田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

清流

2007-06-12 12:16:42 | Weblog
6月11日月曜日
●街中を流れるk川が清流であると6月7日のブログで書いた。ところが、この川の上流、o近辺はさらに水質汚染がなく澄み切っている、と鮎つりの好きな人に教わった。
●わたしは今から10数年前この流れと流れが合わさる場所の土手にすわって水質の違いをぼんやりと見ていたことがあった。わたしは、子供のころ蚕を飼ったことがあつたのを思い出していた。
家からこ一時間、毎朝桑の葉を取りに通ったものだ。
いくらでも桑の葉を取れるのがうれしかった。そこに、少年の日の思い出いっぱいの土手に、還暦を迎えたわたしは座っていた。小説を書くのに行き詰まり苦しい時期だッたったる。
大病をした後だった。
戦後生まれで初めて芥川賞を受賞したNが郷里の病院で死んでいった。わたしも病気だったので葬儀には出られなかった。
時折小説を書いていた「月刊小説」が廃刊になっていた。
陰の極といった境遇が続いていた。小説を諦めて俳句を始めようかと真剣に考えていた。わたしは土手に座って永田耕衣の一句をぼそぼそと口ずさんでいた。
 少年や六十年後の春の如し                        
渇水期のことでk川は流れるともなく流れていた。風が吹くと川はさざ波を立てていた。川の流れが遡行しているように見えた。
過去と未来の狭間にいた。                         
●あの時小説を書くのを断念しなくてよかった。 
ブログを始めてよかつた。雑誌発表と違う。翌日には訪問者数がわかってしまう。コメントがとどく。驚きだ。ただ一人、密室のような書斎にこもって売れるかどうかわからない小説を書いてきた。そうしたことともお別れだ。書き続けるモチベーションと成る。


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