声で綴られる。そんなに食っていると日本人だと私高本のように糖尿病になるぞ(爆
 「魚に説法する聖アントニウス」は、純器楽曲に編曲されたのだが、これはアルトかな? う~ん、これは困った。

1人の歌手が「手に負える」声域では無いぞ!


 これが解決できる歌手がいたならば、フィッシャー=ディースカウ や ハンプソン を超える。いるのだろうか(泣
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佐伯周子のベートーヴェンピアノソナタ第16番(No.1925)

2011-08-29 23:07:32 | ピアニスト・佐伯周子
 私高本=マネジャー だから「批評」は書けない。当日は「佐伯説」に従って「1時間前現地入り」したんだが、既に「第14番嬰ハ短調:月光:第3楽章」が鳴っていた。やっぱ「予想通りの前倒し」になっていた。佐伯の演奏開始は(15:00前後告知だったが)14:45だった。佐伯の勘は鋭いな(爆

第2楽章と第3楽章が圧倒的な名演だった 8/28 の佐伯周子のベートーヴェンピアノソナタ第16番ト長調


  第1楽章は「緊張した」んだろうな、多分、初めて触るピアノだったし。直前に自宅で弾いた(ヤマハ)よりも、つっこみがはっきり足りなかった > 第1楽章の佐伯周子

 ・・・で、会場の聴衆の質は極めて高かった > 少なかったんだが。
第1楽章では、第15番からのざわめきを引き継いでの演奏となった、個人的には不満だらけ。「もっと静かに聴いてちょ!」だわ(爆

 ・・・で、「第2楽章のトリル」が始まったら、信じられない静けさが来た! そのまま、第3楽章終曲まで。おそらく「第1楽章」がつまらかったんだろう。オレも(消極的選択であるが)「第2楽章以降」に方が圧倒的に良かったことをここに記す。う~ん、曲がいいのか? 演奏がいいのか?


 ・・・で、「演奏が圧倒的に良かった!」のだと思う。私高本は猫頭なのでよくワカラン(泣

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シューベルトが手本にしたベートーヴェンソナタ第16番ト長調 後編(No.1924)

2011-08-27 17:52:30 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 明日8/28(日)15時頃(少し早めになるか?)佐伯周子がベートーヴェンソナタ第16番ト長調 を弾く。詳細は2つ前の号をご覧下さい。


 ベートーヴェンは31才で既に「自分の型」で人気を博していた。特に人気高かったのが、交響曲第1番ハ長調作品21 と 7重奏曲変ホ長調作品20 だった。「規模の拡大」を目指す上で、「何をモーツァルトから学んだか?」が注目されるが

「主題回帰の工夫」が不足している、と自覚した



  1. 第1楽章:「ロンドソナタ形式」に限りなく近い「ソナタ形式」:A-B-A-A'-A-B-Coda:主題回帰の度にダイナミクスが大きくなる


  2. 第2楽章:「ロンド形式」:A-B-A-C-A-B-A-Coda:主題回帰の度に主題が装飾変奏されていく


  3. 第3楽章:「ロンドソナタ形式」:A-B-A-A'-A-B-A-Coda:主題回帰の度に主題が装飾変奏されていく



 極めて精巧に計画されて作曲された。全3楽章がほぼ同じ構造を持ち、p(ピアノ)で開始されp か pp(ピアニシモ)で終曲する。シューベルトは第3楽章に特に惹かれ、

  1. ピアノソナタ第20番イ長調D959第4楽章


  2. ピアノソナタ第21番変ロ長調D960第4楽章



と最後の2曲のピアノソナタにそっくりそのまま形式を転用した。D959 の方は、装飾法も、D960 は形式のみ。

 第1楽章と第2楽章は、「伴奏音型がオーケストラ的」なことも模倣している。また

「歯切れ良いモーツァルト風」の音作りが魅力であると同時に難所


 これだけ「切れの良さを求めるベートーヴェンピアノ曲」は他には無い。第2楽章は、「モーツァルトのピアノ協奏曲第2楽章」風に木管楽器の模倣が至るところで伴奏音型に出てくる。ファゴットが大活躍。実際にこれだけファゴットに任せたら、奏者の息がキツいかも(爆

 第3楽章は一転「ピアニスティックな世界」。おどけた足取りだが、ロマンティックな主題が前2楽章と「全く異なる風景」を見せてくれる。佐伯周子の明日の演奏が楽しみ。べヒシュタインセミコンサートグランドも大いに楽しみにしている。
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シューベルトが手本にしたベートーヴェンソナタ第16番ト長調 前編(No.1923)

2011-08-25 21:27:39 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 もし、ベートーヴェンが57才まで生き延びずに「シューベルト死亡と同じ31才で没していたら」を想定してほしい。作品番号で言えば、作品29までの全ての作品と、「プロメテウスの創造物」作品43と ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37 などが作曲済み、と伝えられているが定かで無い点もある。(特にピアノ協奏曲第3番)
 ベートーヴェンは「モーツァルトを目標」にしていた。シューベルトが「ベートーヴェンを目標」にしていたように。モーツァルトは(シューベルトの31才ほどは短くなかったが)35才で死んだ。31才になったベートーヴェンは思った。「傑作の森が無いぞ!」と(まさか!)

