ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

日本のエネルギー問題 - 13 (東京財団政策研究所の情報 )

2022-01-20 18:22:01 | 徒然の記

  平沼氏が所属する「東京財団政策研究所」は、非営利・独立の民間シンクタンクとして、外交・安全保障、経済・社会保障、環境・社会分野の政策提言や、普及活動を国内外で実施しています。

 ネットでは、次のように説明されています。

 「急速にグローバル化する世界において、人類の直面する地球的諸課題を解決し、」「知的貢献のリーダーシップを取ることを目指し、」「ボートレース業界の総意により、日本初の世界レベルの独立的シンクタンクを目指し」「平成11年に、国土交通省により認可・設立された。」

 「平成30年に、〈 東京財団政策研究所 〉に名称変更した。」

 前にも述べましたが、日本財団は「日本船舶振興会」が名称変更した組織です。海洋開発市場で必要とされる技術力の向上や、専門知識を持った海洋開発技術者の育成に取り組んでおり、「東京財団政策研究所」の設立はこの方針に沿ったものです。

 これで、「日本のエネルギー問題」には、国交省とボートレース協会も参加していることが分かりました。

 紹介する同研究所・主任研究員・平沼光氏の意見は、令和3年に、中央公論 3月号にて掲載されたものです。

 「今後日本においても、再エネを主力にしたエネルギー転換の方向に向かうことになるが、」「現状、日本の再エネの普及率は低い。」

 「再エネ普及で先行する欧州では、既に平成30年で、」「発電電力量構成における再エネ比率、30%以上を達成している国も多く、」「EUでは、2030年に57%にまで普及すると推計されている。」「一方日本の普及率は、平成30年の17%にとどまっているばかりか、」「2030年の目標も、22~24%とかなり低い。」

 「これまで地中に埋蔵された天然資源に乏しい日本は、資源の調達を海外からの輸入に依存せざるを得ず、常に資源の供給不安定化におびえてきた。」「一方、エネルギー転換がめざすものは、」「化石燃料依存から再エネ利用に転換し、再生資源を循環させる経済モデルである。」

 「すなわち、"資源調達を輸入に依存せざるを得ない"という、これまで日本にとって、」「圧倒的に不利であったゲームのルールが、根底から覆されようとしているのだ。」

 ここまで読んだ時、私は氏が「メタンハイドレート」のことを示唆しているとばかり思っていました。ところがそれは大きな間違いで、「資源のリサイクル」、「資源の再利用」の話でした。

 「日本は、地下に埋蔵された化石燃料や鉱物資源に乏しくとも、」「地下から掘り出された天然資源の、純度を高めて作られた製品が、」「膨大な量の廃棄物として、地上に蓄積されている。」

 「これは、都市の中に存在する"都市鉱山"とも呼ばれており、資源として位置づけるなら、日本は紛れもない資源国となるだろう。」

  「日本には、再エネを主力化できる十分な資源ポテンシャルと、技術がある。」「先進諸国の中でも、レアメタルのリサイクル、省資源化の高い技術を持つ日本は、」「国内の都市鉱山を、最大限活用することで、」「資源を生み出す資源大国へと、進化するチャンスなのだ。」

 青山繁晴氏に協力しないのが、経済産業省だけでないことが、これではっきりしました。日本財団、 東京財団政策研究所、石油業界、経団連、国土交通省、環境省、文部科学省、外務省など、ほとんどの省庁が、〈再生可能エネルギー〉と〈環境〉分野への投資に向かう「スーパーメジャー」と「国際金融資本」の動きに合わせています。

 今回のシリーズで分かりましたが、「日本のエネルギー問題」の内実は、おそらく青山氏には語れないことばかりです。氏を代弁するつもりで頑張りましたが、マイナーな私のブログでは、多くの人々に知ってもらう役目が果たせませんでした。

 孤軍奮闘する青山繁晴氏の姿を再確認した私は、これからどうすればいいのでしょう。「メタンハイドレート」が、もっと多数の読者を持つユーチューバーの手で、広く発信されたらと願いながら、このシリーズを終わります。

 長い間おつき合い頂き、有難うございました。

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日本のエネルギー問題 - 12 ( 日本財団の情報 )

