田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

悪臭/吸血鬼ハンター美少女彩音  麻屋与志夫  

2008-08-07 22:29:33 | Weblog
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 教師仲間は外聞をはばかった。
 ひたかくしに隠してきたのだ。
 それをいいことに校長室でご乱行におよんでいた。
 神田が悪意にみちた顔で一歩前にふみだす。
 顔がそばに寄ってきた。
 息が臭い。
 ドブ泥のようだ。
 腐敗の臭いだ。
 そばにいるものを腐らせてしまうような臭いだ。
 乱杭歯をむきだした。
 さらに近づいてくる。
「その生徒をこちらにわたせ」
 吸血鬼の鉤爪がぐっとのびる。
 せまってくる。
 楔が効かないのか??
 彩音はとびのく。
 慶子は背が高いうえにバスケの選手だ。
 習性おそるべし。
 ジャンプしたが上にしてしまった。
 頭を天井にうちつけた。
 痛みではいつくばる。
 その上を麻屋がとびこす。
 神田にまわしげりをかます。
 神田がふっとび壁に激突する。
「オッチャン。ヤルジャン」
「ドウダ。ゲンキガデタカ、彩音」
 これでもくらえ。
 彩音が慶子をかばいながら楔を吸血鬼のふとももにつきたてる。
 ジュっと緑の血がわきでる。
 鱗がケロイドとなって溶けだした。
 にわかづくりの楔が効果ありとみてとると、慶子は元気に起き上がる。
「こんどは、とびはねるなよ」
「わかってるわ」
 慶子が神田に楔をうちこむ。
 神田はぜんぜん怯まない。
 溶けた傷跡もふさがっている。
 いままで相手にしてきた吸血鬼とはパワーが違う。
 能力がはるかに上のランクだ。
 たった一人の神田に三人が圧倒された。
「だめだ、吸血鬼呪縛の呪文がきかない」
 麻屋の朗唱がとぎれる。
「そんなたわごとが、おれに通じると思っていたのか。あまくみられたものだな。

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