ベートーヴェン「傑作の森」の通常数えられる「傑作」



  1. ヴァイオリンソナタ第9番イ長調「クロイツェル」作品47


  2. ピアノソナタ第21番ハ長調「ワルトシュタイン」作品53


  3. 交響曲第3番変ホ長調「英雄」作品55


  4. ピアノソナタ第23番ヘ短調「熱情」作品57


  5. ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58


  6. 3曲の弦楽四重奏曲「ラズモフスキー」作品59


  7. ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61


  8. 交響曲第5番ハ短調「運命」作品67


  9. 交響曲第6番ヘ長調「田園」作品68


  10. 歌劇「フィデリオ」作品72


  11. ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」作品73



 この作品(とこの後の作品)が存在しなかったら、「悲愴」「月光」「春」くらいしか人気作が無い?(爆


 特に、ピアニストとして絶大な人気を博していたベートーヴェンにとって、ピアノソナタは何とか質&量でモーツァルトにひけを取らない、と言える作品群が作曲されていたが、ピアノ協奏曲が質&量で劣っていた。量はともかく、質が K453,K466,K491 などにはっきり劣っていたことは実感していたようだ。「このままではいけない!」
 さらに(後世から見ると異様だが)「交響曲」も1曲しか作曲していなかった! 凄い人気作だったのだが、モーツァルトにも「誰が聴いても名作」の5曲(「リンツ」「プラハ」「後期3大交響曲」)があった。何が何でも6曲は書かなければいけない!!


作風を意識的に「大規模」にしたベートーヴェン


  この言葉、当ブログ読者だと、覚えているでしょ。「シューベルトの中期」「シューベルトの後期」がベートーヴェンを目標に邁進したことを何度となく書いてきたから。ベートーヴェンも(生涯で1度だけ)実行している。この目的で2曲が作曲された。

  1. ピアノソナタ第16番ト長調作品31/1


  2. 交響曲第2番ニ長調作品36



 上が「協奏曲」下が「交響曲」で、それぞれ モーツァルトの K453, K504 が直接の手本になった。(後者についてはK297 & K385も手本にした可能性あり)

ベートーヴェン:ピアノソナタ第16番は、モーツァルトピアノ協奏曲K453を直接の手本にして「協奏曲の作曲技法」を習得した名曲


である。詳細は後編で。
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「佐伯周子がベートーヴェンピアノソナタ第16番」を弾く 詳報(No.1922)

2011-08-24 23:50:53 | ピアニスト・佐伯周子
 詳細が発表された。

ルイ・レーリンクHP ベートーヴェンソナタ全集



 全32曲の内、19番、28番、31番を除いた29曲を演奏する予定。佐伯周子の演奏予定時刻は ±15:00 とあるが、前倒しになるかも知れない。500円 で全てが聞けます。私高本も佐伯周子を聴きに行きます。

ピアノは べヒシュタインのセミコンサートグランド


と記憶している。興味ある方は是非是非聴きにお越し下さい。銀座線外苑前下車徒歩1分です!

8月28日(日)±15:00 佐伯周子 ベートーヴェンピアノソナタ第16番をべヒシュタインで弾く!


 明日は曲目解説書くか、、、(爆
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八木寿子の演奏の魅力(No.1921)

2011-08-23 21:31:05 | 批評
 先ほど、

googleで「八木寿子」で検索したら、1位=「八木寿子の近過去&近未来」、2位=「八木寿子 第9回東京音楽コンクール優勝」になっていた!


 これにはたまげた! google検索でトップに来るのは、「佐伯周子」「飯坂純」とカテゴリーを立てた2人だけ。「岡原慎也」「川上敦子」「作曲家 グルダ」などはトップページ上位には来るが、1番目には来ていない。PMJ にとって「事件」である。
 若き有望メゾソプラノを皆が「知りたい!」と思っていて、最も具体的なことを書いてあるのが この Piano Music Japan ということを意味する。責任重大だが、聴いたことを素直に書き綴る。次回に 八木寿子 を聴くのは、来年1月28日になる(はず)ので、次回はそれ以降になる。
 福岡や神戸の聴衆は、私高本以上に頻繁に 八木寿子 を聴いている人も多いことだろう。だが、「東京近郊在住者」の中では最も良質なモノを一定以上の頻度で聴いた1人かも知れない。


八木寿子はなぜ「第9回東京音楽コンクール声楽部門第1位優勝」に輝いたか?


