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日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 






460ページ以上にわたり、徹底的に3Dプリンタの世界をひも解く。
以下、これはと思った部分をメモ。


いずれ物体をビットから原子に移し、元に戻すこともできるようになる。

(こっ、これってスタートレックに出てくるレプリケーターとか転送装置のことじゃん!)


3Dプリンタは、いつか究極のFAX機になるだろう

珍しくも貴重な楔形文字(くさびがた)の正確なレプリカを3Dプリントしたのだ。
そして何よりすばらしいことに、この楔形文字をFAXする実験する過程で、思いがけないおまけがあることに気づいた。
CTスキャンでは、楔形文字の板の外部と内部の両方に書かれた文字を捉えられたのだ。
研究者は何世紀も前から、楔形文字を刻んだ多くの板が持つ中空の内部にも、メッセージが記されていることを知っていた。
しかしこれまで、内部のメッセージを見るには、板を砕くしかなかった。
楔形文字のレプリカをCTスキャンし3Dプリントする利点のひとつは、レプリカをあっさり割ってなかに書かれたものを読む事ができることだ。

(!)


3Dプリンタにはふたつの大きな系列がある。
第一の系統は、原材料を積み上げて物を作る。
第二の系統は、原材料を結合して物を作る。

(へー)


デザインすものとプリントするものは(必ずしも)一致しない

「いつか、ひょっとしたら一世代のうちに、自分自身の細胞組織から心臓ができることに疑いの余地はありません」

まるで、シンギュラリティ by ワーツワイル!


3Dプリンタは、デザインや工学を学ぶ高校生により早く失敗をさせる。
ちょっと待て、どれでは良からぬ話に聞こえる。だ
が、製品デザインや工学、その他問題解決を行う職業においては、失敗が早いほど解決に至るのも早いのだ。


3Dプリンタで、生物のデータをハックする


3Dプリンタで、埋め立て処分地をもっときれいに



...という具合に、タイトル通り、2040年を踏まえた上、そこに出現するだろう未来、という視点が一貫していて清々しい。
解放される創造力が、その時にどっちに向いているのか?
当然、ポジもネガもあるだろうことが、じわじわと 文章から伝わってくる。

結論:3Dプリンタの現在・未来に「ちょっとでも」興味のある向きには、大推薦の1冊。


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タイトルだけだと「あーまたか!」ということになってしまいそう(笑)
こういった本が今、多いので。

だが読みだすと、そういう意識は直ぐに消え、むしろ引用事例の豊富さ・的確さ、巧みな構成に唸る。
安全性よりも、利便性を追求し生まれたインターネット世界を解りやすくまとめている(1~2章)


そして3章。
1984年的な「監視社会」とはなったく違うレベルの「監視社会」が生まれていることを指摘。
監視カメラの増加が、犯罪抑止力でもあることを通し、合理的・スマートに被験者たちに利便性があると説得できれば、の「監視社会」もOKになる、と。


続く4章でもビッグデータの本質についての鋭い指摘が。
「ビッグデータはなぜを語らない」と。
例えば将棋でも分析は次の手を「読む」ことはない。
あくまでもその次の手がもたらす結果の大量のデータから判断するだけである。
でまた、これがより正しい結果になるわけだ!

ここで引用される事例がまた素敵=yahoo!の選挙速報
議席予想に、検索ワードのビッグデータを結びつけることで、これまでにない正確性を加えた、というのだ。

一方でその安全性についての議論。
車、航空機、F1(!=アクティブ・サスペンション)、将棋、交通渋滞、医療、あげくは学校経営?など豊富で的確。


そして最終章。
表紙の下部にあるオビにあるように、個人情報を保護するための新しい発想を持つべきだと、具体的に提言している。
匿名化、が骨抜きされている現状を分析した上でのことなので、説得力があった。


結論:このジャンルの本としては、内容の豊富さ・バランスなどの点で、最上級にお勧めできる1冊!
   (表紙がいまいちなので損してると思う 笑)

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有名投資家とはいえ、投資家の本なので、最初はちょっと退いていた(笑)
(投資でこうやって儲けよう!なんて内容だったら絶対読まない、と)

だが本の評判も良く、ピーター・ティールが考える、あるべき「起業」の考え方、を説く、という話と聞き、さっそく読破。
PayPal創業者であり、Facebook、LinkedIn、Yelpなどの初期投資家、ということもあるので。


第一章で、まずビックリ!

