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「学びの庭」での生きた勉強 - 8 ( 禍い転じて福となす )

2023-03-26 18:37:04 | 徒然の記

 ウィキペディアを元に、礒崎陽輔氏に関する情報を紹介します。

  「1957 ( 昭和32 ) 年生まれ、65才   大分市出身」「東京大学法学部卒」

  「前職・・国家公務員 ( 自治省・総務省 ) 」

  「現職・・自民党大分支部連合会常任顧問、自民党参議院大分県選挙区支部長」

  「所属政党・・自民党 ( 安部派 ) 」

  「安倍内閣で総理大臣補佐官、国家安全保障会議及び選挙制度担当」

  「参議院当選2回 ・・2007 ( 平成19 ) 年7月 ~ 2019 ( 令和元 ) 年7月」

 略歴は以上ですが、官僚から政界へ移った後の氏の動きを紹介します。やり手官僚の名前にふさわしく活躍し、安倍元総理の目に止まったようです。

  ・2006 ( 平成18 ) 年、自民党の参議院大分県選挙区の候補者募集に合格し、総務省を退職

  ・2007 ( 平成19 ) 年、第21回参議院議員選挙に大分県選挙区から立候補 

  ・選挙戦では、河野太郎、後藤田正純、猪口邦子、片山さつき、佐藤ゆかりらの応援を受ける

  ・民主党推薦の矢野大和、社民党推薦の松本文六、国民新党公認の後藤博子ら4人を破り初当選

  ・大分2区の衛藤征士郎の引き合いにより、清和政策研究会に入会

  ・2012 ( 平成24 ) 年4月27日、自民党が「日本国憲法改正草案」を策定・公表。礒崎は起草委員会事務局長として条文作成に参加

  ・同年9月の自民党総裁選挙で、安倍陣営の選対・参議院事務局長、同年10月、参議院文教科学委員長就任

  ・同年12月、第二次安倍内閣で総理大臣補佐官(国家安全保障会議及び選挙制度担当)に抜擢

  ・2013 ( 平成25 ) 年、第23回参議院議員選挙に自民党公認で大分県選挙区から出馬し、新人4候補を下して再選

  ・2014 ( 平成26 ) 年1月、内閣法の改正に伴い、内閣総理大臣補佐官(国家安全保障に関する重要政策及び選挙制度担当)の発令を受け、初代国家安全保障担当内閣総理大臣補佐官に任命

  ・同年12月、第三次安倍内閣で内閣総理大臣補佐官(国家安全保障及び選挙制度担当)に再任

 平成24年の自民党・「日本国憲法改正草案」に、氏が事務局長として参加しているとは気がつきませんでした。一連の流れを読みますと、安倍元総理が氏を重用し、それに応えている氏の姿が浮かんで来ます。私が注目したのは、次の説明です。

  ・2014 ( 平成26 ) 年11月26日、自民党はテレビ朝日『報道ステーション』(11月24日放映)のアベノミクスに関する報道がおかしいとして、「公平中立な番組作成」を要請する文書をテレビ朝日に送付

  ・文書が送付された11月26日、礒崎も総務省放送政策課に電話し、放送法4条が規定する「政治的公平性」について同省に説明を求めた

  ・その後も礒崎は、政治的公平性の解釈変更を総務省側に迫り続けた

  ・2015 ( 平成27 ) 年5月12日、高市早苗総務大臣が公式の場で初めて、政治的公平性の解釈変更を示唆する発言を行った

 ウイキペディアの説明文が、いつの時点で加筆・修正されているのか不明ですが、悪人の印象を強めた叙述には注意が必要という気がします。酷評される人物には、されるだけの理由がありますが、必要以上の酷評は事実を歪めます。安倍元総理に共感し「日本国憲法改正草案」に関与していたとなれば、それだけで反日勢力のターゲットになりますので、この点を考慮しながら説明の続きを紹介します。

 「文書の中には、総務省の官僚に対して、下記のようにきわめて威圧的な口調で命令し、当時の安倍晋三総理の威光をことあるごとにチラつかせる礒崎氏の言動が克明に記されている。」

