まだ10月 9日に公演されたばかりの指揮:ジェイムズ・レヴァイン ワーグナー「ニーベルングの指輪」の序夜「ラインの黄金」が早くも世界の映画館で公開されている(う~ん、いい時代だな...)
この公演のポイントは、レヴァインの指揮や豪華メンバーは当然として、実はその「新演出」。
その演出を担当するは、ロベール・ルパージュ!
当ブログでは過去から、ルパージュに注目してきた。
ロベール・ルパージュは、ケベック出身の演出家.
で、アエラの表紙(2006/04/17号)にもなるくらいの有名人。
斬新なアイデアを盛り込み、従来の枠にあてはまらない演出を行うところが彼の真骨頂。
最も有名なのは、ラスベガスでのシルク・ド・ソレイユ「KA」の驚異の舞台演出。
来日時の公演「アンデルセン・プロジェクト」(当ブログ 2006/06/04アップ)では、大型スクリーンを独自にセッティングしたり、光をうまく活用したり、3次元を有効に組み合わせた構成で、さすが!と思わせる、個性的な演出が次々と登場し、あっという間の2時間だった。
そしてモントリオール出張では、ロベール・ルパージュのスタジオ兼オフィスを見学(当ブログ 2006/05/17アップ)
そのクリエイティビティを生み出す工房や、彼の書斎を見学した。
5年前にMETから今回の「リング」の演出についての声がかかり、その成果を今日。
「マシン」と呼ばれる45トンの映像も映し出す巨大装置を、最新の技術を使って縦横無尽に展開。
これまでにない、21世紀ならではの「リング」に仕上がっていた。
やはり彼の特徴が、はっきり出ていて面白い。
<大型スクリーンを独自にセッティングしたり、光をうまく活用したり、3次元を有効に組み合わせた構成
まさに今回はその発展形。
オープニングの3人のラインの乙女たちのシーンでまず完全に掴まれ、その世界に取り込まれてしまう。
本編前のメイキングも今回の公演の斬新さを紹介し、最高のオードブルに仕上がり、期待を盛り上げる。
残念ながら、この公開は今週金曜まで。
これを見逃すと「リング」4部作の鑑賞が成立しなくなる状況ということで、今日あわてて出かけた。
出口を出て、いつもの映画館の風景がなぜかまぶしく、これまでになく素晴らしい場所のように思えた(笑)
というくらい、間違いなく入場料(3500円)の価値はあると断言したい!