 大半の読者の興味はここだろう(爆

 8/21(日)本選の様子だけを下にそのまま書く。(私高本は 7/27の予選聴いていない。)

 開演前の聴衆は、大半が「若きソロ歌手の卵」だらけ。来年優勝するつもりなんだろうな > みんな

 中には、「新国立劇場研修所スタッフ(中間管理職)」とか、二期会や藤原歌劇団の人も居た。音楽評論家もあちこちにいた > 特に「声楽系」は来ていた。
 ぼんやりと、ざわめきを聞いていると「優勝予想は、湯浅純子(S)と高橋洋介(Br)」。どちらも東京の歌手じゃん。どちらかと言うと、「高橋推し」が多かったので「同門」が多い筋なのだろう、と判断した。ちなみに湯浅と高橋が芸大院卒、八木と清水徹太郎(T)が京都市芸院卒。対照的。八木寿子の心情的な応援団ってオレ1人だけだったかも > 東京文化会館大ホールで(爆


  1. 八木寿子は、技巧的な水準が全ての面で極めて高い


      おそらく、審査員はあまり言及しないだろう点を、真っ先に指摘しておく。この「声楽の基礎」が信じられない高みで到達していたので、これから述べる点が全て実現したからである。声量、音程、声質。言うは易し、行うは難し。藤村美穂子クラスと感じる。

    1. 声量の豊かさ + ダイナミクスレンジの広さ


        本選出場者4名で、八木寿子は声量がダントツに抜き出ていた。フォルティッシモの轟きが「12型オケのフォルティッシモを突き抜けて来る快感」が最高だった。 ソプラノは「全部抑えさせた」し、テノールは「オケを鳴らしてくれ。」だったが、オケに完全に埋もれた。バリトンは「突き抜け方」が2段階以上、八木にはかなわなかった。八木寿子 の「うまさ」は「pp」だと感じる。ピアノで言えば「左ペダル踏んだかのようなpp」をささやく。
    2. 音程が確か


        言い難いことだが、(私高本の価値はここしかないから)明言する。「八木寿子は最も音程が楽譜に忠実だった」ことを。文句あるヤツはコメントに実名で書いてくれ。オレの頭は「猫頭」だが、耳はいいぞ(爆
    3. イタリア語とフランス語のディクションが正確


        言いたくないが書く。「印象批評」だ。オレはイタリア語もフランス語も聞き取れない耳だし。ただ、これまで「名盤」とされて来たCDと比較すると、「原語ニュアンス」に近い、と感じるぞ。
    4. 全ての「メゾソプラノレパートリー」を熟知しているか、のような選曲


        メゾソプラノは、ソプラノに比べて「コンクールでは、はっきり不利」な声域だと感じていた、八木寿子を聴くまでは。前妻がメゾソプラノだったので、論議は(私高本的には)尽くしたことがある、思っている。例えば、ロッシーニ「チェネレントラ」オリジナル版でチェネレントラを歌っても、モーツァルト「夜の女王のアリア」歌われると印象に残り難い。ズボン役を「普通の女声役」に混ぜて歌うと、コンクールでは「見た目」に違和感が残ってしまう etc. 
       八木寿子は、モーツァルトK578、マスネ「ウェルテル」、サン=サーンス「サムソンとデリラ」、ヴェルディ「ドンカルロ」と性格付けが全く違うオペラとコンサートアリアを「作曲家の意図」に忠実に表現、清らかな女性像から悪女まで歌い尽くす。その全てが「女性」であり、ドレス姿でばっちり! これならば「ソプラノに対して不利では無い」だ!!

  2. 全く別の「役柄」に瞬時になり切れる


      これは、多くの人が驚いたことだろう。4名の作曲家の作品を取り上げたのは、八木寿子ただ1人であり、2曲または3曲続けて「同じ作曲家作品」を並べて挑んだ人が2名もいた。4名の、しかも作風が全く異なる作曲家を取り上げることは、できることなら回避したい声楽家が多いことは今回コンクールだけでもはっきりわかる。大体、声楽以外の、木管、弦楽、ピアノ は「協奏曲1曲だけ」の審査であることからも、短い時間にコロコロと違う作曲家を取り上げる難しさがお分かりいただけることと思う。
     特に心打ったのが、「ウェルテル」で涙をホロッと流させるアリアの後に、悪女「デリラ」の狡猾な歌が「それはそれは上手く」歌われたことである。こんな風に(悪女であっても)良い女に言い寄られたら、ポロッと「サムソン」が失言してしまうよなあぁ、と感じた次第である。
  3. 声質が高音から低音まで「均質」かつ豊かな声に聴こえる


