前に未公開映画として紹介したが、いよいよ今週末から日本公開なので、再び。
ブッシュ大統領政権下、イラク侵攻を決定づけた情報に、大幅に誤りがあったことが戦争後に確認されている。
その渦中にいた、ヴァレリー・プライム(Valerie Plame)の書籍が原作。
本のタイトルは、メインの Fair Game は変わらないが、サブタイトルに全てが。
My Life as a Spy, My Betrayal by the White House
ホワイト・ハウスの「情報操作」、と極めて重いテーマ。
CIAエージェントであった、ヴァレリー・プライム(女性)は念入りなリサーチの結果、「イラクに核兵器は存在しない」と結論付ける。
が、いつの間にか違う結論にすり替えられていた。
これにメディアで闘おうとしたプライム夫婦は、秘密だったはずの身元を公開されてしまい、友人・知人を失うだけでなく、夫の職まで奪おうとする。
そう、つまり「アメリカ」に裏切られたのである。
後半、ナオミ・ワッツとショーンペンが演ずる夫婦の「意見の対立」が加速していく。
芸達者な2人のバトル(写真)は、なかなかの迫力。
これだけで、十二分に観た価値があった。
だいたい、まだイラク撤退さえ完了していないような2011年の現状。
こういう最新の重い題材を既に映画化したという点で、もっと注目されてよいと思う1本だ。
エンドタイトルで、ホンモノの法廷が出てきて、ヴァレリー・プライム本人が登場する。
ナオミ・ワッツに負けていない美女。こちらもお見逃しないように!