田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

歴女のスケット/奥様はvampire 麻屋与志夫

2009-06-23 06:05:50 | Weblog
奥様はvampire 11


〇「そのことばはそつくりあんたらふたりにお返しするぜ。じゃまなんだよ。あんた

らが」

おう、痛いぜよ。と薔薇の枝でたたかれた傷跡をなめている。

爪をぐいっとひくと剣のようにのびる。

ざっと剣風をともなって切りこんでくる。

わたしとカミサンは後ろへ退った。


化沼高校の二階。

一年B組の教室。

窓から転校生の見園玲加が道路一つ隔てた日曜大工の店Kを見下ろしている。

ただ見下ろしているわけではない。

異常を感じるセンサが稼働した。たしかにおかしい。

広い駐車場に黒い竜巻が発生している。

ただの竜巻ではない。円筒状なのだ。

そして、その中心から殺気がもれている。


これだったのね。ぴぴぴっとわたしの感覚を刺激したの……。

そうわかると玲加は教室をとびたした。

「見園どこへいくの」

「玲加どこへいくのよ」

血相かえて飛びだす玲加に何人かのクラスメイトから声がとぶ。

長い黒髪が五月の風になびいていた。美しい。

玲加の姿はしかしもうそこにはなかった。

校庭を走っている。

校門を出た。

黒い竜巻はない。

円筒状の異空間がある。飛びこむ。

「やつぱり美智子おばさまだぁ。」

「神代寺の歴女クラブの玲加さんじゃないないの」

「なにおとぼけだぇ。スケットを呼ぶということは、徹底抗戦の気が前とみたよ、

麻生の千年ババァ」

「美智子おばさまのこと……。そういうあなたはゆるしませんよ」

「ひとまずひく。あとがこわいからね」


「こんなにはやくきてくれるとはおもわなかった」

「うちに下宿したらいい」

転校してきたばかりで、まだ土地カンのない玲加にGGはすすめた。

カミサンは薔薇の鉢植え、ゴールドバニーを買ってごきげんだ。

       

       

       

玲加はカバン一つで早退してきた。
 
歴女という言葉はまだあまり知られていない。

歴史に興味をもつ女性のことだとGGは解説された。

カミサンが薔薇園の父を訪ねた時に今日あることを予期してスケットを頼んでおい

たのだ。さきほどの身のこなしから見ても相当の戦力になる。

「だったら、この化沼は興味津津だ。ここには那須野が原の九尾の狐、玉藻の前伝

説がある。そして出来上がってしまった伝説ではなくこれからいくらでもフイルド

ワークで掘り起こせるおもしろさがある」

「わあ、ぞくぞくするな。歴史発見ね」

「それにね、ここは化沼。化生の悪霊、人狼――今風にいうなら吸血鬼。わたしに

いわせれば、BK(ブラックバンパイア)の拠点が奈良のむかしはからあるのよ」

「ますますカンゲキ。歴女クラブの友だちにはしたらジラシーものね」
 


●奥さまはvampireをよりよく理解していただくために、カミサンのプロク、mima

の「猫と亭主とわたし」もぜひぜひご愛読ください。わたしがどういう環境でこの

小説を書いているか…‥さらに興味がわくことうけあいです。





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