      私高本が「デリラ」を聴いたのは、審査員伊原直子が「横浜シティオペラ」と言う名前だったと記憶しているが、「第1回」と銘打って行った超豪華公演だった。(演出は誰だったか? どんなだったか? は全く思い出せません。「猫頭」なので許して下さい、ペコッ)
     大野和士指揮東京交響楽団、大野和士の「オペラデビュー」だった記憶がある。気迫のこもった演奏だったが、声が 高音、中音、低音 でそれぞれ異なる音色だった。メゾソプラノはこのタイプが多く、例えば ファスベンダー もこのタイプ。もちろん、ポジションチェンジはあるハズなのだが、それが「音色上では感じられない」のは1つの大きな美点。今回優勝の原動力となった一因である。


 八木寿子(MS)の声は、来年1月28日(土)に東京文化会館大ホールでオケ伴で聴ける。興味を持った方は是非是非聴いてほしい!!
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八木寿子 近過去&近未来紹介(No.1920)

2011-08-22 21:00:02 | 演奏会案内
 今朝起床してgoogleで「八木寿子」を検索したら、Piano Music Japan が上から4番目に掲載されていて、東京文化会館HPよりも遥か上に来ていてブッ飛んだ! ここ見て知った人が多いのか、、、
 責任大を感じたので、東京の人にはあまり知られていない 八木寿子 の「音楽活動」を紹介する。神戸~福岡 が基盤のアーティストである。

八木寿子 プロオーケストラ伴奏演奏会一覧



  1. 2010.10.02 九州国立博物館開館記念「第9コンサート」 北原幸男指揮九州交響楽団 九州国立博物館


  2. 2010.12.24 九州交響楽団特別演奏会「第9」ゴロー・ベルク指揮九州交響楽団 アクロス福岡


  3. 2011.08.22 「第9回東京音楽コンクール声楽部門本選 第1位優勝」渡邊一正指揮東京フィルハーモニー交響楽団 東京文化会館大ホール


  4. 2011.09.26 九州交響楽団第311回定期演奏会「デュルフレ:レクイエム」秋山和慶指揮九州交響楽団


  5. 2012.01.28 「第9回東京音楽コンクール優勝者コンサート」円光寺雅彦指揮東京フィルハーモニー交響楽団 東京文化会館大ホール



 九州交響楽団から「2年で3公演」の信頼を得ている新進メゾソプラノが 八木寿子。あぁ、9/26 は佐伯周子のスケジュールが詰まっている(涙
 来年1/28は(他の優勝者が皆無でも)必ず 八木寿子 を聴きに行くことを決めた。読者の皆様にも是非是非堪能してほしい、スケールの大きいメゾソプラノである!
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八木寿子第9回東京音楽コンクール声楽部門優勝(No.1919)

2011-08-21 23:24:58 | その他
 本日2011.08.21 18:00 から本選が実施され、私高本も聴きに行った。標題通り

八木寿子(やぎひさこ)第9回東京音楽コンクール声楽部門優勝


となった。早速HPにて告知されているので、是非是非リンク先を読んで下さい。


 東京の聴衆にとっては「八木寿子初体験」だったろうが、私高本は前年に「日本ドイツリート協会夏期講習」でシューベルト「魔王」作品1 他を聴いていたので、八木寿子の実力の高さは既に知っていた。その八木が、渡邊一正指揮東フィルをバックに「コンサートアリア + オペラアリア を4曲も歌う!」と言うので、これは何を差し置いても聴きに行くことにした。幸いにして猛暑が終わっていたので、こうして無事に報告が書ける!


 私高本だけではないが、

大半の批評は「印象批評」である! を宣言しておく


 (これは後への伏線だからね。)おいおい、またまた「ヒョーロンカ」を敵に廻す発言か(爆

 今回の4名の本選出場者は、審査員の皆様から実力を高く評価されたので、本選出場となったワケだ。誰もが優勝の可能性がある。そして4名ともに「オペラアリア」では「声楽家としての最良の声」を聴かせて頂いた、と感じる。選曲や声量の大小などはいろいろと感じることはあったが。


 東京音楽コンクール声楽部門の「本選規定」だと「1曲以上のオペラアリアを含む、オペラアリアまたはオーケストラ伴奏歌曲で20分程度」となっている。「1曲で20分の名オペラアリア」を猫頭の私高本はすぐには思い出せなかった(泣
 この規定の下で、「オケ伴歌曲」を入れるか? 入れないか? が1つの関所。3名が入れて、1名が入れなかった。入れなかった高橋が2位。結構微妙な感触である。

