Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

山田和樹指揮読響ベートーヴェンXR.シュトラウス「英雄」(No.2377)

2014-02-27 23:50:00 | 批評

山田和樹 こそ「英雄」だ! 今日聴き逃した「ベートーヴェンファン」「R.シュトラウスファン」は明日を聴き逃がすな!


って書いても「全席完売」か! ここだけの話だが、読響は「全席完売」公演でも、当日チケットが出ることは割りと多い。早めに行って1つでも前の順番待ちを確保して欲しい。「招待枠」なので、当たれば「良い席」になるぞ!

R.シュトラウス が「ベートーヴェン英雄交響曲はあまりにも演奏頻度が低い! だから 英雄の生涯 を作曲した。


の言葉は、あまりにも有名だが、私高本の記憶に拠れば、1996年以降「ベートーヴェン:英雄交響曲 + R.シュトラウス:英雄の生涯」の演奏会を聴いた記憶は無い。読響は、2代前の常任指揮者 = アルブレヒト が両曲ともに大得意にしており、ベートーヴェンは全交響曲レコーディング + R.シュトラウス は「ヨーロッパ公演のメイン」 にしたほど。どちらも勿論聴いた。アルブレヒトらしい「意思の強さ」が前面に現れた演奏であったことが記憶に新しい。


 ・・・で、「独墺系の牙城オケ = 読響」に3年前の「夏の3大交響曲」で好評を得た 山田和樹 が「シーズンプログラムデビュー」に選んだのが、「ベートーヴェン:英雄交響曲 + R.シュトラウス:英雄の生涯」である。協奏曲をきっぱり拒絶した上に、「メインプログラム + メインプログラム」に受け取れるのが人気を呼び、2日同一公演だが、明日は全席完売になる人気。今日も95%を超す入りだった。「カメラ席の後ろ(視覚が遮られる上に小さいがイヤホン音がわずかに聴こえる>< )座席を含めて、である。

圧倒的な説得力を有した ベートーヴェン:「英雄交響曲」!


 ベートーヴェン交響曲演奏は難しい。「R.シュトラウスが生きていた頃の録音」さえ残っており、若手指揮者は(R.シュトラウスの「英雄の生涯」第2部のように)評論家などから、謂れのないいちゃもんを付けられることが多いからだ。だが、本日の 山田和樹 の棒を聴いた人ならば、得心したことだろう。

 「ベートーヴェンのスコア」は、R.シュトラウス や もう1人だけ挙げるならば マーラー のように「スコア通りに振れよ! 全部書き込んであるからな!!」と言う風には書かれていない。まだ「耳に障害が出ていない、と思われている英雄交響曲の時」でも、である。(シューベルトの交響曲のスコアも同じだが)

ベートーヴェン交響曲スコアは「全体デュナーミク」を指示しているが、「どのパートを強調すれば最善か?」は指示していない。R.シュトラウス や マーラー のスコアに比べると「指揮者の解釈 ☓ 指揮者の耳」が問われる


である。


「山田和樹の感性 & 耳」は抜群に良い!


 「読響の英雄交響曲」は、アルブレヒト指揮でも聴いたし、他にも数多く聴いた。それぞれに素晴らしい面もあったが、全面的には納得が行った訳では無かった。だが、今日の 山田和樹 は、圧倒的な説得力を有していた。何が違っていたか?

ベートーヴェン「英雄交響曲」はあくまで「弦楽器主体の交響曲」であり、「ホルン3重奏が高鳴るスケルツォトリオ」などはあるモノの、『いつも弦楽器が主体』を(信じられない水準で)徹底していたこと!!!

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シューベルト:作品 大系&詳述 6(No.2376)

2014-02-18 21:53:23 | シューベルト:作品大系&詳述

SCHUBERT : Compendium and full discussion of Composition  No.6
シューベルト:作品 大系&詳述 6


第4期(中期後半)1822.10 - 1825.02 『試行錯誤の規模拡大期』 D759 - D832 2年4ヶ月(25才 - 28才)続き


シューベルト第4期作品で最も重要なのは 「美しき水車小屋の娘」作品25 D795 全20曲である。


  それまでにも「竪琴弾き」3部作作品12 D478 で連作歌曲 には着手していたが、規模が全く桁違い! 「第4期のシューベルト」は、「大交響曲作曲家」または「大オペラ作曲家」を一直線に目指していたので、文字上の証拠が少ないのだが

専属出版社 = ザウアー&ライデスドルフ社 が遅々として全20曲の内、9曲しか出版していないことの苛立ちの手紙 が遺されている


 実は、

シューベルトが「出版の遅延」について愚痴を述べている文章は、「美しき水車小屋の娘」だけ!