ドットコム・バブルの崩壊から企業化が学び、スタートアップ界の戒律化?した4つの教訓?
1.少しずつ段階的に前進すること
2.無駄なく柔軟であること
3.ライバルのものを改良すること
4.販売ではなくプロダクトに集中すること

これを全否定。
「真逆」の4つの法則を提示する!

1.小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
2.出来の悪い計画でも、ないよりはいい
3.競争の激しい市場では収益が消失する
4.販売はプロダクトと同じくらい重要だ

特に1.、3.あたりはスタートアップというよりは、メジャー企業であるほど参考になりそうなサジェスチョンだと感じた。
というのは、いかに独占を築き、終盤を制する、という目標は、メジャーなほど実現可能性が高いからだ!


以下、その後で刺さったワードをメモ。


ほとんどの人はグローバリゼーションが世界の未来を左右すると思っているけれど、実はテクノロジーの方がはるかに重要だ
これまで富を創造してきた古い手法を世界に広めれば、生まれるのは富ではなく破壊だ。
資源の限られたこの世界で、新たなテクノロジーなきグローバリゼーションは持続不可能だ。


未来はどうなるかわからないという考え方が、何より今の社会に機能不全をもたらしている。
本質よりもプロセスが重んじられていることがその証拠だ。
具体的な計画がない場合、人は定石に従ってさまざまな選択肢を寄り集めたポートフォリオを作る。
彼らの世代は、偶然の力を過大評価し、計画の大切さを過小評価するよう、子どもの頃から刷り込まれてきたということだ。

そこで提示されるのが、
「明確な楽観主義」
「あいまいな楽観主義」(→あいまいな金融、あいまいな政治、あいまいな哲学、そして、あいまいな人生)
「明快な悲観主義」
「明快な楽観主義」


また「べき乗則」という概念も面白い!

時間と意思決定もまた「べき乗則」に従い、ある瞬間がほかのすべての瞬間よりも重要になる。
「べき乗則」を否定して正しい判断を下すことはできないし、いちばん大切なことはたいてい目の前にはない。
それが隠れていることもある。
それでも、べき乗則」の世界では、自分の行動がその曲線のどこにあるのかを真剣に考えないわけにはいかなくなる。



結論:この本、コピーしたような起業ではなく、「創造」をとことん追求し、未来を拓こうとする、求心者の哲学。

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佐藤可士和さんといえば、お会いしたことはないが、優れたクリエーターであるだけでなく、企画構造の整理整頓が得意そう、というイメージ。
(まるで、佐藤雅彦氏のように)

その彼が「打合せ」を整理整頓してみようっていうんだから、さっそく読んでみた。



ぐっさりと刺さった部分をメモしてみる、読後評っぽくなくて申し訳ないが(笑)
(順番は当ブログで統一すべく入れ替え)


・打合せは、アウトプットの場

・すべての打合せは、「クリエイティブの場」である

・打合せの質が成果物の質

・本音でやりとりしなければ意味がない
 一対一の打合せを希望しているのに、他の社員の同席を求められることがある
 録音してもらってもいいので、一対一をお願いする。
 それは「本音」が聞きたいから。
 打合せで強く意識しなければいけないのは、どれだけ「ぶっちゃけ」られるか

・どんどん口に出すことで、「思考の輪郭」がはっきりしてくる 
 何かをしゃべって口に出す「言語化」という作業は、思考を具現化する作業です
 たとえ間違っていたとしても、同じようなことを考え、似たことを繰り返すことによって、
 だんだんと思考の輪郭がはっきりしてくる。

・NOと言うなら、どんな立場であれ代案を
 目的はそれぞれの持ち場の役割を果たすことではなく、プロジェクトのゴールを完遂すること

・「つまらない」と言えるか? その理由を語れるか?
 ものをつくる仕事は、思いをぶつけ、意見を正直に表明することに存在意義がある

・目的のない打合せは、ゴールのないマラソン

・「アイデア」という言葉を軽々しく使わない
 打合せを、「イメージしてきたことを出し合う場」にする

・「準備のやりすぎ」にも注意

・仕事が出来る人、忙しい人ほど、早く打合せの場に来ている

・資料・ツールは「イメージ力」を発揮して揃えておく

・なるべくたくさんの「イメージ」を持っていく
 誰かのイメージを断片を拾っていったり、極論をぶつけたりして、場を揺さるようにしている

・「何を質問するか」で打合せの深さが決まる

・打合せ中は、常に「聞きながら考える」

・「極論」と「断片」を、うまく活用する

・感じたことに紐づけて、心のひだに記憶していく習慣をつける

・「その場で思いついたこと」のほうが鮮度が高い
 情報をインプットしておいて、アタマの中にスペースを取っておくのです
 =「身体が温まっている状態」

・「事情のパワー」に押し流されない
 優れた仕事人というのは、その流れを変えられる人なのです
 しっかり緊張感を持って見ていないと「事情のパワー」に流される危険がある

