田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

くちなしの花が咲いていた。 麻屋与志夫

2020-07-01 17:37:14 | ブログ
7月1日 水曜日

●ベニマルからの帰りだった。カミサンがふと立ち止まった。君島さんの前庭の隅で身をかがめている。手招きをしている。いい匂いがしている。すぐにわかった。彼女の興味をひく花が咲いているのだ。

●梅雨時のどんよりとした大気のなかで白い八重咲の花がぼうっとうかびあがった。

●さらに近寄る。濃艶な甘い香り漂ってきた。八重咲のクチナシの花。こんもりと咲き誇っていた。

●「きれい」
「いい香りがする」
「きれい」
 ふたりで話し合っていると、君島さんが声をかけてきた。
「切り花にしてあげますよ」

●梔子の花言葉は「よろこびを運ぶ」

●花言葉通りに、すごく幸せな気分になった

●いつもの家の屋根。青いシート上に二匹のネコがいた。

●クチナシの花と猫を見たよろこびを家に持ち帰った。



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