Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

飯森範親著「マエストロ、それはムリですよ・・」批評(No.1990)

2012-01-30 22:45:52 | 批評

飯森範親著「マエストロ、それはムリですよ・・」批評



 Piano Music Japan 初の「書評」である。無事に書けるのだろうか?
 猫頭の私高本は年初に「重点演奏家」を定める傾向にある。今年注目している1人が「飯森範親」である。基本的なスタンスは以下の通りである。

  1. クラシック音楽関係の 大量の郵便物と(私高本の認識では)ジャンクメールと思われるモノが大量に送りつけられて来る


  2. 「好きな演奏家」の「好みの作曲作品だけ」を聴きたい



 ごく普通の要求だと思うんだが。しかし、ジャンクメール多い(泣

 今年はいろいろな方向で演奏会を選択したが、その中で

飯森範親指揮の2回のコンサート = 2/11大阪フィル & 11/18 東京交響楽団 は聴きに行く!


をここに宣言する。後の方はまだ「チケット確保」出来ていないが、スタートダッシュに負けない所存である(爆


 副題を見てみよう。

日本最小のオーケストラが激変? 観客動員数180%増のキセキに迫る!


とある。「クラシック音楽界」で『180%増し』は極めて実現不可能! だからなあ(爆

 あぁ。「飯森範親は音楽界に全身全霊捧げている人」と分かった。これは常人では無いわ(爆

 実は

1995年の日本オペレッタ協会「メリー・ウィドウ」公演の指揮者 = 飯森範親


である。

飯森範親指揮1995年「メリー・ウィドウ」公演は、「日本オペレッタ協会全公演」中、『オケと合唱団』の水準が最高だった公演!


である。私高本の前妻が「日本オペレッタ協会合唱団チーフ」をしていた時代の公演は、全公演「合唱団の音量バランス確認」のためにAB両キャストの本番会場ゲネプロから音量チェックに駆り出されていた。もっと大きなオペラ団体だと「合唱指揮者」が確認するのだが、日本オペレッタ協会には合唱指揮者のポジションは無かった。すると、経費の掛らない身内が駆り出される次第である。


 「定点観測」は私高本は日本オペレッタ協会が最初であった。この「Piano Music Japan」の原型を形成して頂いたことになる。日本オペレッタ協会に感謝!

 ・・・で、この1995年「メリー・ウィドウ」公演A組ゲネプロを聴いてぶっ飛んだのである。公演日が10月6日(金)夜~8日(昼)でダブルキャストで4公演。今となっては正確に思い出せないのだが、おそらく10月5日(木)の昼&夜に2組のゲネプロを実行したような記憶が残っている。JR王子駅前の「北とぴあ」さくらホール(大ホール)であった。
 何にぶっ飛んだか? と言えば

オーケストラと合唱団の「響き」が、その前までの日本オペレッタ協会公演とは次元が違う「高み」になっていたから!


だった。マジかよ!! Aキャストのゲネプロ直後に前妻に報告したのは「合唱団は過去最高。特に男声は別世界! 声の質が女声とは全く違って上!」だった。あぁ、前妻は女声だったので、どう思ったのだろうか?(爆
 ちなみに、その時の「男声合唱団員」メンバーの一部を書いておくか。すげえぞ(爆

1995年日本オペレッタ協会「メリー・ウィドウ」公演合唱団員 :(テノール)大槻孝志 & (バス)青山貴


 そう、デュトワ指揮マーラー「千人」バリトンを歌った『あの青山貴』が学生時代に(鍛錬&小遣い稼ぎに)出演していたのである!

 ・・・で、前妻が「合唱チーフ」だったのだが、前妻が連れてきたメンバーで無いことは確認できた。「誰が連れてきたのかなあ?」と言っていた(ような気がする)。


 オケは6型。合唱団は「5+5+2+5+3+4」とプログラムノートに記載されている。「メリー・ウィドウ」ヴォーカル・スコアを読むと合唱は基本的には4声で記譜されているので、「メゾソプラノ」と「バリトン」は何らかの処理をされたハズ。今となってはわからん。オケメンバーも現「京都市交響楽団メンバー」とかがいる強力布陣。誰が集めたの???

