Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

当日券あります(No.2351)

2013-10-24 08:39:18 | ピアニスト・佐伯周子

当日券あります


 学生券もあります。尚、全自由席です。お好みの座席でお聴き下さいませ。JR&東京メトロ 荻窪駅北口から出口を出てメイン通りを左側に6分歩くと 杉並公会堂 です。
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シューベルト演奏に不可欠な要点(No.2350)

2013-10-23 23:28:27 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

シューベルト演奏に不可欠な要点 = 1.『強引さが皆無』 2.『技巧の難易度が原因で、テンポやデュナーミクの巾を縮めない』


  この2点だ! これまでの 佐伯周子 のソロ演奏でも実現していたのだが、私高本が猫頭なので、「簡明に判り易い表現」で書ききれなかっただけである(涙

小森谷巧 と 佐伯周子 は、演奏する楽器は違うが「目指す音楽作り」が同じ方向。『シューベルトの作曲した通りに再現したい!』


  テンポ で説明しよう。今回の演奏会では、2回「Presto」と言うシューベルトでは珍しいほど速いテンポが指示されている。ヴァイオリンソナタ第4番の第2楽章と、「わが挨拶を送らん幻想曲」の第4楽章の大コーダである。技巧的には極めて難しい箇所。「聴かせどころ」である。ここは難しい箇所だが、「パガニーニのヴァイオリン協奏曲やカプリース」のようには華々しく『技巧のひけらかし』が外面からは見えない。大半のヴァイオリニストとピアニストは「自分の持っている安全運転の範囲内」で演奏する箇所。録音でもナマ演奏でも同じ。だが、小森谷巧 も 佐伯周子 も「シューベルトの意図通り」を狙い撃つ。
  デュナーミク で説明しよう。「ffzp(フォルティシモツァートピアノ)」と言う他の作曲家があまり用いない強弱記号が何回か出現する。「ffz」はシューベルトの場合、fff よりは弱く ff よりは強い。「fp(フォルテピアノ)を3倍か4倍か拡大した指示」である。これは極めて難しい技巧を(ヴァイオリンでもピアノでも)必要とするのだが、「2オクターブの跳躍」などと比べると、「超絶技巧効果感」は薄い。拠って、大半のヴァイオリニストと大半のピアニストは「デクレシェンド」で処理している。これならば、難易度は低いからだ。


当日券あります。学生券もあります。


  学生券の方は、学生証を持参下さいませ。
  
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名人指揮者 X 名人指揮者 のような「最終練習」(No.2349)

2013-10-22 21:32:21 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

名人指揮者 X 名人指揮者 のような「最終練習」


 本日、(演奏会当日の最終リハーサル = プローベ」を除く)最終リハーサルを実施した。余りにも感動的。特に、「わが挨拶を送らん」幻想曲D934 の第4楽章の「再現部無きソナタ形式」の展開部の圧倒的な魅力には請うし固かった。こんなに弾ける ヴァイオリニスト と ピアニスト が居たんだ!!!


 
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3曲の詳細解説(No.2348)

2013-10-21 06:44:08 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

(1)「華麗なるロンド」作品70D895(1826.10作曲, 1827.04.19出版, 1827極めて早い時期初演)


  休みなしに15分以上、ヴァイオリニストとピアニストが演奏し続ける曲。「ロンド」はロンド主題がグルグル廻るかのように現れる形式。ソナタ形式と異なり「素材の展開」は特に必要無いのだが、シューベルトは「副主題」をそれぞれ「展開」する独自の構造を作った。

『序奏 Andante 3/4ロ短調』(1 - 49) → 『ロンド主題A Allegro 2/2ロ短調』(50 - 109) → 『副主題B呈示 ニ長調』(110 - 218) → 『序奏と副主題B展開 ニ長調』(219 - 280) → 『ロンド主題A ロ短調』(281 - 344) → 『副主題C呈示 ト長調』(345 -412) → 『副主題C展開 転調箇所』(413 - 466) → 『副主題C再現 変ホ長調』(467 - 526) → 『副主題C展開 転調箇所』(527 - 585) → 『ロンド主題A ロ短調』(586 - 666) → 『コーダ piu mosso ロ長調』(667 - 713)


