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二階はかなりの広さがある。
体育館のような空間がそこにはあった。
目くらましだ。
建物の外観からみてそんな広さがあるわけがない。
数十倍も広くかんじられるのだ。
みように歪みが、現実よりひろくみせているのだ。
頭痛がする。あたまに金属音がする。危険信号だ。
翔太はへたりこみたいのを必死でこらえている。
どこからか幽冥の光のような陰気で弱々しい明かりがさしている。
濃い乳白色の霧が流れこんできた。
霧は渦をまき、しだいに人型を形成する。
声がする。日本語だ。だがどこかおかしい。
「いらっしゃい。歓迎します」
「いらっしゃい。歓迎します」
冥府の底からきこえてくるような陰鬱な声。
とぎれとぎれの声。
翔太には凝集した霧の中にだれかいるようなのだが視認できない。
もどかしい。そして鳥肌だっている。怖いのだ。
姉の死を契機に覚醒した。
それ以前のまだ能力に目覚めず――。
なにか周囲にいるような感じだけで――。
V視認できずにいたころにもどつてしまつたようだ。
両側にいる。前後にもいる。
すっかり取り囲まれた。
「なにごようですか」
「なにごようですか」
普通の人は、なにも見えないから安心して生きていける。
この世のものではない者をみてしまったら……。
平然とは生きていけない。
見えないほうが幸せなのだろう。
だが翔太には見る能力がある。
それがいま発動しない。だから怖いのだ。
見ることができない。
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓
ああ、快感。
二階はかなりの広さがある。
体育館のような空間がそこにはあった。
目くらましだ。
建物の外観からみてそんな広さがあるわけがない。
数十倍も広くかんじられるのだ。
みように歪みが、現実よりひろくみせているのだ。
頭痛がする。あたまに金属音がする。危険信号だ。
翔太はへたりこみたいのを必死でこらえている。
どこからか幽冥の光のような陰気で弱々しい明かりがさしている。
濃い乳白色の霧が流れこんできた。
霧は渦をまき、しだいに人型を形成する。
声がする。日本語だ。だがどこかおかしい。
「いらっしゃい。歓迎します」
「いらっしゃい。歓迎します」
冥府の底からきこえてくるような陰鬱な声。
とぎれとぎれの声。
翔太には凝集した霧の中にだれかいるようなのだが視認できない。
もどかしい。そして鳥肌だっている。怖いのだ。
姉の死を契機に覚醒した。
それ以前のまだ能力に目覚めず――。
なにか周囲にいるような感じだけで――。
V視認できずにいたころにもどつてしまつたようだ。
両側にいる。前後にもいる。
すっかり取り囲まれた。
「なにごようですか」
「なにごようですか」
普通の人は、なにも見えないから安心して生きていける。
この世のものではない者をみてしまったら……。
平然とは生きていけない。
見えないほうが幸せなのだろう。
だが翔太には見る能力がある。
それがいま発動しない。だから怖いのだ。
見ることができない。
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓
ああ、快感。
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