なのである。

出版遅延が著しかったシューベルト楽曲一覧



  1. 「美しき水車小屋の娘」作品25 D795 第10曲以降


  2. 連弾ソナタ第3番ホ短調 作品63 & 作品84 D823 第2楽章以降


  3. 即興曲集第1集作品90 第3曲以降



 3番目の「即興曲集」に至っては、生前に印刷楽譜を目にすることが出来なかったにも関わらず、愚痴は一切残っていないのである><

 「美しき水車小屋の娘」については、ゲオルギアーデス や フィッシャー=ディースカウ に素晴らしい解釈が残されているので興味ある方は是非是非ご覧頂きたい。

「美しき水車小屋の娘」 = シューベルト歌曲の最高傑作 は、『「魔王」と並んで』の注釈付きで私高本も全面同意である。




劇音楽の最高傑作も、「怒涛のオペラ期 = 第3期」ではなく、この第4期に作曲された。「ロザムンデ」D797。第3曲b = アクサのアリア が生前に作曲後すぐに 作品26 として出版された。これはシューベルト劇音楽声楽曲で生前出版された唯一の曲


 前号に掲載した「声楽曲を元にした器楽曲」も全てが全て名曲。さらに、

単独リートに関しても、リュッケルト、シューベルティアーデの一員 = コリーン 詩の名曲が次々に産み出のが、シューベルト第4期


である。第2期 の活気を完全に「単独リート」でも取り戻した上に、「美しき水車小屋の娘」が生まれた豊穣の時期である。
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シューベルト:作品 大系&詳述 5(No.2375)

2014-02-17 22:28:26 | シューベルト:作品大系&詳述

SCHUBERT : Compendium and full discussion of Composition  No.5
シューベルト:作品 大系&詳述 5



第4期(中期後半)1822.10 - 1825.02 『試行錯誤の規模拡大期』 D759 - D832 2年4ヶ月(25才 - 28才)



ミサ曲第5番完成直後に大交響曲「未完成」ロ短調D759 に着手する。


 大交響曲は、オーケストラスコアは 1822.10.30着手だが、その前段階のピアノスケッチが大々的に残っている。第3楽章スケルツォは主部が112小節で完成しており、トリオ部は16小節残っている状態でオーケストラスコアに着手したので、トリオ部は短い予定だったのだろう。オーケストレーション開始して数日が経ち11月に入ったところで、それまでのシューベルトには無かった「好条件の作曲依頼」が舞い込んで来た。

ピアニスト=リーベンベルク から、「出版費用を負担した上での作曲依頼 → 「さすらい人幻想曲」作品15 D760


  作品14 までの出版は「シューベルティアーデの友人たち」が費用負担をした「自費出版」だったので、この条件は破格! すぐに着手 → 完成させ、何と 1823.02.23 には出版にまで漕ぎ着ける超スピード!!

 ・・・で、「さすらい人幻想曲」完成時には、大交響曲ロ短調への興味を失っていた、と言うのが ヒルマー たちの学説であり、私高本も賛同する。

「さすらい人幻想曲」は、シューベルト自作のリート(または劇音楽)から大器楽曲を創作する、と言う新たな手法


を産み出した。第4期のこのタイプの楽曲を一覧しよう。

  1. 「さすらい人幻想曲」ハ長調作品15 D760 1822.11作曲 ← リート「さすらい人」D489作品4/1, 1816.10作曲(シュミット詩)


  2. ピアノソナタ第14番イ短調D784 1823.02作曲 ← 4重唱「自然の中の神」D757 1822.08作曲(クライスト詩)


  3. 「鱒」ピアノ5重奏曲イ長調D667 1823夏作曲 ← リート「鱒」作品32 D550 1816末 - 1817.07間に作曲(シューバルト詩)


  4. 「萎んだ花」変奏曲ホ短調D802 1824.01作曲 ← 連作歌曲集「美しき水車小屋の娘」第18曲「萎んだ花」1823.10 - 11作曲(ミュラー詩)


  5. 8重奏曲ヘ長調D803 1824.02作曲 ← オペラ「サラマンカの友人たち」第12曲ラウラとディエゴの2重唱D326/12 1815.11.18 - 12.31作曲(マイヤーホーファー台本)


  6. 弦楽四重奏曲第13番イ短調「ロザムンデ」D804 1824.03作曲 ← 第2楽章:劇音楽「ロザムンデ」第5曲「間奏曲」D797/5 1823.10.03以降 - 12.19作曲(シェジー台本) & 第3楽章:リート「ギリシャの神々」からの断片D677 1819.11作曲シラー詩)(断片の呼称はシラーの長い長い詩の1部を取った、の意味で完成した曲)


  7. 弦楽四重奏曲第14番ニ短調「死と乙女」D810 1824.03 - 作曲 ← リート「死と乙女」D531作品7/1 1817.02作曲(クラウディウス詩)



 この第4期に集中しており、第5期には 1827.12 に即興曲集第2集のD935/3 と 「わが挨拶を送らん幻想曲」D934 の2曲が出現するだけである。

 古くは1815年末の「サラマンカの友人たち」(「魔王」と同時期!!!)から、新しいところでは 1823年末の、しかも未出版の「美しき水車小屋の娘」D795作品25 や 「ロザムンデ」D797作品26 までが駆使されている。シューベルト自身に拠る選択眼にかなった作品ばかりである。

ミュラー や シラー の詩は「変奏曲主題」や「楽章主要主題」に起用されるが、ゲーテ は起用されない


は大切な点。「ゲーテの詩」は主張が強すぎる、とシューベルト はこの第4期から感じていたのである。これは第5期に至るとさらに進行する。

 ここに挙がった曲は左側だけでなく、右側も大切な曲。シューベルト自身が劇音楽では「サラマンカの友人たち」と「ロザムンデ」を名作! と感じていたこと、などがはっきり理解できる。尚、「アルフォンソとエレストレッラ」は「冬の旅」で借用されるので、同等以上の扱いであることもここに付記しておきたい。