  この曲を「ロ短調」にした理由は簡単明瞭。依頼ヴァイオリニスト = スラヴィーク の決め技のハイポジションを高々と披露するためである。大成功を収め、大好評が起こり、技巧的に難しい曲であるにも関わらず、即出版されることになった名曲である。コーダに入りテンポを上げる手法を器楽曲では初めて採用した曲であり、この後に作曲されたあまたの名曲を産んだ原動力でもある。

(2)ヴァイオリンソナタ第4番イ長調「大二重奏曲」D574(1818.08 作曲, 推定初演作曲直後)


  「華麗なるロンド」を聴いた後に聴くと技巧的に易しい曲に聴こえてしまうが、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタと比較しても同等以上の技巧を要求される曲であり、D345&D438の2曲のヴァイオリン協奏曲を直後の作曲してしまうに至った名曲である。1816年当時の「シューベルティアーデ」がオーケストラを雇う潤沢な資金を有していたならば、シューベルトは「ヴァイオリン協奏曲の大作曲家」になっていた可能性も高い。特徴として

  1. これまでのピアノソナタやヴァイオリンソナタに比較し大規模であり、かつ舞踏楽章を第2楽章に移動し、第4楽章と「動機的連動」がはっきり聴き取ることが可能で、全曲の統一感が高い。


  2. 全4楽章にソナタ形式の原理が用いられているにも関わらず、絶妙の調性配置になっており、「ソナタソナタ風」に聴こえない。「さすらい人幻想曲」の発想の元になったと考えられる。



 出てくる調性は、イ長調→ホ短調→ホ長調→イ短調→ハ長調→変ニ長調→ハ短調→変イ長調→ヘ長調の順だが、半音で隣接する調性が隣り合わせに存在したり、『転調の天才』と呼ばれたシューベルト作品中でも稀有の成功作である。

(3)「わが挨拶を送らん」幻想曲ハ長調D934(1827.12作曲, 1828.01.20初演)


  シューベルトが自作リート(または劇作品)の自信作を主題にした大変奏曲を緩徐楽章に置く曲は、1822年11月から1824年3月までの短期間に「さすらい人」幻想曲D760, 「鱒」五重奏曲D667, 「萎んだ花」変奏曲D802, 「サラマンカの友人たち」八重奏曲D803, 「ロザムンデ」四重奏曲D804, 「死と乙女」四重奏曲D810 と6曲にも数えられる。その後も変奏曲を作曲したが、創作主題かフランス歌曲を主題にしており、1827.02までの期間である。同年4月19日の「華麗なるロンド」出版直後からだろう、2人から委嘱され悩み抜いた末、「華麗なるロンド」と「さすらい人幻想曲」を併せ持った大構造を新発明した。

  1. 第1楽章 『序奏』Andante molto 6/8 ハ長調(1 - 36)


  2. 第2楽章 『再現部無しの協奏的ソナタ楽章』 Allegretto 2/4 イ短調(37 - 351)


  3. 第3楽章 『主題と4つの変奏曲』 Andantino 3/4 変イ長調(352 - 479)


  4. 第4楽章 『過去を振り返る序奏付き大コーダ付き再現部無しの協奏的ソナタ楽章』ハ長調(480 - 700)



    1. 『序奏再現』 Andante molto 6/8 終始静かだった序奏が短縮された上、ffでヴァイオリンの最高音がトリルで轟く ハ長調(480 - 492)


    2. 『第5変奏曲でありながら、再現部無しの協奏的ソナタ楽章』 Allegro vivace 2/2 ハ長調(493 - 638)


    3. 『第3楽章変奏主題の少し早めテンポの回想』 Allegretto 3/4 変イ長調(639 -664)