・「今日は無理だな」と思ったら早めに打ち切る

・「ラスト5分」と「終了後5分」が打合せの黄金時間

・「そんな感じで」禁止令
 何を決めたのか、何がタスクなのか、しっかり書いて打合せを終える

・帰りの移動中などに、リマインドを自分にメールする

・大切なポイントをまとめ「自分議事録」を作成する

・ファシリエ―タ―は打合せを「デザイン」せよ
 みんながイメージを出したり、発言しやすくしたりする環境づくりが大切

・「大義」があると、チームのテンションが上がる

・ブレストの人間は多すぎてはいけない
 しゃべらないネガティブパワーは、とても大きい

・会食は「未来を語らう場」として活用せよ
 メモは取らない、資料は出さない
 同様にいつでも「身体が温まっている状態」を作っておく

・社内打合せ、という手法ではなく、常時、密にコミュニケーションを取る

・リーダーに大切なのは、「オープンマインド」と「タイミング」
 ふらりと行き、立ったまま、その場で進捗状況を確認していく
 

ざーっと書いていってみたら、凄い量...
それだけいい内容がぎっしり詰まっているということか。

せっかくこれだけメモったんだから、少しでも近づけるように頑張るしかないな!(笑)


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映画ベスト10に続き、今度は「本」でベスト5、いってみます。
こちらも毎年一度の楽しみ化している!

アップに至った本は25冊程度だが、それ以外にも数的には倍以上は読んでいるので、その10分の1レベルで、5つに。
1行目はタイトルとアップ時のサブタイトル、2行目は今回のコメントとなります。



第1位
「国際メディア情報戦 「イメージ」が現実を凌駕する」 久々にページをめくるのが勿体無い感覚に...   (3/24アップ)
「フェアな場」において、あくまでも知力を尽くした闘いを表現。「サウンドバイト」「バズワード」「サダマイズ」他、面白いキーワードがたくさん。

第2位
「コーズ・リレーテッド・マーケティング 社会貢献をマーケティングに活かす戦略」(12/4アップ)
この分野に興味あるむきは、スタンダードのひとつとして、手近にキープしておくべき一冊。

第3位
「地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減」  今 持たねばいけない危機意識を叩き付ける1冊!(11/ 4アップ)
「極点社会」「人口のブラック・ホール現象」などのキーワードを用い、「先送り」体質の日本に喝を入れる。

第4位
「Jの新人」  今年有数に面白くも、若手育成の厳しい現実を知る、恐ろしい読書(10/ 4アップ)
「使わない選手は、放流する」=「戦略的放流」、「身長が止まってから本当の実力が出る」など、「世代強化」いろいろ考えさせる一冊。

第5位
「Communication Shift―「モノを売る」から「社会をよくする」コミュニケーションへ」  作者「渾身」の1冊(3/15アップ)
テーマは「広告というものが、もっと社会にとって価値あるものになれないか」 これを、2014年バージョンで掘り下げる。

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コンテキスト context とは、何か?
辞書で引いてみたところ解りやすいのが(IT用語辞典 e-Words)

<「文脈」という意味の英語で、様々な用例があるが、特に、実行中のプログラムが
<処理内容を選択する際の判断の材料となる、プログラムの内部状態や置かれた状況、
<与えられた条件などを指すことが多い。

というわけで、コンテキスト context とはプログラムの判断材料を与えるデータ・デバイスなどのこと。
新しいテクノロジー×5つのフォースが重なって発生することで現実化しつつある、とする。

それらは、
・モバイル
・ソーシャルメディア
・ビッグデータ
・センサー
・位置情報


豊富な先進事例でこのトレンドを紹介していくのだが、まず最初の事例で驚く。
マサカ?! のスポーツ・マーケティング事例から。

それはNFL(アメリカンフットボール・リーグ)世界最大級のスポーツビジネス組織。
好調のようで、観客動員数が年2%ずつ減少中。
その理由は、HDテレビでの視聴にお客が流れていること、とNFLは分析している。
ライブより、テレビでいろいろなアングルからのヤード詳細解説付きの方が面白いスポーツなのだ!
自宅であるいはスポーツ・バーで。