 1つ注釈を付けておく。弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」はおそらく1823.03着手だが、完成は5月か6月まで掛かった様子。6月着手の連弾ピアノソナタ第2番ハ長調D812 までに1曲の4重唱しか存在しないからである。自筆原稿は第2楽章の第142小節までしか残っていないので、5月か6月かまでは再発見されない限り断定できない。

「鱒」ピアノ5重奏曲 は、1823年の作曲である。チェロパート と コントラバスパート の分離は、ミサ曲第5番D678着手1819.11以降しかあり得ない、からである。



 1819夏に チェロパート と コントラバスパート を分離した曲を作曲、はシューベルトにはあり得ないのである。

「シューベルト研究」は「ベートーヴェン研究」や「モーツァルト研究」に比較して「楽譜を重視」していない事実


をここに明記する。第3期の最重要作品を「リート派」も「器楽派」も全く研究していないのである><


 ・・・で、この第4期で最も重要な作品は、「歌曲や劇音楽を主題に持つ器楽曲」では無い。

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シューベルト:作品 大系&詳述 4(No.2374)

2014-02-16 08:44:13 | シューベルト:作品大系&詳述

SCHUBERT : Compendium and full discussion of Composition  No.4
シューベルト:作品 大系&詳述 4



第3期(中期前半) 1818.09 - 1822.09 『怒涛のオペラ期』 D624 - D758 4年(21才 - 25才)


 この4年間に、7本もの舞台音楽が作曲され、3本が上演されたことは、シューベルトファンの間でもほとんど知られていない事実である。まず7本の舞台音楽全貌を見てみよう。

  1. オペラ「双子の兄弟」D647 (ホフマン台本) 1818 - 1819.01 6回上演


  2. オペラ「アドラスト」D137 (マイヤーホーファー台本) 1819 未完成


  3. オペラ「魔法の竪琴」D644 (ホフマン台本) 1819 - 1820.08 7回上演


  4. オラトリオ「ラザロ」D689 (ニーマイヤー台本)1820.02 未完成


  5. オペラ「シャクンタラー」D701 (ノイマン台本)1820.10 - 未完成


  6. エロールのオペラ「魔法の鈴」への挿入曲2曲D723 1821 8回上演


  7. オペラ「アルフォンソとエレストレッラ」D732 (ショーバー台本) 1821.09.20 - 1822.02.22



 シューベルト のリートが極めて「劇的効果」を持っていることは読者の皆様はご存知のことだろう。だが、シューベルトの劇音楽は「劇的効果が薄い」のが特徴。「穏やかなリートを拡大した」感触なのである。「魔王」と言うよりも、「鱒」に近いのである。また、台本が マイヤーホーファー1本、ショーバー1本 と「シューベルティアーデの仲間たち」が加わっていることにも注目して欲しい。特に「アルフォンソとエレストレッラ」D732 は、少なからぬ人が「シューベルトオペラ最高傑作」と称する作品である(ショーバー台本)。
 この時期は「リート」は谷間の時期に当たる。「春の想い」D686(ウーラント詩)のみが目立っている程度である。器楽曲も 4手連弾フランス歌曲の主題による8つの変奏曲ホ短調作品10 D624 が重要作品であるだけ。尚、「鱒」ピアノ5重奏曲D667 と ピアノソナタD664 はこの時期の作曲では無い。この件は後に詳述する。
 では、何がこの時期の重要作品なのか?

ミサ曲第5番変イ長調D678 が 1819.11 -1822.09 と2年10ヶ月も月日を要した大作であり、最も重要な作品。このミサ曲で、チェロパートとコントラバスパートを初めて分離して作曲した。


 この重要なことを記載した文章は私高本は1度も見たことが無い。ベートーヴェンで言えば、7重奏曲変ホ長調作品20 でチェロパートとコントラバスパートを分離して作曲後に、交響曲第1番ハ長調作品21 に取り組んだ時であり、モーツァルトで言えば、弦楽四重奏曲ト長調「春」K.387 で、弦楽4部のバランスを組み立てなおしてから、ピアノ協奏曲3部作 K413, K.414, K.415 や リンツ交響曲 K.425 に取り組んだ時に相当する。(ベートーヴェン と モーツァルト は書かれている。)

 上記オペラでも、「魔法の竪琴」以降の作品は、チェロパート と コントラバスパート が分離して作曲されている!

シューベルト:ミサ曲第5番変イ長調D678 は、同時期のオペラなど劇音楽に比較してはっきりと「劇的」!


  ミサ曲第4番D452 以前には無かった「劇的なミサ曲」がここに誕生した。


「シューベルティアーデ」が第3期に、シューベルトに働き掛けて実行した出来事



  1. 1819.09 シューベルト作曲オペラ上演の約束を取り付ける


  2. 1820.06.17 オペラ「双子の兄弟」D647 & 「魔法の竪琴」D644 を上演に漕ぎ着ける


  3. 1821.04.02 「魔王」作品1 を皮切りに、「作品番号付き」出版を開始



 どれも「作曲家シューベルト」にとって、極めて大きな収穫。第3期のシューベルティアーデの大活躍が無かったら、「歌曲だけの作曲家」としてしか名が残らなかったことは間違い無し!