    4. 『大コーダ』 Presto 2/2 700小節に及ぶ大曲に相応しい急速で豪華絢爛なコーダ ハ長調(665 - 700)




 ご覧頂いてお判りになる通り、拍子もテンポも大きく変わり、途中に休みの無い曲では表情の濃さでは「シューベルトの全ての曲」の中でリート「魔王」作品1D328 に比肩する、いや凌駕していると思われる。調性も大胆に設定されているが、実はヴァイオリンソナタ第4番の主要調性の内最も大切な調性を利用しただけ なのである。
 この曲の難点はただ1つ。演奏家が2人とも、「シューベルト音楽を熟知し、技巧が初演の2人よりも優れていることを要求される」ことだけ!
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全6曲シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための作品の全貌(No.2347)

2013-10-20 23:00:10 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

全6曲シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための作品の全貌 = 友人たちのための曲集


 シューベルト作曲時代=初期の最初の曲=「糸を紡ぐグレートヒェン」D118 が作曲された1814年10月19日2ヶ月も経たない12月7日には、友人ヨハン・マイヤホーファー の詩「湖にて」に作曲されている。ミサ曲第1番D105の初演=10月16日の曲の素晴らしさに友人たちが「シューベルティアーデ」を開始した最初の作品である。
 1816年2月までに、シューベルティアーデは、友人や偉大な詩人(例えばゲーテ)の詩に曲を付けた「ドイツ・リート」と、友人たちで踊る「ワルツ」が中心でありこの2種類が豊富に演奏された。交響曲の代理としてのピアノソナタも2曲(D157, D279)作曲・演奏された。交響曲も2曲作曲された(D125, D200)し、オペラも1曲完成(D328)されたが、演奏用のパート譜さえ作られた形跡は無いので演奏されなかった。
 1816年3月に、ピアノソナタではなく、ヴァイオリンも加えた ヴァイオリンソナタ が2曲作曲された(第2番ニ長調D384, 第3番イ短調D385)。シューベルト自身がピアノを弾き、友人がピアノの後ろから楽譜を覗きこむ形でヴァイオリンを弾いた、と考えられる。ヴァイオリンの最高音は「3点F」である。演奏会は好評を博したようで、「第3番ト短調」D408 が「ソナタIII」として作曲された。第3番は、特定の友人宅で演奏されることをはっきり指定されて作曲されたことが明解に判る。なぜなら「モーツァルト時代に61鍵盤のピアノ」のために作曲されているからだ。ヴァイオリン音域もピアノに合わせたのか4度も低い「3点C」止まり。しかし、書法は飛躍的に進歩し、特に第4楽章が前作までよりも説得力を持って来た。
 3連作の手応えは抜群に良かったようであり、直後から「ヴァイオリン協奏曲ニ長調D345(単一楽章)」「交響曲第4番ハ短調D417」「ヴァイオリンと弦楽オーケストラのためのロンド イ長調D438」「交響曲第5番変ロ長調D485」が1816年中に作曲されたが、どれ1曲も演奏されることは無かった。
 20才1817年は「ピアノソナタの年」であり、3月から8月にかけて8曲作曲され全てシューベルティアーデで披露されたと考えられる。勿論シューベルト自身のピアノ演奏だ。「ヴァイオリン+ピアノ」をまた友人たちの前で披露するために、ヴァイオリンソナタ第4番イ長調「大二重奏曲」D574 は1817年8月に作曲された。規模が前年3曲をはっきり上廻る。最高音は「3点A」に達した。
 それから9年間はヴァイオリン曲の依頼は無かった。フルートとアルペジオーネの依頼があっただけである。1826年10月状況が一変する。ピアノソナタ第17番ニ長調作品53D850 を献呈し初演してもらった友人 = 技巧派ピアニスト = カルル・マリーア・フォン・ボクレット(25) が 技巧派ヴァイオリニスト = ヨーゼフ・スラヴィーク(20) と共に「ヴァイオリン+ピアノ」曲を依頼した。シューベルトは以前作曲した「ヴァイオリン協奏曲ニ長調D345(単一楽章)」「ヴァイオリンと弦楽オーケストラのためのロンド イ長調D438」のような「協奏曲的単一楽章」の「華麗なるロンド ロ短調作品70D895」を作曲する。このロンドが、シューベルト後期作品で親しまれている「伝統的なソナタ4楽章では無い形式の小品群」の作曲にきっかけとなり、「即興曲集」「楽興の時」などの人気作が次々と1年半の間に産み出されて行った。ヴァイオリンもピアノも技巧的に描き込まれ、ヴァイオリンは最後の最後で「3点H」を高らかに鳴らして終曲する。あまりに評判が良く、早くも1827年4月19日にはアルタリア社から出版された。
 この成功に気を良くしたシューベルトは、1827年12月に 幻想曲ハ長調D934 を作曲する。意気込んだシューベルトは、ヴァイオリンにもピアノにも前作以上の技巧を山盛りにして作曲。ヴァイオリンの最高音は、前作よりも半音高い「4点C」で、しかも3回も出現し、しかも内1回は「ffの3点Hとの64分音符での付点4分音符の長いトリル」がある! シューベルトは、ピアノパートは「さすらい人幻想曲作品15D760」 以外は、音域も跳躍もそれほど広く取らない作曲家であるのに、ピアノパートまで「さすらい人幻想曲」並みに超絶技巧の連続! 「この技巧の超難易度が初演で成功しなかったのか? 批評は極めて悪かった。その為か、生前出版にも失敗し、続く作品は作曲されなかった。
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シューベルトヴァイオリンニスト☓シューベルトピアニストの「掛け算」の素晴らしさ!(No.2346)

