副書名は、21世紀の競争を支配する「場をつくる」技術
最近よく耳にする「プラットフォーム」についての様々な論述。
プラットフォームが注目されている理由が4つあげられている。
1.技術進歩の早さ
2.顧客ニーズの多様化
3.ITの進化による外部ネットワーク効果の迅速かつ広範な拡大
4.デジタルコンバージャンスの進化
突っ込むと、1.の技術進歩の早さは、別のところにも書いたが、あるプラットフォームを作っても、それが消失してしまう原因にもなる(例えば「ポケベル」とか)
前半はこのような定義的な内容が多いが、この本が面白くなってくるのは後半。
成立したプラットフォームをめぐるトラブルについての章が登場(3章 プラットフォームの横暴にどう対処するべきか 笑)し、代表的な例として、トイザラスとアマゾンの仁義なき闘いが登場し、具体的でわかりやすい。
さらに、「戦略的プレーヤー」「非戦略的プレーヤー」に分け、どう対応したら正しいかの議論へ展開。
ここでは、より難しい対応を求められる「非戦略的プレーヤー」の場合を紹介したい。
まず検討時の注意点×5
1.参加しようとしているプラットフォームは、自社が他のプラットフォームを利用することを禁じているか
2.そのプラットフォームがもつブランドやユーザー層は自社のブランドを高めるか、ユーザー層は一致しているか
3.複数のプラットフォームに参加する場合には、売上高、顧客の増加、コストの増加はどれくらいか
4.参加しようとしているプラットフォームが他への参加を認めない排他的な条件を要求している場合、特別な優遇策を期待できるかどうか
5.自社が排他的なプラットフォームに参加することで、そのプラットフォームは市場リーダーになれるか
現在でいうと、携帯ゲーム大手2社の間で、小さいゲーム制作会社に繰り広げられている「どっちにつくか」圧力合戦をイメージすると上記もとてもリアルに感じることができる。
さらに、こういうアプリケーションを作る会社向けの注意点×4もある(笑)
1.自社単独、もしくは他社と組んで交渉力をもち、プラットフォーマーに条件をつけて排他的に参加する、あるいは最低販売価格やコンテンツウの売切による収益確保など特別な待遇を要求する
2.プラットフォームに中にプラットフォームを構築する。あるいは一部の昨日だけを利用するような交渉を行う
3.短時間かつ低コストのアプリケーション作成のために、社員の個人での活動を認める代わりに一部を会社がレベニューシェアする。あるいは、さまざまな簡易アプリケーションを数多く出して、たまたまヒットするものを期待する
4.ゴールドラッシュの際にジーンズ会社であるリーバイスが儲けたように、アプリケーションを作りたい会社から収益をあげるモデルを作る。例えばプラットフォーム間を超えてアプリケーションの作成が容易になるようなサービスを提供する。良いコンテンツかどうかの格付けを行うサービスを提供する
そして、グーグル、フェイスブック、マイスペースなどのそれぞれの闘い方を具体例に読ませる。
ここがこの本のハイライトか!
最後に、プラットフォームを一言でいうと。。。。=Winner takes all!
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