 弦楽四重奏曲第12番ハ短調「弦楽四重奏断章」D703 も、この時期の作品だが、ミサ曲第5番変イ長調D678 の作曲開始後の着手であり、きっかけになっている訳では無い。また、曲の冒頭を省略しての「ソナタ形式再現部開始」も ピアノソナタ第13番ヘ短調D625第1楽章にて既に 1818.09 に実現している。
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シューベルト:作品 大系&詳述 3(No.2373)

2014-02-15 19:01:58 | シューベルト:作品大系&詳述

SCHUBERT : Compendium and full discussion of Composition  No.3
シューベルト:作品 大系&詳述 3



第2期(初期) 1814.10.19 - 1818.08 『単独リート全盛期』 D118 - D623 3年10ヶ月(17才 - 21才)


  「ドイチュ番号」の進み方を見て頂きたい。3年10ヶ月で、 505 も進んだ! 

特に最初の1年(1814.10.19 - 1815.10.19)は D118 - D319 と 201 も進んだ! しかも最終日 = 1815.10.19 は D311 - D319 の9曲のリートが一挙に作曲されている!!!


 「多作家」と言われる シューベルト だが、これほどまで多作だった時期は第2期だけである。この時期は父親の経営する学校で助教員をしていたのだから、作曲時間はむしろ少なかった、はずなのだが。


ゲーテとの出会い、「シューベルティアーデの仲間たち」との親密な会合


  それまで、シラー と マティソン ばかりに附曲していた シューベルト。まさに ミサ曲第1番公開演奏の前後に『偉大な現代詩人』に出会う。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe、1749年8月28日 - 1832年3月22日)だ! シューベルト よりも 48才年上だが、シューベルト没後3年半以上の人生だった。

 ミサ曲第1番初演から3日後 = 1814.10.19 に「天啓」がシューベルトの身に降りて来た。

ゲーテ詩「糸を紡ぐグレートヒェン」D118 を ミサ曲第1番ソプラノソロ演奏の テレーゼ・グロープ 演奏の想定で作曲!


  ゲーテ詩も素晴らしい。テレーゼ・グロープ のソロにも魅せられた! の相乗効果だろう、これまでの全ての作品を越える曲が誕生した。さらに

「シューベルトの友人たち」の意味の「シューベルティアーデ」が開催されるようになり、「詩の朗読会」で(ゲーテ などの詩に交じって)友人たちの詩が読まれ、シューベルトが作曲するようになった


  その最初の成果が マイヤーホーファー「湖にて」D124 である。なんと、ミサ曲第1番公開演奏の1ヶ月半後の 1814.12.07 に作曲されている。マイヤーホーファー だけではない。ショーバー や コリーン などの「シューベルティアーデの仲間たち」から数々の名曲が生まれるようになった。多くのヒョーロンカが「シューベルティアーデの友人たちの稚拙な詩」に作曲した「詩の選別眼の無いシューベルト」と言う大馬鹿なことを書いているが、マイヤーホーファー詩「双子座の星に寄せる舟人の歌」D360、ショーバー詩「音楽に寄す」D547、コリーン詩「小人」D771 「夜と夢」D827、などが名曲に感じられないのだろうか? 暴論ヒョーロンカには憤りを感じる次第である。


 第2期は「単独歌曲全盛期」である。

「糸を紡ぐグレートヒェン」D118 は、それまで作曲された全ての「歌曲」を凌駕する曲であり、ベートーヴェン+モーツァルト+ハイドンをも凌いだ名作


 しかも「糸を紡ぐグレートヒェン」と肩を並べる名作リートが、この第2期に大量に作曲される。

  1. 「糸を紡ぐグレートヒェン」D118


  2. 「羊飼いの嘆きの歌」D121


  3. 「憩いなき愛」D138


  4. 「恋人の近く」D162


  5. 「さすらい人の夜の歌」D224


  6. 「漁師」D225


  7. 「最初の損失」D226


  8. 「野薔薇」D257


  9. 「魔王」D328


  10. 「トゥーレの王様」D367


  11. 「狩人の夕べの歌」D368


  12. 「馭者クロノスに」D369


  13. 「竪琴弾きの歌、第1、第2、第3」D478(これより上は ゲーテ詩)1816.09


  14. 「さすらい人」D489(シュミット詩)


  15. 「子守歌」D498(詩人不明)


  16. 「死と乙女」D531(クラウディウス詩)


  17. 「ガニュメデス」D544(ゲーテ詩)


  18. 「音楽に寄す」D547(ショーバー詩)


  19. 「鱒」D550(ショーベルト詩)


  20. 「タルタルスの群れ」D583(シラー詩)


  21. 「エルラフ湖」D586(マイヤーホーファー詩)



 これほどの名作がわずか3年10ヶ月に産み出された。注目して頂きたいのは、13番目の「竪琴弾きの歌」までの全てが「ゲーテ詩」と言う点。他の詩人にも曲を付けているのだが、1814.10.19 - 1816.09 の2年間は、「ゲーテに専念」に近い状態だった、を意味する。

 翌月1816年10月から様子が一変する。シュミット詩「さすらい人」に始まり、「死と乙女」「鱒」など後に器楽曲の変奏曲主題に用いられる曲が3曲もされ、3曲とも別の詩人であった。