2013-10-14 22:21:39 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

シューベルトヴァイオリンニスト☓シューベルトピアニストの「掛け算」の素晴らしさ!


  昨日 = 10/13 に、佐伯周子 と 小森谷巧 の「合わせ」を聴いた。猫頭ヒョーロンカ = 私高本 が想像していた世界を遥かに越える「シューベルトの音空間」がそこに、既に実現していた! 今日から10日の間にどこまで進化して行くのだろうか???


 シューベルトの「ヴァイオリン + ピアノ」の曲は大好きなので、目に着くCDは全て買い漁った。その中で、「ゼルキン + ブッシュ 盤の幻想曲D934」は超名演である。ロンド D895 と ソナタ D574 に関しては、「ゼルキン + ブッシュ 盤の幻想曲D934」の域に達した演奏は無かった。生の演奏会も数多く足を運んでいる。「小森谷巧 + 松本和将」の演奏会も良かったのだが、「ゼルキン + ブッシュ 盤の幻想曲D934」の域には達していなかったように感じた。曲が違うので「猫頭ヒョーロンカの勘違い」の可能性が極めて高い(泣
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シューベルトはなぜ「ヴァイオリン+ピアノ」楽曲を作曲し続けたのだろうか?(No.2345)

2013-10-11 23:51:34 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
 本日号は「2,3,4,5」のゾロ目号である。この手の記念号は「摩訶不思議な特集」を組むのが過去習慣(爆

 本日号も摩訶不思議な記事で進むよ(爆

シューベルトはなぜ「ヴァイオリン+ピアノ」楽曲を作曲し続けたのだろうか?


 シューベルト自身は「1813年作曲までの家族弦楽四重奏曲演奏」ではヴィオラを弾いていた。勿論、ヴァイオリンも弾けた。だが、「ヴィオラのための曲」は全く作曲しなかった。しかし、「ヴァイオリン + ピアノ」の曲は生涯で6曲作曲し、最終楽章(または最終部分)の最後まで、全て丁寧に書き入れた。
ピアノソロ曲とは雲泥の差だ(泣


シューベルト「ヴァイオリン + ピアノ」楽曲は、最低で1曲、おそらく全6曲が「シューベルティアーデ」の要請に基いて作曲された!