そこで最多勝チーム、ニューイングランド・ペイトリッツがテストケースとして選出。
スタジアムでのライブをITでさらに面白くする、以下のような仕掛けを実行した。

1.WiFiシステムを設置(2010年)し、会場だけのスペシャル映像を観客に配信。
2.シーズンチケット者への特別待遇
(1)6チャンネルのスペシャルのライブ映像、動画再生(他の会場も含め)
(2)座席に座ったままで、飲み物食べ物が注文でき、優先窓口を設けたので「待ち時間なし」
(3)トイレのライブ混雑状況リポート。どこが待ち時間が一番短いか

これらを3年間のうちに実現したそう。
さらにビッグ・データを分析することで、さらにサービス向上を図っている。
これはコンテキスト・マーケティングのいい事例ではないか!
実際にマサチューセッツに行き、この様子をみたくなった(笑)

その後、コンテキスト自動車、医療とヘルスケア、高齢者、警察などと続いていく...


そして後半に提示されるのが、「パーソナル・アシスタント」という概念。
その章の冒頭で紹介されるのが、Appleの元祖PDA ニュートン(涙)
あまりに早すぎたパーソナル・デジタル・アシスタント。
だが実は、ニュートンの中核技術が使われた結果、大ヒットiPhone が生まれたことを指摘している。
ニュートンのファンとしては、胸を撫で下ろす瞬間だった!

そしてPDAをルーツに持ちながら、そのはるか先を行きつつあるのが現在、とする。
デジタル D は既に当たり前となっており、→ 次は コンテキスト C へ。

「パーソナル・コンテキスト・アシスタント」PCAの時代が来る、と。

大きく変貌を遂げる世界の可能性、そして一方で問題点を指摘しつつ、この分野を包括する その語り口のバランス感覚が、マルか。





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当ブログを定期的にご覧の方はご存じと思うが、cause marketing は当ブログのテーマのひとつ。
今年5月には、CHICAGOで Cause Marketing Forumに参加したこともアップ済。


そんな当ブログにとって、この本はズバリ刺さる内容!

第1章 でまず、コーズの定義・範囲を示すと共に、コーズ・リレーテッド・マーケティング自体の定義を。
フィランソロピーとの相違点、「CRM=寄付付き商品」という誤解を解く試みは痛快とも感じた。
特に、この分野で有名な事例とされている某キャンペーンをロジックで否定し、ズバッと一刀両断。
ゴイス!

そして続き、コーズ・リレーテッド・マーケティングの歴史、にも踏み込む。
米国の各地域で行われた初期CRMから有名な「自由の女神修繕キャンペーン」への流れを紹介。

という具合で、第2章でその効果について、第3章でとCSRとの関係、第4章マーケティング、と続く。


白眉は、第5章。
サンプリング促進効果との検証、さらにと懸賞に対する効果の検証、と全くみたことのないデータそして分折。
ぺージ数もこの章が圧例的に多いことからも、ここに力が入っていることがわかる。

残り2章も、いろいろな論文からの結論部分の紐づけが大量にあり、目新しい。


結論:この分野に興味あるむきは、スタンダードのひとつとして、手近にキープしておくべき一冊。

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実は 前号から、既に怪しい動きはあった。
インターステラーのマニアックな記事が3pに渡って載っていた。
しかも、妙に テクニカル な内容(笑)



で最新号。
今号の Guest Editor は、何とクリストファー・ノーラン Chrisotpher Nolan !

既に表紙からして、ヤバい!!!!(写真)
こんな調子のデザインで、ほぼ1冊を通しきっている。
テーマ = Space, Time, and Multiple Dimensions



内容は盛りだくさん。

インターステラーの製作の裏話を、ノーランとキップ・スローンの対談で。

とか、

ノーランのイメージを実際に作り上げた男

とか、

登場したロボット TARS についての 詳細解説!

とか、宇宙関連のネタを含め、全部で × 23 もの大特集。
当然の事、今 話題になりつつある、映画の番外編 短編アメコミ(7p)も、格納。


どれもインターステラーを鑑賞し評価するヒトにはマストと言い切れる、内容・デザインワーク。
お勧め!


P.S.ところで日経の映画評で、インターステラーは星3つ☆☆☆、って何処に目をつけているの? → 評者の方,,, 首では ?


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本のトーンは、前半と後半で大きく異なる。
前半の第1章~第7章は、SNSプラットフォーム同士のユーザーの奪い合いを分析。
そしてこの中に面白いキーワードが次々と登場する。

・ソーシャルの失敗=これは重要な概念!

・ソーシャル・ソリューション

・4つのタイプの交流コスト
=「広がり」「表現」「検索」「コミュニケーション」

・「出会い」ソリューション

・「友だち」ソリューション

それぞれについて細かく解説はできないが、どのワードも強く印象に残った。


ちなみに、具体的に各章に登場する競合するSNSは以下。

eHarmony vs okcupid 出会い系

Twitter

Facebook vs ミクシ―(!!)