「シューベルティアーデ」が第2期に、シューベルトに働き掛けて実行した出来事



  1. 1816.04 ゲーテに「シューベルト作曲ゲーテ歌曲集」楽譜を献呈するも、返事無しに返送されて来た。


  2. 1816.10.03直後 交響曲第5番変ロ長調D485 がどこかで初演された


  3. 1818.01.24 マイヤーホーファー詩「エルラフ湖」D586 が雑誌の付録の形で出版される


  4. 1818.03.01 序曲ハ長調D591 が初演される


  5. 1818に入った頃から シューベルト作曲オペラをウィーンで上演できるよう奔走



  「ゲーテ献呈」の話は、「魔王」の3連符を2連符に易しく弾けるようにした改訂楽譜が写真版であちこちに掲載されていることで有名。シューベルティアーデの友人たちは、ゲーテの威光を借りることを真っ先に思い付いたのだが、これは失敗に終わったと言って良い。
  交響曲第5番が初演されたことは間違い無い。兄フェルディナンド・シューベルト が「演奏用パート楽譜」を作成している。シューベルトの全交響曲中、ティンパニ と トランペット が存在しない小さい編成は 第5番だけである。この交響曲を境に、「ゲーテ専念」は終焉する。
  「シューベルティアーデ詩人」のマイヤーホーファー詩「エルラフ湖」が初出版に至ったことは、この出版は友人たちの努力の賜物だった証。

 「いつものシューベルティアーデ」は、シューベルトの弾くピアノの廻りに友人たちが集まり、歌い、踊った。

「交響曲の代用品」として「ピアノソナタ」を作曲開始したのも、第2期!


 しかし、交響曲作曲家 または 宗教音楽作曲家 または オペラ作曲家 として、大成したかったシューベルトの意向を友人たちは熟知していた。機会を作っては、交響曲や序曲を演奏に至らしめていたが、次なる飛翔として「オペラ作曲家」を目指した。

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シューベルト:作品 大系&詳述 2(No.2372)

2014-02-14 20:04:14 | シューベルト:作品大系&詳述

SCHUBERT : Compendium and full discussion of Composition  No.2
シューベルト:作品 大系&詳述 2



第1期(学習期) 1810.04.08 - 1814.10.16 『弦楽四重奏曲の時代』 D1 - D117 4年6ヶ月(13才 - 17才)



  この時期は 4年6ヶ月で ドイチュ番号 が 116 進むだけであり、他のいかなる時期よりも『作曲速度』が遅いことが特徴。弦楽四重奏曲 が D8A, D18, D94, D32, D36, D46, D68, D74, D87, D103, D112 と11曲にもなり、量だけでなく質もリートに比べて高く、『弦楽四重奏曲の時代』と呼ぶのがふさわしい。他の分野の傑作は、交響曲第1番ニ長調D82, ミサ曲第1番ヘ長調D105 の2曲である。
  シューベルトの弦楽四重奏曲と交響曲は、ベートーヴェン,モーツァルト,ハイドン を手本に作られており、手本の影響が強大な曲と少ない曲があり、影響微小の 弦楽四重奏曲変ホ長調D87 は、この時期では ミサ曲第1番と並ぶ名曲である。「さすらい人幻想曲」作品15 D760 で顕著になる「循環ソナタ」の原型がここにある。
 弦楽四重奏曲は「シューベルト家」で、父と兄2人とシューベルト自身で演奏された。父のパート=チェロ が簡単に作曲されているのは、兄2人やシューベルト自身に比べて、父親の演奏技巧がまずかったからである。

シューベルト第1期(学習期)の歌曲の詩人



  1. Schiller シラー 26曲


  2. Matthisson マティソン 16曲


  3. Hoelty ヘルティ 2曲


  4. Kotzebue コツェブ 2曲(内1曲はオペラ)


  5. Schuecking シュッキング 1曲


  6. Mikan ミカン 1曲


  7. Pope ポプ 1曲


  8. Rustenfeld ルステンフェルド 1曲


  9. Schaeffer シェッフェル 1曲


  10. Fouque フケ 1曲


  11. Schubert シューベルト 1曲



 以上が全てである。シラー と マティソン ばかりに曲を付けていた、と言って過言では無い。やたら長い曲が多く、「バラード」を目指していたようだ。15分を超える曲が何曲もある。

シューベルトが ヨハン・ルドルフ・ツムシュテーク(Johann Rudolf Zumsteeg, 1760年1月10日 ザクセンフルーア - 1802年1月27日 シュトゥットガルト)を手本にリート作曲を始めた


は間違い無いことだが、多くの伝記であまりにも重きを置き過ぎている。

シューベルトは、歌曲を ツムシュテーク を手本に開始したが、ベートーヴェン+モーツァルト+ハイドン手本の弦楽四重奏曲に比べて見劣りする曲しか残せなかった、の方が重要


 第1期の歌曲については、誰がどのように演奏したのか? が不明である。シューベルト自身がピアノを弾き、自ら歌った、の可能性が高い。第2期以降は、「シューベルトがピアノを弾き、シューベルティアーデの仲間たちが歌う」が定着したのだが。

シューベルト第1期:「家族で演奏する弦楽四重奏曲」の出来映え > 「弾き語り(?)だった 歌曲」の出来映え


が実態。
 尚、第1期 は「ピアノソナタ & ヴァイオリンソナタ」が1曲も作曲されなかった! も異常事態、と感じる。


 13才から17才までの4年6ヶ月の間、シューベルトは自身の音楽感性を研ぎ澄まし、目標としていた ベートーヴェン+モーツァルト+ハイドンに追いつき追い越すことを夢見ていた。どのような経緯かは全く不明だが、