  小森谷巧 + 佐伯周子 は今回は演奏しないが、「ソナタ ト短調 D408」は、確実に「シューベルティアーデで演奏されるために作曲された曲」である。なぜなら

ピアノ音域が「モーツァルト時代の61鍵盤ピアノの音域のみ」で作曲されている!


 会場がはっきりあたかじめ判っていたのだ! 「古い音域の狭いピアノ」しか無い会場! しかし、シューベルトは、前2曲を上廻る作品を提供している。経験を積んだことが反映されたのだ!
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幻想曲ハ長調 D934 はのピアノパートは難しい! とのこと(涙 (No.2344)

2013-10-10 23:57:07 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

幻想曲ハ長調 D934 はのピアノパートは難しい!


 佐伯周子 が久しぶりに弱音を吐いている(爆

 ピアノソロ曲で技巧的な、D760, D840, D850 は相当前に弾いている。最近、「後期」を続けて弾いていたが、「即興曲集」とか「楽興の時」だったからなあぁ、、、

 このシューベルト ヴァイオリン と ピアノ のための幻想曲 D934 は、初演が極めて不評だった。「華麗なるロンド」作品70 D895 が同じメンバーで極めて好評だったのにも関わらず、不評を喫してしまったのだ。やっぱ、相当に難しいんだろな(泣
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20才「ピアノソナタの年」を締め括る傑作 ヴァイオリンソナタ イ長調D574(No.2343)

2013-10-09 23:58:32 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

弦楽四重奏曲第13番イ短調「ロザムンデ」作品29D804,ピアノソナタ第17番ニ長調作品53D850 と並んで「舞踏楽章」に最重点が置かれた ヴァイオリンソナタ イ長調D574

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20才「ピアノソナタの年」を締め括る傑作 ヴァイオリンソナタ イ長調D574(No.2342)

2013-10-08 06:51:47 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

20才「ピアノソナタの年」を締め括る傑作 ヴァイオリンソナタ イ長調D574


  シューベルト20才の1817年は、D537, D557(2稿),D566(2稿以上ある), D567(5稿あるが、D575前は2稿), D459A, D664, D571, D575 と8曲のピアノソナタを作曲した。その前の3曲 D157(2稿), D279(2稿), D459 と違い、楽章構成も多種多様。シューベルティアーデの仲間の前で、披露されながら作曲された。
 D575 のお披露目の後で、前年(1816年)に作曲された ヴァイオリンソナタ3曲(D384, D385, D408)と同じ構成の曲の要望が「シューベルティアーデ」から持ち上がったのだろうか? 突如、1曲だけ ヴァイオリンソナタ が作曲された。前3曲よりも大きな構成を持つことは従前から広く知られており、「大二重奏曲」の名前も有名。だが次の重要な事実を指摘した文書は目にしたことが無い。

ヴァイオリンソナタ イ長調D574 のデュナーミクは ppp←→ffz であり、これは ピアノソナタ イ短調D537 が初めて到達した巾広いデュナーミクであり、シューベルト史上2回目!



 シューベルトの ffz は、「fffよりは小さく、ffよりは大きい」である。シューベルトが初めて fff に到達するのは 1822年の「さすらい人幻想曲」作品15D760 なので、当分先となる。それまでのピアノソナタに於いて ffz は出現しない。ヴァイオリンソナタ に至っては、この D574 が最後の作品となる!


弦楽四重奏曲第13番イ短調「ロザムンデ」作品29D804,ピアノソナタ第17番ニ長調作品53D850 と並んで「舞踏楽章」に最重点が置かれた ヴァイオリンソナタ イ長調D574


  
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ベルリオーズもショスタコーヴィチも「正統交響曲作曲家」を証明したスクロヴァチェフスキ+読響(No.2341)

2013-10-07 21:42:03 | 批評

「作曲家=スクロヴァチェフスキ」が周到に用意し、聴衆に圧倒的な支持を得た『交響曲プログラム』


  
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