 高圧的口調の命令とされているのが、次の発言です。

  「何を言っているのか分かっているのか。官房長官に話すかどうかは俺が決める話。局長ごときが言う話では無い。」

 「俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあ済まないぞ。首が飛ぶぞ。もうここにも来ることができないからな。」

 「この件は俺と総理が二人で決める話。」「官邸の構造論を分かっておくように。」

 発言自体はこの通りでないかと思いますが、これは敗戦以来と言われる、旧自治省と旧郵政省の根深い対立が言わせた、売り言葉に買い言葉の中での発言ですから、同省内の事情を省略した「切り取られた言葉」です。

 それでも次の説明を読みますと、ウィキペディアも礒崎氏の意見を併記しており、偏らない姿勢を崩していません。

 「礒崎氏は3日にした自身の投稿で、〈 首相補佐官在任中に、政治的公平性の解釈について、総務省と意見交換したのは事実だ。政府解釈では分かりにくいので、補充的説明をしてはどうかと意見した 〉と指摘。」

 「〈 数回にわたって意見交換し、それらの経緯も踏まえ、総務相が適切に判断した 〉と記した。 」

 「〈 この件は俺と総理が2人で決める話 〉との発言について礒崎氏は、〈 総務省が『官房長官にも話をすべきだ』と言ってきたから、『それは私の仕事ではない。総務省の仕事だ』と伝えたものだ 〉と説明。」

 「資料が実際の内部文書かどうかの評価は避けつつ、文書漏えいなら〈 公務員の懲罰の対象となる可能性がある行為だ 〉と、氏が記した。 」

 息子たちのため、小西議員が主張している「放送法の解釈変更」の内容を説明しておきます。

 〈 1. 放送法における従来の「政府解釈」 〉

  ・ 放送の政治的公平性については、「一つの番組でなく番組全体を見て判断する」

 〈 2. 放送法における補足的「政府解釈」 〉

  ・ 放送の政治的公平性については、「一つの番組でも判断できる」

 小西氏というより、共産党以下立憲民主党などの野党は、2. の「政府解釈」を単なる補足説明でなく、憲法違反の「解釈変更」であり、礒崎氏が主導したと主張しています。

 放送の政治的公平性の政府見解について、私だけでなく多くの人が今回初めて知ったと思いますが、そもそもこの見解が常識を外れています。番組が政治的公平性を持っているかどうかは、その当該番組で判断するのが常識です。それを番組全体で判断すると言う曖昧な基準にすると、あってないような基準になります。「全体」とは、1ヶ月なのか一年なのか、その期間内に政治的公平な番組が一度でも放送されるとOKになると言うのなら、びっくりするような基準です。いい加減としか言いようがありません。

 NHKのドキュメント『昭和天皇 「拝謁記」』や『緑なき島』という犯罪的番組が堂々と放映されている理由が、やっと分かりました。安倍元総理と礒崎氏がやろうとしたことは、国民の目から見れば常識の話で、国民に知らされていなかった「政府見解」の方がおかしかったのではないでしょうか。

 敗戦以来の対立関係にあったとはいえ、元郵政省系の総務官僚が、元自治省系の礒崎氏を破滅させるため、総務省の内部文書を立憲民主党に渡したと言うのですから、大きな問題になります。

 結果として立憲民主党は、敗戦以来封印されていた「パンドラの箱」を開けてしまいました。開けた当事者である民主党も、国民周知の問題となった状況を見て驚いているのではないでしょうか。しかし私は、「禍い転じて福となす」という言葉があるように、これを機に、日本再生の出発点が来たと言う気がしています。

  ・大分参議院補欠選挙には、どういう意味があるのか。

  ・礒崎陽輔氏とはどういう人物なのか。

  ・総務省内の元郵政官僚、元自治省官僚の対立とは、どういうものなのか。

 予定していた二つの紹介が終わりましたので、次回は最後の項目に関する情報を紹介いたします。

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