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外で車の出ていく音がした。
里佳子が母を迎えに鹿沼に向かったのだ。
里佳子のすばやい行動。
リアクション。
彼女もこの悪意の波動を感じているということだ。
わたしの妹だから。
わたしと同じ家系伝説の中で育ったのだから。
外からくる害意を敏感にとらえている。
母が心配になりとびだしていったのだ。
ドアでチャイムが鳴っている。
「なにか、忘れ物でもしたのかしら」
「わたしがでます」
深夜の来客は、隼人だった。
キリコからの連絡で駆け付けたのだ。
美智子を眩しそうに見ながら訊いた。
「美智子さん。
教えてくれないか。
大切なことだ。
直人さんからあずかっていたものはないのかな?」
「直人が残したものといっても……。
一眼レフと……取材ノートくらいかしら。
でも……かわったこと……書いてなかった」
「ノート見せてもらっていいかな」
「いいわよ」
美智子は隠しごとをしている。
と咎められた子どものような。
身振りをした。
直人のノートにはセロテープでキーがはりつけてあった。
どうしてこんな重要なこと。
もっと早く見せてくれば。
話してくれれば……。
と。
美智子には直接いえなかった。
隼の表情に、美智子が気づいた。
不安そうにこちらを見ている美智子。
その態度が隼人の言葉を封じた。
じぶんのミスに気づいたらしい。
美智子はだまってしまった。
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里佳子が母を迎えに鹿沼に向かったのだ。
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わたしと同じ家系伝説の中で育ったのだから。
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母が心配になりとびだしていったのだ。
ドアでチャイムが鳴っている。
「なにか、忘れ物でもしたのかしら」
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美智子を眩しそうに見ながら訊いた。
「美智子さん。
教えてくれないか。
大切なことだ。
直人さんからあずかっていたものはないのかな?」
「直人が残したものといっても……。
一眼レフと……取材ノートくらいかしら。
でも……かわったこと……書いてなかった」
「ノート見せてもらっていいかな」
「いいわよ」
美智子は隠しごとをしている。
と咎められた子どものような。
身振りをした。
直人のノートにはセロテープでキーがはりつけてあった。
どうしてこんな重要なこと。
もっと早く見せてくれば。
話してくれれば……。
と。
美智子には直接いえなかった。
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不安そうにこちらを見ている美智子。
その態度が隼人の言葉を封じた。
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