刺激的なタイトルだが、読み出したら すらすらと最後まで。
サッカーファンならだいたい認識しているようなことを、【基本編】【中級編】【上級編】に分けて体系化し、かつ各ポジションのチェックポイントそして、いい監督、悪い監督の見分け方まで伝授している。
一言でいうと、非常にわかりやすく、アタマが整理できる内容。
これはこれで良かった。
メモしておきたい「名言」がたくさんあるので、いくつかメモ。
(あくまでもテクニック的なキーワードでないところから)
「ボールが縦に進んでいるか」
攻撃は「水」のように、守備は「氷」のように
「守備は狭く、攻撃は広く」
一方、個人的にめっちゃ面白かった!のが特別付録。
特別付録の2、がなんと、モウリーニョ監督がチェルシー時代に選手に配ったスカウティング・レポート。
2005年11月29日に行われた vs ニューキャッスル戦対策のメモなのだけれど、これが秀逸!
ニューキャッスルの出場選手全部について分析し、その弱点および長所をズバリ指摘している。
例えば、DFブームソンの守備力の欠点を2つ指摘。
弱点1 守備に一貫性がなく、相手が来るとついていってしまう(センターバックなのに!)
弱点2 プレスをかけられると(前の)エムレとパーカーにパスミスする傾向にある
こうやって相手チーム全体をまる裸にするようなコーチングされたら、そりゃ『神』だな!
最後に。
あとラストにある旧川淵キャプテンの以下の言葉が、意外にも(笑)「サッカーを越えて」響いたのでそれを。
誰もが最初は「なんでそんなプレーができないの?」と疑問を持つんですよ。
ところが、だんだん経験を積んでいくと、できない理由が見えてきて、それを疑問に感じなくなってしまう。
だから大事なのは、どれだけ最初の感性を持ち続けられるかどうか。
例えば初めてサッカーを観た奥さん連中が「なんでこうしないんだ」とか言うのは100%当たっている。なんでシュートしないんだ」とか「なんでパスしないんだ」とか。
ところが、だんだん技術的な難しさがわかってくると、「相手の足が出ているから打てない」と思うようになってしまう。
「相手の足に当たって入る可能性があるから打った方がいい」と最初の直感に戻るまでにはだいぶ時間がかかるんです。
サッカーではなく、このことを「プロジェクト」や「企画作業」に置き換えてみると、ズバリはまる。
「最初の直感に戻る」ことには「才能」がいることをズバリ表現していて、痺れた。
この本の最後の言葉にどうあるべきかが明快に記されている。
「理論をしっかり持ち、それでいて初心者のようなインスピレーションを忘れない」
なのでこの本の私なりの結論は、「サッカーを元に見方は1日で変えられる」=×バツ
だがこの本で「サッカーの見方は1日で強化されるし、それ以外の見方さえ1日で変えられるかもしれない」(笑)
だからサッカーファンは辞められない!
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