 ・・・で、「入れた3名」は、ド大差がここで付いてしまった。おそらく3位の清水と入選の湯浅は「オペラアリアの時間埋め」の感覚で選曲した、と感じる。2人とも、オペラアリアほど入念に仕上げしていなかったし。


 八木寿子だけは違った。

モーツァルトが「ソプラノ用コンサートアリア」として作曲した名曲を『下を十二分に張りながら、上の2点G も轟かす』


を狙って大成功! マーラー交響曲アルトソロでも出てくる高さだったのですか! 名盤と言われている「セル指揮シュヴァルツコプフ盤」聴いて会場に向かったのだが、はっきりと 渡邊 + 八木 の方が上じゃん!!!


 4名全てが素晴らしい演奏だった。さらに、結果についても「演奏の通り」。会場の雰囲気はちょっと違って「高橋が人気最高」であり、やはり「聴衆賞」を獲得した。この辺りは、八木と清水が「関西人」でファンが(オレくらいしか)居なかったことが大きいかも。湯浅は関東拠点だが、声量の不足が他の3名に比べて明らかだったのが残念。


 「ソプラノ用コンサートアリア」と書いてあり、新旧モーツァルト全集で「ソプラノ用」と明記されていれば、多くのメゾソプラノは「楽譜も見ないで敬遠する」になる。だが、八木寿子は「楽譜を精査して、自分のレパートリー」にした。言うは易し、行うは難し。

 ヒョーロンカも「ソプラノ用」と書いてあるだけで、実音の高低まで確認しないヤツが大半。あぁ、オレもその1人じゃん(泣

 来年1月28日に「他部門の優勝者」と「お披露目コンサート」がある。これは万難を排して聴きに行く! 「八木寿子のオケ伴が聴ける!」だぞ!!
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「子供の不思議な角笛から」の謎を解く(No.1918)

2011-08-19 23:35:58 | 歌曲作曲家・マーラー(1860-1911

1人の歌手による「決定的名盤」が存在しない「幻の名曲 = 子供の不思議な角笛から」の謎を解く(6)


不人気原因その6

『1人歌い』で「子供の不思議な角笛から」を歌い始めた歌手はいるのだろうか???


 私高本の「猫頭」の発言である。オッフェンバックほざくところの「世間」から無視される可能性大(爆

 これまでのところ、(録音が残っている歌手で言えば)フィッシャー=ディースカウ と ハンプソン が「子供の不思議な角笛から」の名歌手だ。2人とも(指揮者の要請で)「2人歌い」から入っている(らしい)。フィッシャー=ディースカウ については、「独裁者=セル」指揮盤がデビュー。ホントに「独裁者」だわ > セル

 ハンプソン については、先日の読売新聞の鷲見氏に名インタビューで、1994年以前には「2人歌い」をしていたことが判明した。私高本では引き出せない名インタビューだった!


「2人演奏」経験しないで、「子供の不思議な角笛から」を演奏できる世界的名歌手!


っているのかよ?
 私高本の猫頭では想像できない。そんな大歌手がいればうれしい。(いなければ、しゃーないわな!)
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シューベルトのオペラは何が魅力か?(No.1917)

2011-08-18 20:25:21 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 今日の表題は、「美しき水車屋の娘」の「好きな色」「嫌いな色」のパロディー(のつもり)。笑いが取れたかなあ?

 私高本は、シューベルトオペラの「CD」をよく聴く。「響きの変化」は大きく「話の筋」「アリアのカマし」などに気を取られなければとても楽しい。演奏の質が低いCDしか無い曲もあるが、前号に掲載した 「フィエラブラス」アバド盤CD、「アルフォンソとエレストレッラ」アーノンクール盤DVD、スイートナー盤CD であればどれも名盤!
 他には「ロザムンデ」D797 は大体どれもが名演。ミュンヒンガー、ボスコフスキー、マリナー、アバド などが古くからの名盤で全部持っているが全部いいよ。
 「双子の兄弟」D644 サヴァリッシュ盤 も名盤。シューベルトオペラで「唯一の委嘱作品」で「初めて舞台に乗った」作品。委嘱料はもらいそこねたらしいが(泣

シューベルトオペラの魅力



  1. 合唱があまりにも素晴らしい!


      これは「声を大にして」宣言する。合唱の素晴らしさは、ヴェルディ「ナブッコ」、ワーグナー「タンホイザー」、ビゼー「カルメン」に匹敵する作品だらけだ。(ソロについては問い糺さないように!)
     「シューベルト合唱曲」は、ミサ曲の素晴らしさが広く知られているが、オペラ合唱曲の素晴らしさも是非是非耳を傾けてほしい。「ロザムンデ」「フィエラブラス」「アルフォンソとエストレッラ」「双子の兄弟」全部いいぞ!!

