「政府は自らの民を守る為に、家庭の夫や妻が、安い余所者労働者に仕事を奪われて失業するようなことを避けなければならないのです。」
と、ケムニッツの「世界のプロレタリアーは連帯するのだ」と書いてあるマルクス像の前で、新左翼連合から来る総選挙に出馬するラフォンテーヌ氏は、力を込め喝采を浴びたとある。
元ザールランド首相、元連邦財務相のラフォンテーヌ氏は、社会民主党左派のスター政治家であり党内右派のシュレーダー首相とは数年前に袖を分けた。FAZ新聞などは、彼を嘗てのバイエルン首相シュトラウスのように頭に求められると躊躇する政治家、左翼ポピュリストと称する。特に外国人労働者を余所者と呼んだことでナショナリストの票も掻き集める事が出来るのだろうか。一貫して現政府の新労働法案に反対して来た実績でこうして左派連合を実現させる。
そしてパートナーとして復帰するのが東のスター政治家ギズィー氏である。彼をガリオン像に据えるのが、旧東独一党独裁政党の統一社会主義党(SED)の流れを汲む民主社会主義党(PDS)で、西側への浸透を目論む。更に「社会主義への市場経済」を掲げ転向したこの党から分裂した極左労働者政党(WASG)がこれに加わり同一のリストで連邦選挙に挑む。
このような派手な旗揚げや黴の生えたようなマルキストのスローガンに対して、ネオリベラルと呼ばれる会派が如何に選挙戦略を打ち出すかに興味がある。当然の事ながら左派の票は、ラフォンテーヌ氏が希望するように緑の党(GRUENEN)や自由党(FDP)を上回って第三党には程遠いとしても、この新連合にも持って行かれる訳で、政策上十分な対応が要求される。同様に特に東独における極右の民族主義的国民党(NPD)等の票を食う事が出来るのかも興味深い。
東西統一後15年にしてそろそろ思想分裂の終焉を迎えて、キリスト教民主同盟(CDU)の東独育ちである物理化学博士・女性首相メルケルが誕生するお膳立てが出来てきたようにも見える。
「我々の民主主義は何処か可笑しい。ドイツほどネオリベラリズムに侵されたところは世界中に無いのです。すると代議士と言うものは、民衆を代表するのではなくて、経済的興味を代表しているのであります。だからです、今や政策において民主主義的な議論などがなされるのではなくて、浅ましい事に経済連合会のワークショップとなってしまっているのであります。」
ラフォンテーヌ氏は、グローバル化への不安や自由資本主義への懐疑など現在のドイツ社会に強く訴えかけるところを突いて来る。一方バイエルンのキリスト教社会民主党(CSU)などは労働税の軽減と消費税率のアップなどプチブルジョア的政策を押し出しているが、これで現実的な希望を持てと言うのだろうか?
参照:
資本主義再考-モーゼとアロン(3) [ 歴史・時事 ] / 2005-05-04
黴の生えた高い民意 [ 歴史・時事 ] / 2005-04-05
と、ケムニッツの「世界のプロレタリアーは連帯するのだ」と書いてあるマルクス像の前で、新左翼連合から来る総選挙に出馬するラフォンテーヌ氏は、力を込め喝采を浴びたとある。
元ザールランド首相、元連邦財務相のラフォンテーヌ氏は、社会民主党左派のスター政治家であり党内右派のシュレーダー首相とは数年前に袖を分けた。FAZ新聞などは、彼を嘗てのバイエルン首相シュトラウスのように頭に求められると躊躇する政治家、左翼ポピュリストと称する。特に外国人労働者を余所者と呼んだことでナショナリストの票も掻き集める事が出来るのだろうか。一貫して現政府の新労働法案に反対して来た実績でこうして左派連合を実現させる。
そしてパートナーとして復帰するのが東のスター政治家ギズィー氏である。彼をガリオン像に据えるのが、旧東独一党独裁政党の統一社会主義党(SED)の流れを汲む民主社会主義党(PDS)で、西側への浸透を目論む。更に「社会主義への市場経済」を掲げ転向したこの党から分裂した極左労働者政党(WASG)がこれに加わり同一のリストで連邦選挙に挑む。
このような派手な旗揚げや黴の生えたようなマルキストのスローガンに対して、ネオリベラルと呼ばれる会派が如何に選挙戦略を打ち出すかに興味がある。当然の事ながら左派の票は、ラフォンテーヌ氏が希望するように緑の党(GRUENEN)や自由党(FDP)を上回って第三党には程遠いとしても、この新連合にも持って行かれる訳で、政策上十分な対応が要求される。同様に特に東独における極右の民族主義的国民党(NPD)等の票を食う事が出来るのかも興味深い。
東西統一後15年にしてそろそろ思想分裂の終焉を迎えて、キリスト教民主同盟(CDU)の東独育ちである物理化学博士・女性首相メルケルが誕生するお膳立てが出来てきたようにも見える。
「我々の民主主義は何処か可笑しい。ドイツほどネオリベラリズムに侵されたところは世界中に無いのです。すると代議士と言うものは、民衆を代表するのではなくて、経済的興味を代表しているのであります。だからです、今や政策において民主主義的な議論などがなされるのではなくて、浅ましい事に経済連合会のワークショップとなってしまっているのであります。」
ラフォンテーヌ氏は、グローバル化への不安や自由資本主義への懐疑など現在のドイツ社会に強く訴えかけるところを突いて来る。一方バイエルンのキリスト教社会民主党(CSU)などは労働税の軽減と消費税率のアップなどプチブルジョア的政策を押し出しているが、これで現実的な希望を持てと言うのだろうか?
参照:
資本主義再考-モーゼとアロン(3) [ 歴史・時事 ] / 2005-05-04
黴の生えた高い民意 [ 歴史・時事 ] / 2005-04-05