当ブログでは、通常ネタバレしないように最大の配慮をしているつもり。
なのだが、今回に限ってはラストにふれることで、この映画の価値について論述したいので、あらかじめ。
【以下、ネタバレ】
ラスト、主人公アリエッテイは、生まれた時から住み続けた借りぐらししてきた家から追われる。
家族とともに、様々な敵からなんとか身を守りながら、次の住家を探す放浪の旅へ。
この仮ぐらしの種族自体が「絶滅」に向かっており、明るい希望は持てない。
それを見送る少年、翔 のこれからも、決して明るくはない。
健康状態はおもわしくなく、難しい心臓の手術を待つ身。
下手すると、それで死んでしまうかもしれない。
だが、観賞後の気持ちが清々しいのは、なぜか。
現状の日本は、世界経済大国2位の地位を奪われ、ダウナー傾向。
今後の日本を担う若者世代も、その空気にまんまと乗って、意欲に欠けるように見える。
この世界大競争の時代に。
過去の実績・栄光・分析データをもとに、現在・未来を悲観的に解釈することは、簡単にできる。
だが、これから先を決定的に左右するのは、「自分の持つ意思」
そのベクトルが、上を向いているか、斜め前なのか、最初からうなだれているのか(笑)
名言を以下引用。
「リーダーは楽観的でなければならない。
その理由は簡単。
もしそうでなければ、他に楽観的になる者は誰一人いないからだ」
少なくとも、この物語の登場人物たちはのベクトルは、厳しい状況を共有しながらも「上向き」
どちらも相手からいい刺激を受け、これから出てくる問題に積極的にかかわっていくメンタリティである。
「このような、ありようを示す」ことが、「なぜ今、この物語を世に出すのか」の解答ではないか。
この作品について「スケールが小さい」などのような批判がチラホラ出ているが、実際はその真逆。
こめられたメッセージが、少しでも子供たちに伝わることを心から願う!