  2. シューベルトが後に「別の編成」で作曲した名曲揃い!


      誤解がありそうなところなので、くどく詳細に書く。『オペラ → 他の編成(全て小さい方向)』で名曲が揃っているのだ。逆じゃないぞ!! 私高本が聴いた範囲で判明している曲を全部書いておくか! 編曲モノの作曲順である。

    1. 8重奏曲ヘ長調D803(1824.02-03.01)第4楽章変奏曲(← 「サマランカの友人たち」D326(1815.11.18 - 12.31)第12曲2重唱が主題)


    2. 弦楽四重奏曲イ短調D804(1824.03)第2楽章主題(← 「ロザムンデ」D797(1823.12)第5曲間奏曲が主題)


    3. 「冬の旅」第19曲「幻」(1827.10 - )(← 「アルフォンソとエストレッラ」D732(1821.09.20 -1822.02.27)第11曲トロイアのアリア)


    4. 即興曲第7番変ロ長調D935/3(1827.12)(← 「ロザムンデ」D797(1823.12)第5曲間奏曲が主題)


    5. 2つのピアノ曲第2番変ホ長調D946/2(1828.05)(← 「フィエラブラス」D796(1823.05.25 - 10.02)第18曲合唱曲



     最後の転用の指摘については、今まで私高本は見たことが無い。おそらく「声楽研究者は声楽だけ」「器楽研究者は器楽だけ」研究して来たからだろう。私高本が「シューベルトの声楽曲」聴きまくっていることは、佐伯周子が驚いているほどである(爆
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シューベルトのオペラに何が欠けていたか?(No.1916)

2011-08-17 14:59:33 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

シューベルトは「美しき水車屋の娘」を作曲するまでは、「オペラ作曲家」を目指していた


 この事実を忘れてはならない。シューベルトは「オペラ作曲家」としては生前も成功しなかったし、没後に見直しが大きな波になったことも無いが、成熟期の2作品「アルフォンソとエストレッラ」D732 と「フィエラブラス」D796 については、DVDが発売されている。

Schubert Opera DVD List



  1. "Alfonso und Estrella" D732 Nikolaus HARNONCOURT(Cond), Jurgen GLIMM(Stage), Chamber Orchestra of Europe(1997.05)


  2. "Fierrabras" D796 Franz WELSER-MOST(Cond), Claus GUTH(Stage), Zurich Opera Hause(2005.11 & 12,2006.03)



 簡単に「演奏の出来」等について触れておく。「フィエラブラス」はこれしかDVDが出ていない。「アバド指揮の映像が残っている」との記述を何度か見たが、

名著『シューベルトのオペラ』著者の井形ちづる も実物を観ていない「アバド指揮 フィエラブラスの映像」


である。私高本の語学力では見付けられない(爆
 チューリヒオペラは「シューベルトオペラ」に極めて力を入れてくれているオペラハウスで、アーノンクール指揮盤もウィーンの上演だが、チューリヒオペラとの「共同制作」である。
 「アルフォンソとエストレッラ」はもう1種出ているが、アーノンクール指揮盤のキャストが豪華な上に、指揮、ソリスト陣、オケ、合唱、演出、収録 全てが良いので満足している。これはお薦めの1枚。日本語字幕が無いことだけが不自由だ(爆
 「フィエラブラス」は、ウェルザー=メスト盤はアバド盤よりも「シューベルトに忠実」。『セリフ入り』で演奏した点がシューベルトの要求通りなのだ。だがその1点を除くと、オケと合唱はそれなりなのに満足度が低いのがウェルザー=メスト盤。演出がスカでどうしようもなく悪いのが、全てに悪影響を及ぼしたようだ。私高本はお薦めしない。アバド指揮CD の方がお薦め。
 そう言えば、

アバド指揮「フィエラブラス」盤も、ヨーロッパ室内管弦楽団 + シェーンベルク合唱団 + トーマス・ハンプソン


だった!


 シューベルトオペラではこの2作品が最高傑作、と評判を取っている。現在までCD&DVDで入手できる演目は全て最低1種類は入手したが、確かにこの2作品が最も魅力的だろう。頻度多くCDは聴いている。

 さて、この2作品は「普通のオペラファン」が観たらどう感じるだろうか?「イタリアオペラファン」でも「ドイツオペラファン」でも「フランスオペラファン」でも「オペレッタファン」でもいい。
 真っ先に指摘したいのが、

  1. ストーリー展開が「オペラ風」に感じられない。特に「第1幕」の物語進行が「劇的」で無い!


