Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

8/1(金) ピアノソロ曲完全全曲演奏会 Vol.4(No.1534)

2008-03-30 21:54:10 | ピアニスト・佐伯周子
正式名称は

ベーレンライター新シューベルト全集に拠るピアノソロ曲完全全曲演奏会 Vol.4


です。この演奏会の副題は

シューベルトからリストへの影響


です。プログラムは

  1. シューベルト:36のオリジナル舞曲 D365 作品9

  2. リスト:幽霊

  3. リスト:ローレライ

  4. リスト:ロ短調ソナタ


です。東京文化会館(小)で、全自由席。次回2009年2月12日(木)との連続券も発売致します。

各回1回券 3,000 1回券学生1,000
両日2回券 4,000 2回券学生1,500

主催 : ピアノミュージックジャパン 044-271-7027
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ピアノソナタ第15番ハ長調 D840 「レリーク」補筆完成版について(No.1533)

2008-03-29 23:12:16 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
コメント欄にて質問があったので、本日は 標題の件について述べたい。

2003年末にベーレンライターのホームページ上では、新シューベルト全集ピアノソロの部全7巻完成


となったので、大のシューベルトファンである私高本は速攻で、「ベーレンライター特約店である カワイ、ヤマハ、アカデミア」の3店に最終巻 = ピアノソナタ第2巻 を捜索に行った。年末にはどこにも展示されていなかった。第1巻と第3巻は「黄色い廉価版(普及版)」で既におおよその内容は掴んでいた。拠って第2巻が入手できれば「ソナタ全貌」は見えてくる。
 年が明けて、カワイ(表参道)で「ソナタ第2巻」を入手。数ヶ月、「シューベルトピアノソナタ研究」に没頭した。廉価版で既出版の即興曲や楽興の時や「さすらい人」幻想曲も並行研究した。


 結論として、

  1. 「未完成楽章」の大半は【決まり切った再現部の省略】である。

  2. 出版意思が薄い曲が「見掛け上の未完成楽章」を有す

  3. 後世の研究者は、シューマンやブラームスの意思を「不必要に重視」している

  4. 再現部を変化させたい「緩徐楽章」には「未完成楽章」が極めて少ない!


である。
 その次に「補筆完成版楽譜」を研究した。重要な楽譜は出版順に以下の3種。

  1. ユニヴァーサル版「ソナタ第1巻」 ラッツに拠る D625 の補筆

  2. ヘンレ版「ソナタ第3巻」 バトゥラ=スコダに拠る D346,D571,D570,D613,D625,D840 の補筆

  3. ウィーン原典版「ソナタ第1巻~第2巻」 ティリモに拠る D346,D571,D570,D613,D625,D840 の補筆


である。3種類ともに極めて貴重であるとともに、偉大な足跡だ!


 ・・・で、3人の偉大な「補筆者」の楽譜を辿ってみた結果として

  1. 「ラッツ補筆 D625」は素晴らしい出来である。

  2. バドゥラ=スコダ補筆とティリモ補筆は、「補筆部分が長すぎる」


と結論付けられた。尚、楽譜出版されていない「他の補筆完成版録音」の方が「さらに圧倒的に長くなっている」ことをここに附記しておこう。


 ドイチュ番号で表記した時 D346,D571,D570,D613,D625,D840 の内、「どの曲が最も問題が大きいか?」を自問自答した。2004年初のことである。その結果は「D840」と私高本は感じた。理由は

  1. D840 は、曲自体が名曲である。

  2. ラッツは補筆していない。バドゥラ=スコダ補筆とティリモ補筆は「長々としている」


だからだ。

シューベルトは「展開部終結」まで書き残している


かどうかの見解が、私の先輩諸氏との最大の「見解の相違」である。私高本は「シューベルトは展開部終結部までほぼ全ての楽章で書き残した」との見解である。バドゥラ=スコダ補筆とティリモ補筆は、共に「展開部の途中で抛棄した」と考えて、補筆者が長大な展開部を作曲している。

 「D840 をできる限りシューベルトの意図通りに、聴衆の皆様に聴いて頂くことこそが大切」と思い、「シューベルトピアノソロ曲完全全曲演奏会」の冒頭に持って来た次第である。幸い来て頂いた聴衆の皆様からは「どこからが補筆部分かわからなかった」とのご意見を頂き「少なくともシューベルトの邪魔はしなかった補筆」になったと思っております。その大半は「佐伯周子の演奏が良かった」からだと思っています。
 4年経過した「2008年の今」から振り返ると残念なことはただ1つ。ピアノがスタインウェイだったこと。ベーゼンドルファーで弾いていたならばなぁ! と「ベーゼンドルファーとの相性が極めて良い 佐伯周子 のピアニズム」について感じる次第である。
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6/1(日) 川崎市市民ミュージアムプロムナードコンサート(No.1532)

2008-03-27 21:40:23 | ピアニスト・佐伯周子
詳細は新年度になってから決定する。以下は現段階での「構想」である。

シューベルトのワルツ


 シューベルトは「ヨハン・シュトラウス2世の父親のヨハン・シュトラウス1世の先輩」に当たる。

 