ミサ曲が公開演奏されることが 1814.05.17 直前に決まった。演奏日は 1814.10.16



 ミサ曲第1番D105 は第1期の最高傑作だが、このミサ曲着手後の曲(歌曲&弦楽四重奏曲)に特に変化は現れない。だがミサ曲が公開演奏されることに拠り、大きな飛翔をもたらしたのである。
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シューベルト:作品 大系&詳述 1(No.2371)

2014-02-13 22:29:21 | シューベルト:作品大系&詳述

SCHUBERT : Compendium and full discussion of Composition  No.1
シューベルト:作品 大系&詳述 1


 シューベルトの「音楽全体像」と焦点となる作品についての詳述を今回開始する。あくまで「作品」について光を当てるので、シューベルトの人生についてはさらっと書く。

 シューベルトの「作曲人生の区切り」については、器楽曲派 と リート派 では見解が異なることが多い。

  1. 器楽派 : 弦楽四重奏曲第12番ハ短調D703 から後が後期、前が前期
  2. リート派 : 「糸を紡ぐグレートヒェン」D118 より前が前期、「美しき水車小屋の娘」D795 着手前までが中期、D795以降が後期

 器楽派は、バドゥラ=スコダ、ブレンデル など。リート派は、ゲオルギアーデスなど。同じ「シューベルト」が作曲した作品であり、ベートーヴェン や モーツァルト ではこのような「ねじれ」は21世紀までは引き摺っていない。(昔あったかどうかも定かでない)ベートーヴェンならば、作品47「クロイツェル」までが前期、作品53「ワルトシュタイン」から作品98「遙かなる恋人たち」までが中期、チェロソナタ作品101からが後期、と定説がある。記述の通り、器楽曲だけでなく、声楽曲も併せての「作曲時代区分」である。


シューベルト:作曲時代区分



  1. 第1期(学習期) 1810.04.08 - 1814.10.16 『弦楽四重奏曲の時代』 D1 - D117 4年6ヶ月(13才 - 17才)


  2. 第2期(初期) 1814.10.19 - 1818.08 『単独リート全盛期』 D118 - D623 3年10ヶ月(17才 - 21才)


  3. 第3期(中期前半) 1818.09 - 1822.09 『怒涛のオペラ期』 D624 - D758 4年(21才 - 25才)


  4. 第4期(中期後半)1822.10.30 - 1825.02 『試行錯誤の規模拡大期』 D759 - D832 2年4ヶ月(25才 - 28才)


  5. 第5期(後期)1825.03 - 1828.10 『自由出版期』D833 - D965A 3年7ヶ月(28才 - 31才)



 上述の「器楽派」「リート派」のご意見と一致するのは、「リート派のD118」だけ。D703 も D795 も「区分」に出てこない><

 各期の詳述は明日以降。
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これから聴きに行くコンサート(No.2370)

2014-02-11 23:55:07 | 演奏会案内

  1. 2014.02.19 岡原慎也指揮「モーツァルト:コンチェルトの夕べ」 神戸市立灘区民ホール


      第6番、第20番、第21番 の演奏。前回の 岡原慎也 の指揮も詳細を報告した通り、素晴らしい演奏だった。私高本は「岡原慎也 のピアノに拠るモーツァルトピアノ協奏曲」を1回も聴いたことが無いので比較は無理><

      岡原慎也 の指揮が冴え渡る予感がする!

  2. 2014.02.21 シュルト指揮読響定期演奏会


      「東欧プログラム」。初登場の指揮者なので、期待高まる。

  3. 2014.02.27 山田和樹指揮読響メトロポリタンシリーズ


      若手実力ナンバーワンの誉れ高い = 山田和樹 が R.シュトラウス の名曲を振る。聴き逃せない!
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岡原慎也☓岡田将:ホルスト「惑星」オリジナル2台ピアノ版2014.01.10批評(No.2369)

2014-02-10 19:48:22 | 批評

共演者のピアニッシモを引き出す『岡原慎也マジック』


 私高本は「ピアニスト = 岡原慎也」を1997年12月から追って来たヒョーロンカであり、おそらくその密度は「濃い」と私高本自身は感じている。それは、「岡原慎也のメインレパートリー = シューベルト」と「私高本のメインレパートリー = シューベルト」が重なっているのが原因? と思っていた時代が長い。だが「錯覚」だった><


岡原慎也 は「共演者の音の膨らみ」を抑える、に全力を注ぐ演奏家!


 この日メインの ホルスト:「惑星」では、岡田将 は「音を膨らませたい」瞬間が幾度となくあったし、2台ピアノなのだから、音を膨らませることも可能であった。だが、岡原慎也 は 1回たりとも、「音を膨らませることは、ホルストの指示通りでしない」を透徹した。


 前プロで、ベートーヴェン「月光ソナタ」第1楽章(演奏:岡原慎也)&ドビュッシー「月の光」(演奏:岡田将)が続けて演奏された。同じ「嬰ハ」が基本なんだろ。岡原慎也 の発想か? 岡田将 の発想か? わからない><
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東京オペラプロデュース「グノー:ミレイユ」2014.02.09 楽日批評(No.2368)

2014-02-09 23:04:30 | 批評

圧倒的名演だった 江口二美 = タイトルロール = ミレイユ、飯坂純指揮、池田理代子演出、キャスティング = 竹中史子プロデューサー のチームワークの結晶


 これほどの名オペラが「昨日が日本初演」だとは信じられない。「フランスオペラ軽視の日本」ならではの現象だろうか? この素晴らしいオペラ公演を聴けて私高本は幸せである。


グノー は、1810年代生まれの「大歌劇作曲家」であり、「イタリア の ヴェルディ」「ドイツ の ワーグナー」に匹敵する大作曲家であり、「フランス の グノー」である!