Facebook vs Myspace

Linkedin vs friendster


後半第8章~第13章までは実際の企業におけるソーシャル戦略。
登場するのは、ジンガ、イェルプ、アメリカン・エキスプレス、ナイキなど。

本の初めの段階で著者が2度ほど、本の後半の方が注意を引くだろうとしていた。

が、当ブログ的には、具体的でわかりやすい一方、企業の実例を紹介する本は巷に幾らでもある、という認識。
なので、これまで読んだことがほとんどなかった、前半のSNS同士の鬩ぎ合いの方が、圧倒的に面白かったのだ!


その前半のまとめ部分を、以下メモ(改行:当ブログ)

第1に、さまざまな相互交流コストを認識する必要がある。
それらのコストは、ある一定のユーザー・グループにとつて「ソーシャルの失敗」を生み出すからだ。
第2に、これらの相互交流コストの経済的・社会的な要因に対処する機能を構築しなけれぱならない。
第3に、それらの機能が「広がり」「表現」「検索」「コミュニケーション」のコストに対処しているか、
見極めないといけない。
さもなけれぱ、完璧なソーシャル・ソリューションでない可能性が非常に高まるのである。
最後に、あまりにも多くのソリューションを提供しすぎていないかを確認しなけれぱならない。
そうでないと、戦略的トレードオフの副作用が起こるりスクが高まるのだ。
たとえぱ、友だちや知り合いと交流することが目的のプラットフォームを作ろうとするときは、
公の相互「コミュニケーション」機能は提供しない方が良い。
それがあることで、「友だち」ソリューションの効果が薄まるからである。

このような考察を理解することで、ソーシャル・プラットフォームには、人気があるものとないものが
ある理由を理解することができる。また、今後より効果的に新しいプラットフォームを作ることもできる。
このような視点は、今後、新しいフラットフォームを立ち上げる起業家にとって、また、すでに大会社で
伝統的な企業がソーシャル・プラットフォームを自社の戦略に取り込もうとする際に、 非常に重要である。
つまり、これまで何度も見てきたように、これらのプラットフォームのデザイナーたちは、独自のプラット
フォームをイメージして制作しているであろうが、完成品はイメージとは程遠いことが非常に多いのだ。

たとえぱ、リンクトインの経営陣は、元々、友だちを通して見知らぬ人と出会うプラツトフォームをイメ
ージしていた。しかし、結局、彼らが行っていたサービスとは、現実世界では規範的にはふさわしくない
やり方で、オンラインに自分の経歴を掲載できるようにすることであった。

同様に、フレンドスターの経営陣はシングルの人を対象にした完璧なデート・サービスをイメージしていた。
しかし、結果的にプラットフォームのユーザーは、ほとんど、すでに恋愛関係がある人々になったのである。

マイスペースは、すべての人を対象に、何の制限もない交流の場を提供しようとして、結局、そのプラット
フォームに残ったのは、見知らぬ人に見せていると見せかけて自分の情報を友だちに公開したい人々であった。


最後に...
本のタイトルには「ハーバード流」とついていたが、ブログタイトルからは敢えて外した。

本の最終結論直前にも、事例のひとつとしてHBR、ハーバード・ビジネス・レビューまでが登場。
ねちっこい... 宣伝のために入っているのでは? と思わせてしまう始末(笑)

流石、ブランドだね!
って、別に揶揄するつもりはなかったのだが、このへんの感覚が理解できず、大減点(笑)
だって原著の表紙には、そんな表記は、一っ言も無いし(笑)

日本人、舐めとんのか?

翻訳時の操作によって、本全体の印象が悪くなるって非常に良くないのでは。
ここでは原本のカバーを出しているが、このあと日本語版のカバーをみると、よくわかっていただけると思う。

この点で、今年のベスト5本に入るのは厳しいな...
惜しいねえ~

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本日の朝刊に、衝撃的な記事が!
今のままでいくと、2040年代に成長率がマイナス 0%代 に転じる、と。
50年後の日本経済を議論する政府の「選択する未来」委員会が発表したもの。


一方今年5月にも、ショッキングな発表があった。
そのタイトルは「消滅都市可能性都市896のリスト」

その著者を中心としたのが、この本。
タイトルも、これまた衝撃的...
「地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減」
だが当ブログ的には、それくらいの危機感がなければいけないという基本認識。



読み出すと、さらにぐっと刺さるキーワードが!

