チェーンスモーキングするかのように、主人公と思っていた人物がするっと入れ替わるという、斬新な構造。
下手打つと、とんでもなくバラバラな映画になってしまいそうだが、今作はスムーズに演出されている。
流石! 「ブルーバレンタイン」の監督デレク・シアンフランスだなと感心。
またその登場人物たちは、ほとんどが善良とは言えない環境下にある。
本人だけでなく、周りで関与する人たちの「ちょっとした悪意」あるいは「明確な悪意」に偶然が加わり、不幸のループが増殖していく。
このサマに思わず戦慄(汗)
アメリカってなんて国だ!って思ってしまいそう(笑)
先に述べた俳優のスイッチ具合の巧みさとともに、この演出の妙にも唸った。
俳優陣は皆好演。
「ブルーバレンタイン」に続き出演しているライアン・ゴズリング、エヴァ・メンデス、ブラッドリー・クーパー...
あっ、レイ・リオッタも実に彼らしい役柄で登場し、この映画のヤバさを引き立てていた。
原題:The Place Beyond the Pines の意味については、鑑賞するうちにはっきりしてくるのでここでは言及しない、がなかなか秀逸なタイトル。
こうして思い出しているだけで、既に監督デレク・シアンフランスの次作は?と楽しみになっている自分がいる。
これでまた、自分的に毎年ランキングする「極私的ベスト10」入り候補が登場したという感覚。
今年はなかなか豊作でウレシイ。
5/25~公開。