     プッチーニ「ラボエーム」では、ミミとロドルフォが「劇的に」出会い恋に落ちる。R.シュトラウス「ばらの騎士」では、オクタヴィアンが女装して女になりすまし、「ばらの騎士」に選ばれるドタバタがある。ビゼー「カルメン」では、ホセが許婚ミカエラがいるのに、カルメンに粉を掛けられて恋してしまい、軍規に叛いてまでカルメンを逃げさせてしまう。オッフェンバック「地獄のオルフェウス」では、冷え切った夫婦の夫オルフェウスが妻ユーリディウスの死を喜んでいると、「世間」が出てきて「妻を生き返らせるために迎えに行く」。

     う~ん、こんな「劇的な場面」は無いなあ。モーツァルト や ロッシーニ の名作オペラは観ていたハズだが、どうも ベートーヴェン「フィデリオ」程度の話の進行で満足しているようだ。個人的には「フィデリオ」よりもこの2作品の方が好きだが、賛同する人は多くないだろうなあ(泣

  2. 「恋に落ちる描写」が浅い


     CDで聴いていると「聴き落としてしまう」可能性が高いが、DVDで観るとさすがに「恋に落ちる」情景はあることはある。アルフォンソはエストレッラを「1目見て恋に落ちる」。これで終了!
     「フィエラブラス」では恋人同士の組み合わせはあるのだが、オペラ開始前に既に決まっている(爆

     人気オペラの全部が全部「オペラ進行中に恋に落ちる」モノばかりでないことは知っている。プッチーニ「トスカ」では、やきもちを焼いたり、トスカのカヴァラドッシへの思いを踏みにじったりしながら「悲劇的な死別」でクライマックスを迎える。しかし、シューベルトは描かない。オペラ台本として、モーツァルト や ロッシーニ が人気オペラを次々にヒットを飛ばしたのだから「時代」は無関係。 
     「シューベルトのオペラ観」が原因である。

  3. アリアの「カマし」が全く無い!


     モーツァルトの「後宮からの逃走」と「魔笛」はドイツ語オペラだから、全て理解できたハズ、なのだが、コンスタンツェが3点Es カマしたり、夜の女王が3点F カマすことには興味を全く示さなかったらしい。
     どうも

    2点A が最高音で満足してしまったのがシューベルトオペラの特徴


    である。テノールはこれでもいいのだが、「ソプラノの高音が不足」なのである。

     シューベルトを取り巻く「歌手陣」は圧倒的に男声が多い。フォーグル、シェーンシュタイン、ティーツェ などなど。だが女声もいる。「最初の傑作 = 糸を紡ぐグレートヒェンD118」を思いを募らせて作曲した ソプラノ=テレーゼ・グローブ を初めとして、皆無では無い。

    アジリタで 3点C(ハイC) より上で転がすのを「芸」としていたソプラノが廻りにいなかった


     これが大きい、と私高本は考える。オペラ作曲で手本にした曲は、モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」「魔笛」の2作品のように聴こえるのだが、アジリタを転がすソプラノがいなかったためにオペラだけでなく、ミサ曲でも、リートでも「2点A」までで満足している。モーツァルトのハ短調ミサK427 は知っていたと思うのだが(苦笑



「ストーリー展開に劇的な進行が無い」「恋に落ちる描写が浅い」「アリアのカマしが無い」

 この3点セットで、シューベルトオペラは流行らなかったのである。
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「佐伯周子がベートーヴェンピアノソナタ第16番」を弾く(No.1916)

2011-08-14 22:49:15 | ピアニスト・佐伯周子
 本当に弾く(らしい)。8/26(日)東京・表参道の「梅窓院」。時間はわからん。入場料は500円。32曲のベートーヴェンのピアノソナタの内(なぜか)30曲演奏する演奏会。何時開始で何時終了、佐伯の出演時間は何時? もわからん。おそらく作品番号順だろうから真ん中くらいだろう(爆
 詳細わかり次第当ブログでUpします。佐伯の演奏いいし。
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「美しき水車屋の娘」作品25D795の『調性』問題(No.1915)

2011-08-11 20:58:39 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 第18番「しぼんだ花」は、まだ出版前の 1824.01 に「フルートとピアノのための序奏付き しぼんだ花による変奏曲」ホ短調D802 が フルート奏者=ボーグナー のために作曲されたことで有名。不思議なことは、「フルート」は ニ長調 が最も「良く鳴る」楽器なのに、「ニ短調-ニ長調」で作曲されず、「ホ短調-ホ長調」で作曲されたことである。第18曲は(自筆譜は残っていないが)、「ハ短調に移調された筆写譜が残っている」曲なのだ! まず間違いなく、依頼者=シェーンシュタイン男爵用に低く移調した。(前半の第7-9曲はシューベルト自身の自筆譜があるが、第16-20曲は筆写譜になっている。)
 この移調譜は興味深い。