それは「極点社会」

自然人口減だけでなく、若年層の大都市への人口流出が続くことによって、地方では加速がつく。
その数値はなんと、最大8割以上の「社会減」!
人口のブラック・ホール現象、という表現さえ登場する(汗)

こうなってくると、前からよく議論されている「道州制」も一気に現実味を帯びる。
普通の発想レベルの「守りのコンパクト化」ではこの現実に全く対応できないだろうからだ!
とはいえ、「攻めのコンパクト」も非常に困難なのは間違いない...


当然出てくるだろうとは予想していたが、やはりあったのが東京オリンピック2020への言及。
東京圏を世界有数の国際都市としてアピールするのは勿論のこと。
「高齢化」のみならず「人口減少」にも対応した先進的な取り組みを発信する機会にせよ、というのも予想の範囲。
だったので、このパートは正直刺さらなかった。


一方、北海道をネタに、日本の縮図として提案を仕掛ける第5章。
ここは実に面白い。
未来日本の縮図の例として、北海道の市町村の人口構造統計を重層的に分析し、将来の人口ビジョンを示す。

続く第6章もさらに面白い。
地域が生きるモデルとして、若年女性人口増加率が上位の市町村BEST 20をベースに分析。
6つのパターンを提示している。

・産業誘致型
・ベットタウン型
・学園都市型
・コンパクトシティ型
・公共主導型
・産業開発型


続く章× 3は、対談。

結論:
日本の国の良くもあり悪い特性として、ヤバいことの「先送り」体質があるのではと思う。
この本を読むと、これまで過小評価したくなる「人口急減」という問題が真に迫る点で、必読では?

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まずテレビってそもそも、我々とどんな関係性を有しているのだろうか?
最終章にまとまった表現があるので以下、引用。

我々は身近な存在であるテレビについて、ほかのどのメディアより知ってるつもりだが、
近い存在であるゆえに俯瞰して観察できないという盲点もある。
またテレビは自らが存在する社会と文化に根底で結びついているために、ヒトはテレビ
文化に慣れてしまうとそれがテレビというものだという先入観にとらわれやすい

この指摘は確かに!と思わせる。
そしてこの先入観領域になぜこの本が踏み込めたのか?
それはこの本の作者は、本国とは全く異質な日本のテレビに魅せられた韓国人 黄 菊英氏だから!
共著の 太田 省一氏、長谷 正人氏と日本のテレビを分析・分解を試みている。

実は韓国ではテレビは「バカの箱」と、呼ばれているそう(笑)
そして日本のテレビを観察するうちに気づいたのが、日本のテレビにはなぜか韓国のそれにはない「緊張感」があること!
そして友達に言われてハッとする。
「なんでテレビにいちいち答えているの?」
そう、日本のテレビには異様に多くの「?」「?」「?」が詰め込まれていたのだ。


その原因の主因は本のタイトルにもある、クイズ番組の異様な多さ。

そしてクイズ番組を分析・分解していくうちに、いくつものキーワードが登場してくる。

・「同時性と同時刻性」 後者は過去の現在化、ということ
・時間との闘いにおける緊張感の演出
・「間」の強調とサスペンス
・出演者のキャラクター化 
 「おバカキャラ」「ボケ or ツッコミ」キャラ
・情報を意図的に「秘密化」

  etc… お~そうだよね!的な指摘の連発!


さらに!
クイズ番組だけでなく、他のジャンルもクイズに浸食されているという指摘に発展する。

「バラエティ番組」はクイズ番組のようなものだが、「ニュース番組」にさえも入り込んでいる、と言う!
確かにおもいっきりテレビから始まった「めくりフリップ」は、各ニュース番組で煩雑に登場している。
さらに生中継が中心で「同時性」が売りの「スポーツ番組」でさえ、「同時刻性」が浸食?
その浸食は流石に、1日のスポーツまとめ番組でのことだったので、ホッと(笑)


また日本と韓国のテレビ方式の違いが日本独特のCM文化を生んでいる、という指摘が。
それは、「山場CM」のこと。
番組のクライマックスで、答えはCMのあと!と噛まされるアレ。
なんと韓国では番組の前後にはCMは存在するが、番組中にはCMは一切流れないとのこと!
この「山場CM」について、番組ジャンル別、4か国別で分析している。
こんなデータ分析をみたのは間違いなく初めて。


というわけで、確かに冒頭で取り上げた通りだなと。

ヒトはテレビ文化に慣れてしまうとそれがテレビというものだという先入観にとらわれやすい

結論:未近なはずのテレビを、新鮮な視点で切りまくる 良著!


