【 第2章 】の (2)でNHKが取り上げていたのが、「東京裁判」と「南京事件」でした。
「東京裁判」は、ウイロビー少将とジョージ・ケナン氏の話から、政治的な復讐劇だったことが判明しています。それでもまだ東京裁判史観を大事にし、「日本だけが悪かった」と主張する学者や政治家や官僚がいます。
今回、NHKの報道に協力した学者たちも、その仲間だと思います。少なくとも「東京裁判」には米国人による批判が資料として残されていますが、「南京事件」には根拠となるデータが少ないため、NHKが想像に近い報道をしています。
内容が無いの一つの章を設け、「南京事件」を蒸し返そうとしているところに、NHKの反日姿勢を見ます。事件について古川氏が、陛下の責任を二点を挙げていました。
1. うすうす聞いていたけど、止めなかったというところについては、道義的な批判が出る可能性がある。
2. むしろ、うすうすしか報告が上がってこないという、戦前の軍や、日本の国の体質やあり方を考える材料として考えた方がいい。
東京裁判で利用するために、事件が米国の手で俄に作られたと判明すれば、氏の意見は根底が崩れます。またそのような事件が、陛下に報告されるはずがありません。
田中正明氏が書いた『南京事件の総括』が、平成19年に小学館から出版されました。事件に関する証言を集めた貴重な本です。
著者の田中氏の経歴部分を、紹介します。
・松井石根(まつい いわね)陸軍大将が、南京事件の責任を問われ、」「東京裁判で死刑判決を受け、処刑されました。
・著者の田中氏は、松井大将と蒋介石との会談に同席した経歴の持ち主です。
・田中氏は戦前、「大アジア協会 」の機関紙の編集長でした。
・「大アジア協会」は日中両国民の協力を柱とし、アジアの団結と解放を目指すための、活動をしていました。
・松井大将は協会の会長で、田中氏は秘書として仕えていました。
同書の前書きには、出版の目的が書かれています。
・松井大将の処刑への憤りが、田中氏の活動の原点となったが、それは単なる私憤でなく、公憤だった。
・松井大将の名誉を回復することが、国民に刷り込まれた、GHQの政治宣伝の呪縛を解く鍵になるからである。
GHQの情報統制下で氏は懸命に情報を集め、何時か本にして出したいと温めていたと言います。
東京裁判の前に連合国側はニュールンベルクで、敗戦国ドイツを裁判にかけ、ユダヤ人の大量虐殺を糾弾しました。氏は連合国側がドイツを裁いたと同じ形で、東京裁判を行おうとしていると予測しました。
氏は本を書く大前提として次のように考え、松井大将の名誉の回復に自信を持っていたそうです。
・日本には、アウシュビッツはない。
・組織的計画的に、捕虜や他国民を大量に殺害したという事実は何処にもない。
・そこで、彼らが持ち出したのが、「南京虐殺事件である。南京事件は、最初から東京裁判の目玉として扱われた。
「ねこ庭」では、ウイロビー少将とジョージ・ケナン氏の意見を知り、田中氏の考えの裏付けとしました。
・連合国がやったのは、日本軍が中国大陸及び東亜の諸国において、いかに非人道的な犯罪行為を行ってきたかを、徹底的にプロパガンダすることである。
・これによって、日本の伝統と文化にダメージを与え、日本人の愛国心を抹消し、日本民族の再起の芽を摘み取ることである。
裁判の不公正さは、検察側が証言台に立たせた証人によって、当事者には分かっていたそうです。検察側は、南京事件を証言する連合国側の証人だけに話をさせ、事件を否定する日本側の証人は、証言台に立たせませんでした。
米国側の証人、口述宣誓書、証拠書類は、以下の通りです。
[ 南京事件の証人 ]
1. 米人牧師 ジョン・マギー
2. 米人医師 ロバート・ウイルソン
3. 金陵大学米人教授 マイナー・ベイツ
4. 中国人 許伝音、尚徳義、梁廷芳、五長徳、陳福實
[ 南京事件の宣誓口述書 ]
1. 米人ジョージ・フィチの宣誓口述書
2. 米人ルイス・スミス博士の宣誓口述書
3. トーマス・モロー大佐が、裁判直前に南京で集めてきた、8通の宣誓口述書
4. 他、数十名の中国人の宣誓口述書
[ 南京事件の証拠書類 ]
1. 南京地方院検察署 敵人罪行調査委員会による、調査報告書
2. 東京裁判への証拠提出のため設立した機関による、調査報告書
合わせて、66通に上る調査報告書
次回は、証言を求められなかった日本人の意見を、紹介いたします。