批判的な批評をたくさんみながらも、でもこの映画は劇場でみておきたいと思い、体を引きずりながら劇場へ向かった。
ストーリーがどんなにクソ単純だろうと、どんなに突っ込みどころ満載だろうと気に留めないことを決意して(笑)
確かにストーリーは複雑じゃない、けど驚いたことに!
ツボにはまるシーンが次々と。
そのツボとは、なつかしの名シーンを実写で2008年バージョンにしたものだった。
その一シーンを積み重ねるごとに、このシリーズへの並々ならぬ愛情が伝わる。
こうなると批判どころではない(マジ)
私は特殊な環境にあるのだとは思う。
子供のころアメリカで育ち、アメリカ時代のモスト・フェバリットTVプログラム!は 「Speed Racer」。
当然英語のテーマ曲、英語台詞で観ていて、「これはアメリカ制作なプログラム」と思い込んでいた。
そして日本に帰ってきて初めて「マッハGo Go Go」だと知った。
そこはかなりの部分?ウォシャスキー兄弟とシンクロしているように思えてならない....
もう圧倒されるままに笑い泣き騒いでいるうちに2時間が過ぎ、これまた感動のエンディングに突入!
ジョン・グッドマンやスーザン・サランドンなどのメジャーどころを脇に配するのも、短いがポイントのシーンを締めるためであり、それがここで効いてくる。
ラストのエンドロールがまた泣かせる。
なんと日本版そのまんまの音楽でキックオフ!
そしてアメリカ版にシフトしたと思うと、怒涛の日米ラップミックスへ。
この時、間欠的に挟み込まれるのがアメリカ版の名セリフ集。
このドラマの核となるセリフばかりで泣かずにいられない。
その核とは、実はそのポジティブな精神のありようのことなのだ。だから泣かずにいられないのだ。
この最後の台詞はなつかしいアメリカ版のヒゲが印象的な警部の声。
「スピード。世界平和を守れるのは君だけだ」(英語)
そうだあああ~!!
この世界を再現したかったんだああああ~ウォシャスキー兄弟わあああ!!!(発狂)
こんな馬鹿げた台詞がカーレースのマンガで出てくる事自体信じられないが、「マッハGoGoGo」「Speed Racer」ならあり得る!
これはわかる人にしかわからないと思う一方、最後にこれだけは言いたい。
昔このドラマにはまった日米の当時少年たちに、ぜひこの映画を観てもらってそのころの心を取り戻して欲しいと切に思う。
その時代だけが持つオプティミズムを今年2008年に取りかえそうというのが、この映画の目的ではないかと思う。
例えばでいうと、1970年大阪万博のあの感覚。
このための近未来の設定があり、あのレースフィールドがあるわけだ。
(予告編でいきなりそのシーンだけ見せられても、?!?になってしまう。そりゃそうだ!)
これがわかる人に向けてのみウォシャスキー兄弟が作ったのが、今回の「Speed Racer」なのではないか。
こんなこと他の誰にもできない(あとやれるといたら、スピルバーグかルーカスか....)
流石、あれだけ儲かっているチームだけある!
注:字幕つきは今週の金曜で打ち切りが多いようなので、響いた方は急げ~!!
(もし観れなかった場合は将来的には大丈夫かもと思う事にしよう。じわじわカルト的な人気が出ると確信するから....)
| Trackback ( 0 )
|