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なぜサッカーが好きかと問われれば、ざっと3の理由に集約される。

それは、
1.純粋にサッカーのスリルに惹かれる
2.サッカーの世界観が、ワールドワイド標準とは何かを教えてくれる

そして、
3.サッカーの育成が、自分の「別スポーツ」でのコーチングに大変参考になる、こと。


という3.の視点で、この本はツボに入りまくる!

日本代表 Uー17で実施されたある方針から発生した選手起用の急激な変化。
それは、ボランチ × 8人 プラス センター × 2、という特集極まるチーム作り。
その結果、起用されなくなる個性豊かな選手が大量に発生したのだ!

そして、彼らの選んだコースはどっちで、何が正しいか。
答えは正直ない、が、もがき続けるしか、ない。

高校 → Jリーグ? そして生ずる「雇用のミスマッチ」

大学 → Jリーグ? 彼らは高卒5年目?
年収の縛り480万上限のルールが、パラドックスを生む?
480万円のバックアッパー化?
そしてその隙をついたのは...

育成年代に精通した著者ならではの現状把握、そして問題提起が刺激的。


その凄みは、選手それぞれの紹介に、くっきり現れる。
紹介されている選手たちは(登場チーム順、基本)、

【J1】
杉本 太郎、赤崎 秀平(鹿島アントラーズ)
杉森 考起、青木 亮太、小屋松 和哉、松田 力(名古屋グランパス)
宮原 和也、高橋 壮也、川辺 駿、皆川 祐介、茶島 雄介(サンフレッチェ広島)
平岡 翼、松田 陸、圍 謙太朗、武藤 嘉紀(FC東京)
酒井 高聖、小泉 慶(アルビレックス新潟)
中谷 進之介(柏レイソル)
吉丸 絢梓(ヴィッセル神戸)
内田 裕斗(ガンバ大阪)
関根 貴大(浦和レッズ)
金子 翔太、高木 和徹(清水エスパルス)
谷口 彰悟、可児 壮隆(川崎フロンターレ)
二見 宏志(ベガルタ仙台)
泉沢 仁(大宮アルティージャ)
藤島 栄介(サガン鳥栖)
下田 北斗、稲垣 祥(ヴァンフォーレ甲府)
奈良輪 雄太、天野 純(横浜fマリノス)

【J2】
オナイウ 阿道(ジェフユナイテッド千葉)
石田 雅俊(京都サンガ)
永井 建成(ロアッソ熊本)
内山 裕貴、工藤 光輝(コンサドーレ札幌)
高木 大輔(東京ヴェルディ)
宮市 剛(湘南ベルマーレ)
小川 大貴(ジュビロ磐田)
広瀬 陸斗(水戸ホーリーホック)
表原 玄太(愛媛FC)

【J3】
安藤 輝(福島ユナイテッドFC)


そして日本だけでなく、やってきた黒船。
ここにもフォーカスがあてられ、

【ドイツ】
丸岡 満(ドルトムント)←昨日のFoot!に出演!
長澤 和輝(ケルン)

という具合で、アンダーの代表や、新設J3で見かける名前も多い。
とは言うものの、半分も解らない... が。


さらに面白さに輪をかけるのが、
個々の選手にかけられる愛情たっぷりの「一言コメント」
これらが、あまりに面白いのだ!

「ゴリラみたいな奴ですよ」
「変人ドリブラー」
「鮭の希少種」
「不思議な主将」
「出雲の機関車」
「伝説の遅咲きレフティ」
などなど...

恐らく、担当コーチからヒアリングし聞き出す能力が抜群、なのだと類推する。
コーチが選手にかけている愛情を、適切に文章化しているのだろう。


他に自分のコーチングに役立つかもなフレーズも、以下メモ。
「身長が止まってから本当の実力が出る」
「使わない選手は、放流する」=「戦略的放流」
「Jユースの高校サッカー化」...
「可愛い子には、旅を勧める」
痺れるフレーズばかり!

