田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

魔闘学園  麻屋与志夫

2008-10-04 08:38:17 | Weblog
18
  
「三津夫。アタシ。アタシ……ダメミタイ。力がぬけていく。また生まれかわったらいっしょに戦おううね」

「なにをいうんだ。ケイコ。ケイコ。おれたちはめぐり会ったばかりだぞ。前世の記憶に目覚めたばかりだぞ。こんな吸血鬼のヤロウどもに、やられてたまるか」

「おや、ままだそんなことがいえるほど元気なんだ。でもいつまでつづくかな」

Dが白い牙をむいてニタニタたのしんでいる。
牙がおおきく迫ってくる。

三津夫はケイコをかかえこんだ。
じぶんの体てケイコにくいこむ牙をふせごうとしていた。

それだけの力しか残っていない。

身をもって愛しいケイコを救うことしかできない。

Dと闘う力がほしい。

「番長。バンチョウ」
「三津夫さん」
番場たちも傷ついている。
体中傷だらけだ。
最後の気力。
根性をみせて戦いながら三津夫のまわりに集結した。

「おにいちゃん」
タカコの声もする。

吸血鬼の牙が迫ってくる。

タノシソウダな。
ヤッラたのしんでやがる。

バリ、バリバリ。

音がする。

上空だ。

ヘリだ。

輸送用の大型ヘリだ。

ロープがたれさがる。

カーキ色を基調とした迷彩服を着ている。

戦闘服だ。

兵士が雨垂れが樋をつたうようにすべりおりてくる。





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