エネルギーと気候変動をテーマにした、オピニオンサイトがあります。『Energy shift』( エナジーシフト 略称 :エナシフ )という名前です。
関連するニュース、記事などを独自の視点で展開し、ユーザーに寄稿や議論の場を提供していくもので、合言葉は「さよならCO2」だそうです。
会社なのか、何かの団体なのか、ネットで初めて知りましたので、詳しいことは分かりません。今回は『エナシフ』の情報をもとに、話を進めていきます。
「2017 ( 平成29 ) 年の日本のエネルギー自給率は、わずか9.6% 。」「これは、他のOECD ( 経済協力開発機構 ) 諸国と比べても低い水準で、」「2017年時点では、加盟している35カ国中34位でした。」
少し古いデータですが、他に見つかりませんでしたので、日本のエネルギー事情を知るため、『エナシフ』の情報を転記します。
「日本のエネルギー自給率が低いのは、石油・石炭・天然ガスといった資源に乏しいことが主な原因です。」「日本の2017年度の一次エネルギー国内供給のうち、化石燃料が87.4%を占めていますが、」「それらのほぼ全ては、中東やオーストラリアからの輸入に頼っています。」
「国内でもわずかに生産されていますが、国内消費量の1%に未満にすぎません。」
この事情は、5年後の現在でも、マクロ的には変わらないと思いますのでそのまま転記します。
「2018 ( 平成30 ) 年の化石燃料の海外依存度は、原油(石油)が99.7%、天然ガスが97.5%、石炭が99.3%です。」それらの化石燃料は、主に以下の国々から輸入されています。」
1 位 2 位 3 位
原油(石油) サウジアラビア38.2% アラブ首長国連邦25.4% カタール8.0%
石 炭 オーストラリア71.6% インドネシア11.4% ロシア11.1%
天然ガス オーストラリア36.6% マレーシア12.4% カタール12.0%
「日本はこれらの国から、石油・石炭・天然ガスを輸入していますが、」「その分だけ、国内のお金が海外に流れてしまい、経済的に大きな損失が生まれています。」
化石燃料への支払い代金は、日本の資本の海外流出であり、経済損失であるという意見です。資源小国である日本が生きていくため、エネルギーの購入代金は必要経費であると、考えていましたが、そうではないという意見のようです。
「化石燃料の輸入額は、2010 ( 平成22 ) 年の度の約18兆円から、」「2014 ( 平成26 ) 年には25兆円と、約7兆円増加し、」「同年度の貿易収支は、9.1兆円の赤字を記録しました。」
「日本は、石油・石炭・天然ガスといった資源に乏しいため、」「現状は、他国からの輸入に頼るしかありません。」「ですが、これらの化石燃料に依存しているうちは、国内のお金が海外に流れることで、」「経済的にも大きな損失が発生する上、エネルギー自給率も上がりません。」「この問題を解決できる可能性があるのは、〈 再生可能エネルギー 〉の普及です。」
『エナシフ』の意見は、〈 再生可能エネルギー 〉の普及でした。2017 ( 平成29 ) 年といえば、安倍内閣の時の話です。
日本海沿岸の12府県による連合組織である、「日本海連合」が設立され、「日本メタンハイドレート調査株式会社」が設立され、日本近海で盛んに調査研究をしていました。それなのに『エナシフ』は、なぜこれについて触れないのでしょう。日本政府は「スーパーメジャー」の反発を恐れ、官民をあげて「メタンハイドレート」の調査研究を極秘にしていたのでしょうか。
そうだとすれば、マスコミが報道を控え、政治家が口をつぐみ、経済界も学者も評論家も黙っていた理由が推測できます。しかしいかに国家機密とは言え、現在の日本で、政府による緘口令が素直に守られると、誰が考えるでしょう。
ここでまた一つ謎が増えましたが、今は謎を追求せず、『エナシフ』の説明を読んでいきます。
「2017 ( 平成29 ) 年の日本の年間発電電力量は、約70%が天然ガスと石炭による発電でした。」「2010 ( 平成22 ) 年の天然ガスと石炭が、発電電量に占める割合は60%程度で、」「現在より低い水準でした。」
「2011 ( 平成23 ) 年の東日本大震災以前は、天然ガスと石炭だけでなく、原子力も主力電源の一つだったためです。」「純国産エネルギーとされている、原子力を含めたエネルギー自給率も、2010年は20.3%と、現在よりは高い水準だったのです。」
「しかし、東日本大震災後に、原子力発電所の稼働が大きく減ったため、」「エネルギー自給率が、大きく低下しています。」「最もエネルギー自給率が低かった、2014 ( 平成26 ) 年は6.4%でした。」
「こうした中で、国内自給する発電電力量のうち伸びているのが、再生可能エネルギーです。」
「発電電力量のうち、再生可能エネルギー(水力発電を除く)が占める割合は、」「2010 ( 平成22 ) 年には2%でしたが、2017 ( 平成29 ) 年には8%まで伸びています。」「これは2012 ( 平成24 ) 年にFIT制度が施行され、太陽光発電等の再生可能エネルギーを使った発電施設が、増えたことによるものです。」
エネルギー問題を経済面から考え、他国への支払い代金を「経済ロス」と考える『エナシフ』が、「メタンハイドレート」をなぜ一瞥もしないのか。謎を頭の中に置いた上で、次回へと進みます。