 ゲネプロ開始されて即ぶっ飛んだ。「オケの鳴り」「脇役陣の鳴り」「合唱団の鳴り」が過去に聴いたことが無い水準になっていた! 最小に言って「合唱団が良い」原因は「合唱団チーフでは無い」ことは本人が明言していたし、私高本の耳でも明らか。オケも同じだろう。脇役陣も。すると、1つ結論が出た。

指揮者 = 飯森範親 の「棒の力」が引き起こした「奇跡」である!


と。思わず、(あずかっていた)チラシを読んだが、何も書いて無かった。さらに言えば本番当日になって配られた「プログラムノート」にも1言も飯森範親の解説は無かった。う~ん、これって間違ってないか?


 時は17年流れた(爆

 私高本が、偶然興味を持ったのが「ピアニスト = 法貴彩子」と「マーラーの歌曲」である。今年の「ジャンクメール」&「郵便物送り付け」の中で最も興味を惹かれた指揮者が「飯森範親」である。

 さて、この辺りで「書評」本論に戻るか(爆

 この本は

標題通り「マエストロ、それはムリですよ・・」と言う山形交響楽団メンバーの声に負けずに、前進を続けた 指揮者 = 飯森範親 の「観客動員数180%増」の名誉の記録


である。私高本自身が(定期会員にはなったことは「時期」がずれてなれなかったが)創設10年後辺りの1年間を聴いた感想とした実感である。確か「年4回定期演奏会」だった、と告知されていた(ような気がする)。
 この本に書いてあることは「1995年日本オペレッタ協会:メリー・ウィドウ」公演では原型が出来上がっていた! 「青は藍より出て藍より青し」だわ。「6型のオケ」から(そりゃ、「12型のオケ」ほどのニュアンスは出せないが)充分なニュアンスを出していた!
 合唱団からも「引き出せる限りの最善」を尽くしていた。女声は「モトがちょっと足りなかった」んだろな > 前妻も含めて
 基本的に「男声合唱」で進める構想ははっきり伝わって来た。しかも、素晴らしく説得力が高い。

 AB両キャストのゲネプロを聴かせて頂いて、いよいよ本番。ご招待頂いていたので全4公演(夜&昼&夜&昼)聴いた。素晴らしかった!! このような公演が未来永劫、日本オペレッタ協会で続いてほしい! と切望した次第である。

 だが、その希望は即打ち切られた。次回以降の日本オペレッタ協会公演で飯森範親は招聘されなかったからである。前妻に尋ねた。「何で?」と。すると意外な答えが帰って来た。「飯森範親さんが、(主役)ソリスト陣を強化したい」と申し入れたら、寺崎裕則芸術監督兼専務理事が怒り狂った、と。


 いろいろなエピソードが書かれている。

音響の良い「山形テルサで2日連続公演」にした(他ホールで1日公演が多かった)p49-51


演奏会にはソリストをなるべく毎回呼ぶ p53


ブルックナー交響曲第4番を十型編成のまま演奏 p64


プレトーク の完全実施(他の指揮者の時も必ず実施)p86-87



 アイデアが次から次に湧いて来る指揮者である!

 飯森範親って男はこんな指揮者です。私高本は「飯森範親の耳」は信じています。だが「趣味」まではわからない。感性に合致すればうれしい。
 山形交響楽団のことで「ブルックナーで、弦楽器増強は不要です!」は、はっきり「飯森範親の原点」。これで「感動する音楽が作れる棒の魔術」を持っている。こんな指揮者で 佐伯周子 も「協奏曲デビュー」できれば最高だよねー!

 ・・・てか、「マネジャー = 私高本」は売り込める実績あるんかよ???

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