元々NYの魅力を描かせたら天下一品だったウディ・アレン。
最近では、
2010「恋のロンドン狂騒曲」
2011「ミッドナイト・イン・パリ」
ときて、今回の「ローマでアモーレ」、と世界の都市を巡っている。
さてローマ。
この物語の狂言まわしは、英語がほとんどしゃべれない交通整理の警官、といきなりひねりを利かせてスタート。
主な登場人物は、
ジェシー・アイゼンバーグにからむ、恋人の友達エレン・ペイジ(下枠:中央)
これにつきまとう?謎な存在、アレック・ボールドウィン(下枠:右)
(ボギー!俺も男だ、のボギー的?存在)
自分の日常が“セレブ化”してしまう ロベルト・ベニーニ(上枠:左)
田舎者の新婚カップルにからむ、娼婦ペネロペ・クルス(下枠:左)
ローマ子に魅せられ、婚約するアリソン・ピル(ニュースルーム出演中)とその親アレン(上枠:右。久々の登場!)
この×4セットで構成され、1時間41分アレン節はいつもながらの名人芸。
ベニーニの起用は明らかに彼のシークエンスの最後を演じさせたいがためだったと確信する。
それくらいそのシーンはハマっていた! ここだけ何度でも観たいかも(笑)
インタビューでアレンは以下のように語っている。
パリは非常にロマンチック
ニューヨークは、とても神経質で、野心的な都市
ロンドンは、非常にシニカル
そして、
ローマというのは、とても遊び心にあふれていて、クレイジーな場所で、こんな都市って世界のどこにも存在しない
他の都市ととても違うのは、例えば、パリやニューヨークは、ひとりになりたかったら、家から出て街を散歩すればいい。
でも、ローマっていうのは、家から出るのは、人に出会うためなんだよね。
ローマは外に繰り出し、外での生活を中心とした文化なんだ。
誰もがカフェにいるし、公園でたむろしている。とても社交的な都市だと思う。
そうか!
確かに、交通整理の警官のおしゃべりも、饒舌なベニーニも、超社交的。
こうしてローマの魅力を上手に演出しているわけか~。
気になったのはインタビューにもあったように、今回のローマの魅力はパリに匹敵するクラスの仕上がりの一方、ロンドンはそうとうに落ちる事だ。
ローマ、パリは恋の街、と言われてしっくりくるが、ロンドンはとてもそう言えないもんねー
「非常にシニカル」って言われちゃう街だから、「恋のロンドン狂騒曲」のキャラが誰もかもいまひとつ冴えず、イマイチな出来だったのかも(笑)