『ベートーヴェンの後継者 = ピアノソナタ作曲家』


を目指していたが、『庶民の欲求 = ウィンナワルツ を作曲して欲しい』は拒絶できなかった。
 「絵」として残っている「シューベルティアーデ」は、ダンスを踊っているシーンを残していないが、文章で残っている「シューベルティアーデ」では、舞踏シーンは多かったことを示唆している。
 「シューベルティアーデのメンバー」は男性が圧倒的に多かったので「ワルツだと余りが出る」のが「絵」で残らなかった原因だろうか?
 シューベルトのピアノソナタが3曲しか出版されなかったのに比して、(1曲当たりの時間的には 1/10以下であるが)ワルツなどの舞曲が圧倒的多数が生前出版されているのは、「人気殺到のポップス歌手」並みの人気があったように思う。
 誰もが「霞を喰っては生きていけない」のだ。シューベルトも短い人生を全力で駆け抜けた。(現代ではほとんど評価されない)シューベルト生前の人気作をベーゼンドルファーインペリアルの豊かな響きで堪能してほしい。
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5/4(祝) 14:00 の部(No.1531)

2008-03-26 14:43:10 | ピアニスト・佐伯周子
これも副題が付いています。

【もう1つの「未完成」D840新補筆完成版】


ソナタ第15番 ハ長調「レリーク」 D840 (1825) 新補筆全4楽章完成版

 これ1曲です。この曲は大抵「第1楽章 + 第2楽章 のみ」で演奏されます。冒頭2楽章はシューベルト自身が完成させていたからです。ブレンデルが「2楽章版」を広めたことも大きく影響しているでしょう。

 「未完成交響曲 D759」よりも「未完成ピアノソナタ D840」の方が残されているスケッチが圧倒的に多く、

第3楽章 : 主部は主調=変イ長調への回帰のみ欠落、トリオは完成(!)


第4楽章 : ソナタ形式の展開部終わりまで書き上げた、と解釈できるので「再現部」を型通り移調すれば良いだけ


です。
 佐伯周子のピアノで是非聴いて下さい。

東京駅丸の内側徒歩1分 ニッセイプラザ丸の内 

無料


です。「ラフォルジュルネ」無料コンサートの1つです。
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5/4(祝) 13:00 の部(No.1530)

2008-03-25 21:05:53 | ピアニスト・佐伯周子
副題が付いています。

【駆け足で巡るシューベルトの作曲人生】D2EからD960まで


プログラム

1.「モーツァルト幻想曲」 ハ短調 D2E (1811)
2.ソナタ第1番 ホ長調 D157 より第2楽章(1815)
3.「オリジナル舞曲集」作品9 D365 より抜粋(1821出版)
4.「グラーツのギャロップ」D925 (1827)
5.「グラーツ幻想曲」 ハ長調 D605A (1827?)
6.ソナタ第21番 変ロ長調 D960 より第4楽章(1828)

東京駅丸の内側徒歩1分 ニッセイプラザ丸の内 

無料


です。「ラフォルジュルネ」無料コンサートの1つです。
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予告編(No.1529)

2008-03-24 21:07:15 | ピアニスト・佐伯周子
東京オペラプロデュース松尾洋代表逝去は、私高本の心に大きな穴が開いた。人間というか、動物は全て(植物も同じだ!)寿命があるのだが、自分と同時代を共有した人が亡くなるのは、私高本の頭が悪いのか、どうしても想定できない。私の母の時も想定できなかったし、伊福部昭先生も想定できなかったし、松尾洋代表も想定できなかった。


ここ1ヶ月の間、最も精力をつぎ込んだのは「佐伯周子のシューベルトの素晴らしさ」を1人でも多くの人に知って頂くことである。共鳴して頂けた方のおかげで

●5/4(祝) 「駆け足で巡るシューベルトの作曲人生」「もう1つの未完成 = D840」 東京駅丸の内側徒歩1分 ニッセイプラザ丸の内 【無料】
●6/1(日) 「シューベルトのワルツ」 川崎市市民ミュージアム 【無料】
●8/1(金) 「ベーレンライター新シューベルト全集に拠るピアノソロ曲完全全曲演奏会 Vol.4」 東京文化会館(小) 【一般3,000 学生1,000】 次回2009.02.12 との割引連続券あり

が実現することになった。御協力頂いた皆様に感謝するばかりである。もちろん演奏してくれる佐伯周子にも感謝!

明日号以降は、「シューベルト」に焦点を絞った連載の予定。

シューベルトは「オペラ作曲家」を目指したのだが、モーツァルトほどの成功者には成れなかった。テキスト選択に問題があったように思う。しかし、「作曲家としての成功」については、モーツァルトやベートーヴェンに匹敵する、と思う。明日以降、シューベルトについて連載したい。「演奏会批評」も「どうしても書きたい」のが溜まって来た。いくつか書くぞ!!!
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