 この最重要点を実演で証明してくれたのが 東京オペラプロデュース「ミレイユ」楽日公演であった。

グノー オペラ の魅力



  1. 魅惑のメロディーライン


  2. 聴衆までもが踊りだしたくなる「ダンスリズム」の刻銘


  3. 台本選択眼の確かさ



 特に1番目の「魅惑のメロディーライン」については

  1. オッフェンバックが『生涯最大の傑作 = 地獄のオルフェウス』にて、グノー「ミレイユ」の旋律をほとんどそのままパロディーとして旋律を流用した!


  2. リストの「オペラトランスクリプション」中、生前最も人気が高かったのが、グノー「ファウスト」 と ヴェルディ「リゴレット」


  3. ラヴェルがパロディー作品として「シャブリエ風に」を作曲した時に、グノー「ファウスト」をシャブリエが編曲したらこうなるでしょ! と示した



の3点だけ示しておく。オッフェンバック、リスト、ラヴェル がこれだけ敬意を表しているのだ!


 では、なぜ「日本クラシック界」では、グノーオペラはこれまで演奏頻度が低かったのか? 東京オペラプロデュース の演奏をナマで聴くまでは、猫頭ヒョーロンカ = 私高本 は ブルーレイディスク(2009年パリオペラ座公演:ミンコフスキー指揮)を聴いてもさっぱりわからなかった。
 だが、「ナマ演奏の力」は力強い。はっきり感じ取れた。

タイトルロール = ミレイユ役 = 江口二美 は、「椿姫 の ヴィオレッタ」と同等以上の歌唱力だけでない持久力を要求され、脇役陣は ヴェルディ&ワーグナー以上に歌唱力を要求される。1人だけ挙げれば、クレマンス役 = 森川泉!


 これは、キャスティングがキツ過ぎ。ヴェルディ&ワーグナーでも、脇役はここまできつくない。だが、クレマンス役 は、オペラの開始部の合唱明けで、アリアを歌うので、ここでだれてしまっては、オペラ全体が萎んでしまう><

 ・・・と言って、江口二美 クラスの実績のあるソプラノにクレマンス役をお願いしても断られること必至><

 実績あるソプラノに依頼するならば、2人目は ヴァンスネット役 = 小野さおり になる。東京オペラプロデュースの配役もそのとおりだったし。尚、第1幕冒頭の合唱があまりにソプラノが響くので驚いたのだが、森川泉 に合唱パートを歌わせていた! なんて隠し味も第2幕以降もあり、

埋もれた名作オペラ を 「作曲家の意図通りに上演する」東京オペラプロデュースの方針


のためには、ソリスト陣まで総動員する姿勢が徹底していたことも印象深い。


 予習は、それなりにして行ったし、体調も万全に近い状態なので取り上げさせて頂いた公演だが、「2009年のパリ公演ブルーレイディスク」を遥かに越したインパクト。これは、タイトルロール = 江口二美 だけでなく、脇役全員 いや 合唱団員 に至るまで、「音楽と演技」が徹底されていたからである。これは、歌手陣 も全て素晴らしかったことだけでなく

指揮 = 飯坂純 & 演出 = 池田理代子 の力量の高さ!


を感じた。
 まず、指揮 = 飯坂純。第1幕前奏曲 では、「やや遅いかな?」などと感じていたのだが、クレマンスのアリア 辺りからはノリノリ。結局第5幕終演まで、グイグイ引っ張って行く力溢れる棒だった。
 次に、演出 = 池田理代子。「予算が無いんだろうな(泣 」と言う中で、歌手を1cmでも前で歌わせて「声を客席に届ける」を再優先した演出は好感が持てた。マンガ家として高名だが、「オペラ演出家」としても極めて高い手法を身に付けており、それがオリジナル発想だと私高本は感じている。特に第1幕冒頭 と 第5幕終曲 は印象深かった。


 最後にキャスティングについて。これだけのキャスティングを出来るのは、二期会や藤原歌劇団でも難しいと感じる。新国立劇場だと出来るかなあ?

タヴァン役 = 磯地美樹、ヴァンサン役 = 土師雅人、ウーリアス役 = 三塚至、ラモン役 = 笠井仁、ヴァンスネット役 = 小野さおり、クレマンス役 = 森川泉


 これだけの「脇役」を集められるのは(新国立劇場を除くと)猫頭ヒョーロンカ = 私高本 は想像さえできない。いろいろと「歌えないソプラノ」が入って来るんだよねえ(爆涙


東京オペラプロデュースのプロデューサー = 竹中史子(松尾史子) が『文化庁長官賞』受賞


を遅ればせながら、報告する。「三田佳子」と並ぶ偉業。東京オペラプロデュースのこれまでの偉業がいかに高かったのか! を客観的に眺める指標の1つである。

 次回公演は 10月25-26日 ジョルダーノ作曲「戯れ言の饗宴」日本初演。指揮 = 時任康文、演出 = 馬場紀雄。大いに期待してしまうではないか!
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佐村河内守が「下請け作曲家に、作曲を外注していた」が発覚:余話(No.2367)

2014-02-08 21:18:08 | その他
 本日号にて、佐村河内守の話題は終結する。

佐村河内守が「下請け作曲家に、作曲を外注していた」が発覚:余話


 いやー、訳分からんほどの情報が出て来ました><

 野口剛夫 の「新潮45」の記事が最も感銘を受けましたが、その他に2本「気になる情報」があったので、読者の皆様にお伝え致します。

横浜自宅前で杖をつかずに歩く佐村河内守


 リンク貼っておいたのでご覧下さい。1分15秒にまとめられた実写動画です。佐村河内守 は「容態が悪い」と弁護士が言っておりますが、動画を見る限り、他の動画で演じている「身障者のフリ」よりも遥かに元気そうです><
 耳も聞こえており、最後に睨み付けております><

 皆様、いかがお感じでしょうか?