  1. No.7 - 9, original A - C - A, transport F - A - G


  2. No.16 - 20, original h - H - e - g - E, transport b - H - c - f - C



 「最大で長3度、最小だと移調無し!」である。「隣り合う曲の調性」は全く考慮されておらず。シャープ系とフラット系にも無関心(爆
「2点Gis」より高い音は回避されている。つまり

出来る限り「原調」で歌ってほしい。高音がキツければ(隣接の曲は気にせず)高音を下げてでも歌ってほしい、が大原則


である。
 フルートにはニ長調が最も適合することを知っていても「しぼんだ花」変奏曲は ホ短調 で作曲された。「原曲の調性だから」なのだ!
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トーマス・ハンプソンが「子供の不思議な角笛から」を語る(No.1914)

2011-08-10 09:40:47 | 歌曲作曲家・マーラー(1860-1911
読売新聞2011.08.09夕刊首都圏3版10面にハンプソンインタビューが掲載された。前半 2/3 が「子供の不思議な角笛から」について。PMJ が「ジャンル・歌曲作曲家 マーラー」で「子供の不思議な角笛から」のまさにハンプソン盤を書いていた時の掲載! 縁を感じる。


ハンプソン マーラーの歌曲追求 「人間の深遠見えるように」


(鷲見一郎)
 「子供の不思議な角笛」はドイツの民謡詩集を題材にとったマーラーの歌曲集。これまでにも名演・名録音が数多く残されている。ハンプソン自身にも、1990年代前半にピアノ伴奏の録音があるが、今回は、1人で全曲歌い、各楽器パートほぼ1人というきわめて小編成アンサンブルで臨んだという点でユニークだ。
 「一つの歌曲集を2人の声楽家に分けて歌うのはナンセンス。男女で歌い分けずとも、登場人物像、精神世界を、マーラーは音楽だけで見事に表現している」。男性歌手と女性歌手で共演されることの多いこの歌曲集を、95年以来ずっと1人で歌っているという。「大事なのは、なぜこう歌うか、この作品では何が歌われているのか、ということです」
 今の声楽界では、歌手自体が注目されすぎると指摘する。「どの声域で歌うかということより、いかに説得力を持たせるかが大切。聴く側が私の歌を聴いているのではなく、歌曲そのものを耳にする。あたかも映画のワンシーンを見せるかのようにすることが重要」
 抜群の表現力を実現しながら、その歌い手自身の存在を感じさせない---。透明感がある音の追求は、オーケストラの編成にも表れている。「いかに室内楽的な音色を実現するか。マーラーの場合、『対話』の概念が中核になっている。楽器と言葉が対等、すなわち、ホルンの音色、フルートのデュエット、そして私の声が、優しく透明感を持って、会話を交わしているように」
 (後半のPMF公演については、購入するか、図書館でご覧下さい)


(私高本コメント)
 世界最大部数発行の読売新聞が総力を挙げた素晴らしい記事である。2011年現在『世界最高の現役マーラー歌手=ハンプソン』にこれだけのインタビューを取れたのは画期的。これまで明かされて来なかった点まで浮かび上がらせてくれたことには感謝するばかりである。

  1. 1994年までは「子供の不思議な角笛から」で「2人の歌手公演」をハンプソンは引き受けていた(1回目の録音はこの当時!)


  2. 2回目の全曲録音が「ハンプソン自身の歌い振り」については一切言及していないので、満足した出来では無いこと



 インタビュー記事は怖いモノで、思わぬところに「本音」が出るモノだ。この本音を引き出した鷲見一郎は超一流である!
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突然ですが「佐伯周子がベートーヴェンピアノソナタ第16番」を弾く(No.1913)

2011-08-09 10:38:19 | ピアニスト・佐伯周子
 8月28日に標題曲を弾く、とのこと。名曲ではあるんだが、人気無い曲だよな(爆

 ブロンズ門下の「レーリンク&矢野」門下のジョイント演奏会(だとのこと)。演奏会告知がインターネット上でまだできないのだが、実行される見込み(だそうだ)。


 「佐伯のベートーヴェン」は「ハ短調変奏曲」で素晴らしいことがわかった。つい先日のことである(爆

 ちょっと前に「どの曲がいいの?」とか言っていたような気もするし、勘違いかも知れない。ソナタの最高傑作は第31番か第32番だと思うのだが、佐伯周子には廻って来なかった。誰が弾くのだろうか??
 詳細がわかったら、また報告する。(わからなかったらこのままです!)尋ねたいことがあれば「コメント」に書いて下さい。
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