田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

パパラッチを探せ  麻屋与志夫

2010-01-27 06:36:29 | Weblog
part2 パパラッチを探せ 栃木芙蓉高校文芸部

12

「Blessed are those who have not seen and yet have believed.」
「わかるようにいってよ」
 敬介はパニックからたちなおった。
 生きてここからでられそうだとおもうと気がつよくなった。
「高校生がこれくらいの英語がわからないのか。
ああ、嘆かわしい。見ずして信ぜしものは、幸いなり」
「この世に吸血鬼がいるなんて、見たって信じられないシ」
「ヨハネによる福音書CHAPTER 20……」
「もういいって。それで、ようってなんでヤ」
 やはり緊張はしている。栃木弁がでた。
「隣の部屋にいくベヨ」
 カラカワレテいる。にたにた乱杭歯でわらっている。
「歯をみせないほうがかわいいヨ」
 
 プロジェクターが準備されていた。
 啓介のカメラが接続されていた。
 スクーリンに啓介の撮った写真が大写しになっている。
「これは? だれだ」
「うちの番長だよ」
「下野高の影番ともめた男だな。次は」
「これは?」
 巴波(うずま)でジャガイモ焼きそばをたべながらみんなでVサインできめたシヤシンだ。 
 敬介は口をぱくぱくやっている。
「そんな。信じられない。そんなこと……」
 文子だけが、映っていない。
「そんなバカな」
「なにぼそぼそいってる。ああ、嘆かわしい。おれに聞こえるようにはなせ」
「大沢!!!」
 大声でとなりながら下館が部屋にはいってきた。
「聞こえすぎだよ。なんだ? タトゥの店でなにかあったのか!?」

「監察官のおでましよ」
 部屋の奥の扉が開いた。
 文子の影が映っていない事実。
 ……に気づいて驚愕してい敬介は……。
 彼女を目前にして口をぱくぱく。
「あらよかったわね。奥本クン。元気だったかヨ」

 文子の言葉の乱れに。
 後ろからはいってきた龍之介が。
 ダット肩をさげてコケホーズ。
      にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説
one bite please 一噛みして。おねがい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