2022-01-20 13:03:59 | 徒然の記

 「スーパーメジャー」と呼ばれているのは、下記の6社でした。

       1. エクソン・モービル  米国   

    2. ロイヤル・ダッチ・シェル  イギリス、オランダ  

    3. BP ( 旧フリティシュ・ペトローリアム )  英国  

    4. シェブロン  米国      

    5. トタル    フランス      

    6. コノコフィリップス  米国       

 「脱炭素社会」の流れの中で、6社が今後どのように動いていくのかにつき、 「ジェトロ・ビジネス短信」が伝えていることを、第8回のブログでご紹介しました。そこでは、日本財団の動きについても説明していました。

 「日本財団は、日本メーカーと石油メジャーによる〈再生可能エネルギー〉と〈環境〉分野での、」「新たな連携技術開発プロジェクトの、アイディアを募っている。」

 「日本財団は、平成30年5月、世界の主要石油・天然ガス生産大手らが組む、」「コンソーシアム〈 DeepStar 〉と、海洋技術の共同開発のため覚書を締結し、」「日本企業が、これらスーパーメジャーなどと連携して、技術開発を行うプログラムを設置した。」

 本日は、令和元年5月に公表された「日本財団」の資料を紹介します。日本の主要企業がスーパーメジャーと連携し、どのような技術開発に取り組んでいるかが分かります。(  注 1.は、研究テーマ  2.は、参加企業名です。)

 〈  川崎重工業(株) 〉

   1.    自律型潜水ロボットの、海洋石油分野への実用

   2.   Total(フランス)   Shell(イギリス、オランダ)

 〈 (株)島津製作所  〉 

       1.    海底での光通信無線技術の開発

    2.     Shell(イギリス, オランダ)   Chevron(アメリカ)   Total(フランス)

 〈  日本製鉄(株)  〉

   1.   海底ケーブル用の、新型スチールの開発

   2.    Total(フランス)    Chevron(アメリカ)

 〈  日揮(株)    〉 

   1.   天然ガス中のCO2等、高濃度酸性ガスの処理プロセス開発

   2.    Petrobras(ブラジル)   Shell(イギリス, オランダ)   JX石油開発(日本)  Chevron(アメリカ)

 〈  日産化学(株)  〉

   1.   海洋油田の生産効率を向上させるための、添加剤の開発

   2.    Woodside(オーストラリア)      Chevron(アメリカ)

 〈 (株)日本ペイントマリン 〉

   1.   海洋油田での長期防食が可能な、新型塗料の開発

   2.   Anadarko(アメリカ)    Woodside(オーストラリア)  Chevron(アメリカ) Shell(イギリス、オランダ)

 〈  日本電気(株)  〉

   1.   水中での、非接触型給電システムの開発

   2.   Total(フランス)    Chevron(アメリカ)     Shell(イギリス、オランダ)

 〈  三菱重工業(株) 〉

   1.    新型海底ポンプによる、海底原油採取の最適化

   2.   Equinor(ノルウェー)    Chevron(アメリカ)    Shell(イギリス、オランダ)

 

   1.    海洋石油・ガス生産施設における、故障予想モデルの開発

   2.    Anadarko(アメリカ)    Total(フランス)    Chevron(アメリカ)

 〈  横河電機(株)     〉 

   1.   海洋石油開発にかかるパイプラインの詰まりや、腐食を防止するための添加剤注入新技術の開発

   2.   Shell(イギリス、オランダ)    Chevron(アメリカ)

 前回私は次のような、2つの予測を立てました。

   1. 彼らは、自分の影響力を、「日本の石油業界」で確立しようと計画する。

   2. 彼らは、自分の影響力を、「日本の産業界」で確立しようと計画する。

 石油業界には株主として参加し、産業界には研究開発の連携企業として参加しています。国際金融資本家とスーパーメジャーが、日本へ影響力を行使しつつある状況が見えてきました。

 これでは青山繁晴氏が、政界でいくら奮闘しても、「メタンハイドレート」が国民に伝わらないはずです。安倍元総理と頑張っていたと話していましたが、それでも彼らにはかなわなかったと言うことなのでしょうか。

 「日本のエネルギー問題」の森は、深く、大きく、広がっていますが、青山氏を応援するため、もう少し森の中を散歩し、何かの糸口を探したいと思います。

  次回は、東京財団政策研究所の主任研究員である平沼光氏の、意見を紹介します。

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