結論:
これからJを観る時、上記の選手たちを探し、彼らの状況を知り、そして物思うだろう。
2014年の新加入選手をベースに、日本あるべき「世代強化」は何かを考えさせる一冊!
今年の読書本ベスト5入りは、固い。

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まず一言。
「タイトル、長過ぎっ!」(笑)


もとい、
15年間シニアビジネスにかかわり、第一人者である筆者が、惜しげもなくノウハウを伝える。
面白いフレーズがたくさん登場するので、以下メモ。


シニアの消費のトリガーは「年齢」ではなく「変化」

シニア市場は、顧客価値で括られる多様なミクロ市場の集合体である

市場調査ではシニア市場は見えてこない

団塊世代は、団�壊�世代

財布のひもが緩むカギは「解放段階」と「家族との絆」

重要なのは「お金の報酬」より「心の報酬」

シニアビジネスの基本は、「不(不安・不満・不便)」の解消

商品を売る側が「顧客を勇気づけよう」とすると商品が売れない

アウトバウンドより、インバウンド

なかなかに刺激的なフレーズを浴び、なかなかに満足。



一方で...
本書の内容は、前著『シニアシフトの衝撃』と全く同じであるという指摘もあるには、ある。
そっちを読んでなくて良かった(笑)






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当ブログは5月にシカゴで実施されたコーズ・マーケティング・フォーラムに参加した(過去ログ参照)
内容はざっと、

· Evolving Your Cause Marketing
· 1 on 1 Consulting
· Opening Plenary
· Special Interest Groups
· Opening Reception~Dinner~Party
· Golden Hallo Award For nonprofits
· Good going Glabal
• Mobile,Degital, Social, what`s the scoop?
• The Future of Gaming and Cause marketing

という具合で内容満載だった。
実はこの本の著者の1人デビッド・ヘッセキエルは、このフォーラムの代表者である。
このイベントの企画から司会までをこなすスーパー・コーズ・マーケティング・マンなのだ!


なので、この本を読み始めて、すんなり入っていける自分に気づく。

上の講演と同様に、この本はアメリカでの成功事例を豊富に事例として上げつつ、蓄積されてきた「グッドワークス」実現のためのノウハウを惜しみなく紹介している。
利益と社会的利益を同時に生み出すのはバランス取りが難しいが、大きく6つのパターンで。
日本語だけだとわかりにくい気がしたので、英語タイトルを先に入れておいた。

1.Cause Promotion(社会的主義主張の促進)
2.Cause Related marketing(社会的主義主張に関するマーケティング)
3.Corporate Social Marketing 企業のソーシャル・マーケティング
4.Corporate Philanthropy企業の社会貢献活動
5.Workforces Volunteering 従業者のボランティア活動
6.Socially Reaponsible Business Practiees 社会的責任のある事業の実践

タイトルだけではイメージつかみにくいかもしれないが、章ごとに豊富な事例が入ってので、実際には理解いただけると思う。


またこの本がいいなと思うのは、最終章。
NPOあるいは公的機関がどういう工夫をすれば「グッドワークス」を実現できるかの提言が×10ある。

結論:この本は、ソーシャル・グッドを実践する全ての人々のための、絶好の教科書。

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野口悠紀雄氏が語る「ビットコイン」

まずは驚きでスタート!
マスコミ報道はウソで、全くビットコインは破綻していない。
あくまでもマウントゴックス=「両替所」が破綻しただけ。
貨幣でいうと、民間の銀行が破綻したのと同じ、とな!

確かに報道を聞くだけでも マウントゴックス≒ビットコイン? ん?
という認識はあった。

が、こうして明確に指摘してもらえると、きっちり目鱗!


さらに脅かされる章が多い。
基本は、仮想通貨の扱いやすさが世の中に変化を次々紹介する社会面からの攻め。
そのへんちょっとメモ。
・現場クレジットカードが料金決済の中心だが、これが変わる
・銀行業務特に国際決済のサービスが可能になるとメリット大
(電子マネーは特定通貨とリンクしているため、上記はできない)
・銀行システムが未発達途上国で発展しやすい(=エムペサ ケニア)

ところが、仮想通貨の可能性を語るうちに、やや過激?と思われる程の議論も。
DAC(自動化された企業)によって、定型業務だけでなく、人事評価、編集ライターの記事評価も自動化される可能性が示唆され、驚いた!

ラストは 古くて新しい問題、自由と信頼のトレードオフ問題に踏み込む。
中央集権的システム(政府) vs 分散型アイデンティティ証明
当然ビットコインは後者になり、ブロックチューンが存在証明を行う。
とてもスリリングな議論!

一方で、前述の内容の落差具合が激しい章も。
どういう落差というと... = とてもテクニカルな内容
電子認証、ブロックチューン、プルーフ・オブ・ワーク他、文系には難解(汗)
著者もそう考えたようで、その一部は補論として最後にまとめられている。

というわけで、野口氏の本にしては章ごとの緩急の違いが面白い。
これは氏の論述の切れ具合ゆえか「仮想通貨」の性質ゆえか?
なんて考えさせられ、興味が尽きない読書、ってなかなか無い!

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