ここでちょっと書評を離れ、過去のブログから、当時の日本と韓国の関係を抜書きし、紹介します。内閣総理大臣は、自民党史上最低の総理大臣の一人と言われる、宮澤喜一氏でした。
・平成4年 ( 1992 ) 1月11日、朝日が朝刊1面トップで、「慰安所の軍関与を示す資料」が見つかったと報じた。( 後に吉見義明反日教授の、個人的解釈データと判明 )
・同 1月13日、わずか2日後に加藤紘一官房長官が記者会見で、十分な調べもしないまま軍の関与を認め謝罪した。
・韓国では当時、「職業的詐話師」自称・元山口県労務報国下関支部動員部長、吉田清治による「強制的な慰安婦狩り」発言で、反日世論が強まっていた。
・吉田清治の話を積極的に報道したのが、朝日新聞記者植村隆だった。
・ 加藤官房長官の正式謝罪から、3日後の16日、宮沢首相が韓国を訪問し、盧泰愚大統領に何度も謝罪の言葉を口にした。
・ 平成4年 ( 1992 )、日弁連所属の戸塚弁護士が、「朝鮮人強制連行」問題と「慰安婦」問題を、国連人権委員会に提起し、国連に対応を要請した。
・ 戸塚氏は、慰安婦を日本軍の「性奴隷」と説明したのは、自分だと自慢した。
・ 平成5年 ( 1993 ) 6月、世界人権会議において、「性的奴隷制」という言葉が国連用語となった。
・ アメリカ合衆国下院では、「1993年の河野洋平官房長官による『慰安婦』に関する声明を出し、慰安婦の強制連行に関し日本政府の公式の謝罪を要求した。
ここで述べたいのは、当時の日韓関係が朝日新聞の捏造報道と、これを利用した反日組織日弁連が、国連を舞台にプロパガンダを行い、最悪の時代であったということです。
韓国について述べるのなら、氏の著書で第一番めに来るのは、金泳三大統領の政策でなく、「慰安婦問題」でないかと思います。当時の私は、政治に無関心な会社員でしたが、謝罪しても執拗に批判する韓国政府に、怒りを覚えていました。
「温故知新」の読書もせず、ネットに向かう時間もなかったため、朝日新聞の捏造記事も、日弁連の活動も知りませんでした。民主党の小沢、前原、岡田、野田の各氏を、「保守系議員」と考えていたほど無知でしたが、日本を愛する気持ちだけが変わっていません。
謝罪しても、居丈高に日本を責める韓国への嫌悪が生じていたのは、間違いない事実でした。朝日新聞の記事が間違っているのでないかという噂を、耳にしていましたから、一層韓国への嫌悪が高まりました。
だから私は氏の著作を読みながら、日本国民の最大の関心事を、なぜ最初に語らないのかという違和感を抱きました。氏は項を改め、55ページから67ページにかけ、「慰安婦」問題の説明をしています。
氏の意見を読むと、あるには驚きと怒りで、氏の立ち位置を本気で疑問視しました。当時は朝日新聞や日弁連が、国連を動かし、アメリカ議会を動かしていましたが、そのまま信じて日本を糾弾した氏の姿勢が、今も理解できないままです。
「慰安婦」問題に関する氏の意見は、気持ちを落ち着かせた上で次回に報告します。