鬼武者のサントラ収録時、指揮をした 新垣隆による楽曲解説(当時、佐村河内守の作曲)と寄せ書き


 リンク貼っておいたのでご覧下さい。これを読むと、テレビ朝日スーパーJチャンネルで 新垣隆 が言っていた「受動的に詐欺を行った」が偽りのように見えます。むしろ、主役の1人 = 新垣隆 です。自分が作曲した曲を分析するのは、他の誰よりも正確! と私高本には思えます。しかも

楽譜を受け取った(と称する)細やかな情景描写『こうして私は奇跡の目撃者になったのだ。』付きで!


 『当時の新垣隆』は、「佐村河内守プロジェクト」の主役の1人! 何でその後、袂を分かつことになったのか?


 音楽的価値については、前々号の 野口剛夫 の記事が最も真髄を突いている。私高本 を含めて、多くの ヒョーロンカ は「見抜く」ことが出来なかった><

 だが、「報道番組制作者」は、実際に接していたのだから、気付く可能性が極めて高い、と思う。野口剛夫 のような感性が無くとも、「杖無しでは歩けない、は演技」くらいは判別できなかったのだろうか?「ノンフィクションドキュメント番組」制作者にはその技術が無いのだろうか?
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東京オペラプロデュース「グノー:ミレイユ」(No.2366)

2014-02-07 22:13:53 | 演奏会案内

東京オペラプロデュース「グノー:ミレイユ」初日は全席完売><


 これまでに、素晴らしい公演を続々上演し続け、「文化庁長官賞」受賞の「東京オペラプロデュース」が今回上演するのは、グノー「ミレイユ」。「ファウスト」に次ぐ人気作だったのだが、「イタリアオペラ指向」「ドイツオペラ指向」に偏光されて、明日まで日本で上演されなかった><

 ・・・にも関わらず

初日 = 2/8(土)公演は全席完売><


である。
 演目も良いし、指揮者も良いし、演出家も(過去と照合して)良いし」、であろう。私高本も「日曜日公演」を聴いて批評する。

小野さおり とか 三塚至 とか の演技 & 歌唱 は聴きモノ!


と感じる次第である。
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新垣隆が覚悟を決めた「新潮45」の野口剛夫記事のご案内(No.2365)

2014-02-06 19:17:44 | その他

新垣隆が覚悟を決めた「新潮45」の野口剛夫記事のご案内


http://booklive.jp/product/index/title_id/243570/vol_no/001

 野口剛夫 は「ブルックナー研究家の第一人者」として著名な音楽評論家(というよりも音楽研究家)。

ブルックナー交響曲の「稿問題」でわからなくなった時は、野口剛夫 の著書を読むのが基本!


であり、私高本もブルックナーに関しては読んでいたのだが、佐村河内守 に関しては、本日まで読んでいなかった。上記リンク にて \105 で購読できるので、興味ある読者の方は購読頂きたい。

 CD2枚 と テレビ番組1本 を聴いただけで、ここまで掘り下げて(ブルックナー以外の作品についてまで)言及できた人物は、誰1人いない。私高本も含めて、である。


野口剛夫フェイスブック は こちら


東京フルトヴェングラー協会 は こちら


 これだけの「識別観」を持った 音楽評論家 は極めて稀である。リンク先は是非是非訪れて頂きたい。本日の 「スーパーJチャンネル」の 新垣隆生放送会見 も含めて、最も 私高本が感動した「佐村河内守 作曲外注事件」の報道で最も感動したのが、上記の \105 の記事であった。
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佐村河内守が「下請け作曲家に、作曲を外注していた」が発覚><(No.2364)

2014-02-05 21:47:09 | その他
 昨日2月4日は降雪の中、ご来場頂きました皆様には深く感謝する次第であります。次回公演は3月になってからのご案内になります。(会場 = ビーテックジャパン東京スタジオ)


佐村河内守が「下請け作曲家 = 新垣隆 に、作曲を外注していた」が発覚><


 本日発表されました。「週刊文春」のスクープが原因のようです。(ナイス! 週刊文春!!)


 これは「詐欺罪」相当にはなるはずです。私高本も騙されて批評書いたし(泣

 但し、この報道を 初めに聴いた時 = 本日の テレビ朝日スーパーJチャンネル に最初に感じたことは、

下請け作曲家 = 新垣隆 は、何で自分の名前で楽曲を発表しなかったの???



 以上、速報でした><
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2月4日 佐伯周子ピアノリサイタル当日券あります(No.2363)

2014-02-03 22:34:29 | ピアニスト・佐伯周子
 当日券は18時販売開始です。席に余裕あります。開演は 19:00。プレトーク は 18:35 で私高本。佐伯周子のプレトークを期待している方は次回に乞うご期待。どうぞご来場下さいませ。

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