第1章「なぜここまで溝は広がったか」で元大統領のビルクリントンがいいことを言っている。
「ソーシャルメディアのいいところは、常にせっかちであることですね」
「というのも常に何かをしない理由をみつけてしまうのが、官僚政治の悪い点だからです」
著者 ギャビン・ニューサム は、民主党所属の政治家で、カリフォルニア州第49代副知事。
元々は 起業家なので、珍しくネット系に強く、どうすれば政治・役所と新しいテクノロジーがマッチアップできるかを説く。
豊富な事例とともに章が進んで行くのが具体的でマル。
ここでは当ブログ的に面白かった事例を中心に ピックアップ。
一面的な情報にしか頼ろうとしない人々は多い。それは彼らの自由である。
しかし様々な意見を切に望んでいる人々であっても、グーグルや fb などの
検索サイトや SNS によって、その機会を奪われているのが実情だ。
=「フィルターバブル」( 第2章 その壁を打ち壊せ! 69p)
SFスタット
原型はボルティモアで始まった、→ シティスタット
NYでは、→ コンプスタット
そしてサンフランシスコで始めたのが、→ SFスタット
市内で発生する犯罪を地図に落とす → 警察は巡回を増やし、人々は近づかなくなり犯罪減少。
( 第3章 ガラス張りの家に住む 85p)
オープン311
緊急性のない通報を受け付ける電話を twitter にも展開、サンフランシスコ → USA全土へ。
(第5章 プラットフォームとしての政府 147p)
KISS = Keep it simple, stupid(笑)
テキスト・ハイチ
専用電話番号あてに SNS で「ハイチ」の一言を送信するだけで寄付できるシステム
ティム・オライリー
政府のサービスのための市場があったらどうでしょう?
人々が「そのニーズなら私が満たせます!」なとと手をあげるわけです。
あるいは「政府のアプリ店」=政府に負けないものを考案して下さい
(第5章 プラットフォームとしての政府 166p)
メイナー市 イノバック
投書箱 → ウェブサイト化するとともにイノバックという仮想通貨を設け、スコアボードを設計。
啓発活動を伴いつつ、誰がトップかわかるようにしたのです。
アイデアが「解決策」に変わるのを目にすると、市民の意識が変化しました。
(第6章 民主主義のためのゲーム 178-184p)
ドナーズチューズ.com
公立高校の先生たちが候補を出す、クラウドファンディングサイト。
お金よりも、参加者たちの意識が変わることがこのプロジェクトの最大の意義、と創業者のチャールズ・ベストは言い切る。
(第6章 民主主義のためのゲーム 210p)
このドナーズチューズ.comは 294pにも登場する。
陳情に時間を使うのではなくシンプルで優れた解決策を黙って実行した結果、急成長!
クオラ by 元 fb 社員
政府や政治に関する問題を討議できるQ&A のサイト ← 旧来の市民集会を刷新
fb 同様、全て実名制なので、炎上問題は起こらない。
だが最大の美点は、Q に対し、独自の知識を持つ人物から回答が来る点。
(第8章 人民による、人民のための投票 268)
シティチャット
各州の市長だけが参加できる、ノウハウ・悩み相談サイト
(これは未だ想像の域)
最後に、ある有名な人物が描いた文章で締めたい。
私たちは、人々が政府や社会制度と関係を結ぶ方法を変えたいと思う。
何かを共有するのに役立つツールを開発すれば、政府の周辺でより率直かつ透明性のある対話
が交わされ、ひいては人々がより直接的に機能を授かり、公職者がより良い説明責任を果たし
当代きっての問題に問題のいくつかに、より優れた解決策がもたらされると信じる。
さてこれは誰のコトバか?!
= マーク・ザッカーバーグ!