映画「ライトスタッフ」という、アメリカの宇宙開発時代を描いた傑作があった。
今作はその成功の陰で、人種差別に耐えつつ奮闘し、成果に寄与した3人の女性たちを描く。
・ユダヤ人上司にほだされ、初の研究員資格権利を勝ち取ろうとする女性
・新しい技術を身につけることで、自らだけでなく周りの部下を救う女性
・そして打上げにおける最重要な精密な計算・計算式を編み出す女性
「ライトスタッフ」でいうと、その名場面の1つ、が全く違う形で再現される。
7人宇宙飛行士たちが延期続きの計画に対し、横一列でこちらに行進する名シーン。
ビル・コンティの勇壮な音楽が「俺たちはいつでも宇宙に行くぞ!」という意志を表現していた。
今作ではこのシーンをパロったシーンがあり、こちらはこちらで、強い意志が伝わってくる。
全く違う形で(笑)
他にもエリートな宇宙飛行士との出会い、そして決定的な信頼関係の構築が数度あって...
ネタバレになるので、これ以上何も言えねえ!(笑)
名セリフが生まれ、それが先にいったところで切り返されていく構造も憎い。
1秒たりともカットできない、と2度目の観賞で感じた。
また面白い撮り方をした印象的なシーンも。
ずっと軋轢が生じていた、白人女性上司と 黒人部下と関係。
その2人初めて理解しあう?シーン。
このシーンの布石としてまず重要なのは、白人黒人別トイレの廃止。
それが劇中のある「気付き」から一気に白人黒人が同居することになる。
そてこのシーンで超特徴的なシーンを生むのが、女子トイレの鏡。
ばったり会ったあと、会話がはじまるのだが、お互いの視線は鏡を通しての会話になる。
このカットの切り返しが印象的だった、
実は「ムーンライト」で助演男優賞を獲得、マハーシャラ・アリがこちらでも出演。
だけでなく、ジャネール・モネイも(こちらでは恋人関係ではない)
音楽の出来もすこぶる良く、ジャストなタイミングで、ベストのR & B 及びインストがいちいちツボに刺さってくる。
アカデミーで当然如く、音楽編集賞取ってるよね?(違う?)
あまりのノリの良さに、ラストクレジットを確認したら、作曲は何とファレル・ウイリアムズ!WOW!
エンディングの、ゴスペルでこちらも最高ハイに!
結論:現状、今年のベスト1候補。