ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

1994年 世界は、 - 10 ( 平成4年当時の、日韓関係 )

2020-09-03 13:34:33 | 徒然の記

 ここでちょっと書評を離れ、過去のブログから、当時の日本と韓国の関係を抜書きし、紹介します。内閣総理大臣は、自民党史上最低の総理大臣の一人と言われる、宮澤喜一氏でした。

  ・平成4年 ( 1992 ) 1月11日、朝日が朝刊1面トップで、「慰安所の軍関与を示す資料」が見つかったと報じた。( 後に吉見義明反日教授の、個人的解釈データと判明 )

  ・同 1月13日、わずか2日後に加藤紘一官房長官が記者会見で、十分な調べもしないまま軍の関与を認め謝罪した。

  ・韓国では当時、「職業的詐話師」自称・元山口県労務報国下関支部動員部長、吉田清治による「強制的な慰安婦狩り」発言で、反日世論が強まっていた。

  ・吉田清治の話を積極的に報道したのが、朝日新聞記者植村隆だった。

 ・ 加藤官房長官の正式謝罪から、3日後の16日、宮沢首相が韓国を訪問し、盧泰愚大統領に何度も謝罪の言葉を口にした。

 ・ 平成4年 ( 1992 )、日弁連所属の戸塚弁護士が、「朝鮮人強制連行」問題と「慰安婦」問題を、国連人権委員会に提起し、国連に対応を要請した。

 ・ 戸塚氏は、慰安婦を日本軍の「性奴隷」と説明したのは、自分だと自慢した。

 ・ 平成5年 ( 1993 ) 6月、世界人権会議において、「性的奴隷制」という言葉が国連用語となった。

 ・平成5年 (1993) 8月4日、韓国政府から実態解明にの強い要請が寄せられ、日本政府は関連資料の調査に加え、関係者への聞き取りや現地調査、米国公文書の調査などを含む再調査を行い、結果を公表した。

 ・ 平成7年 ( 1995) 2月、日弁連は「慰安婦」問題について、個人に対する国家補償を行う立法による解決を提言し、国連女性の地位委員会、第4回世界女性会議などに提出した。

  ・ 河野洋平官房長官が、「慰安婦について、募集、移送、管理等、総じて本人の意思に反して行われた」と、「心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる」と謝罪した。( 世にいう、河野官房長官談話 )

  ・ アメリカ合衆国下院では、「1993年の河野洋平官房長官による『慰安婦』に関する声明を出し、慰安婦の強制連行に関し日本政府の公式の謝罪を要求した。

 ここで述べたいのは、当時の日韓関係が朝日新聞の捏造報道と、これを利用した反日組織日弁連が、国連を舞台にプロパガンダを行い、最悪の時代であったということです。

 韓国について述べるのなら、氏の著書で第一番めに来るのは、金泳三大統領の政策でなく、「慰安婦問題」でないかと思います。当時の私は、政治に無関心な会社員でしたが、謝罪しても執拗に批判する韓国政府に、怒りを覚えていました。

 「温故知新」の読書もせず、ネットに向かう時間もなかったため、朝日新聞の捏造記事も、日弁連の活動も知りませんでした。民主党の小沢、前原、岡田、野田の各氏を、「保守系議員」と考えていたほど無知でしたが、日本を愛する気持ちだけが変わっていません。

 謝罪しても、居丈高に日本を責める韓国への嫌悪が生じていたのは、間違いない事実でした。朝日新聞の記事が間違っているのでないかという噂を、耳にしていましたから、一層韓国への嫌悪が高まりました。

 だから私は氏の著作を読みながら、日本国民の最大の関心事を、なぜ最初に語らないのかという違和感を抱きました。氏は項を改め、55ページから67ページにかけ、「慰安婦」問題の説明をしています。

 氏の意見を読むと、あるには驚きと怒りで、氏の立ち位置を本気で疑問視しました。当時は朝日新聞や日弁連が、国連を動かし、アメリカ議会を動かしていましたが、そのまま信じて日本を糾弾した氏の姿勢が、今も理解できないままです。

 「慰安婦」問題に関する氏の意見は、気持ちを落ち着かせた上で次回に報告します。

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1994年 世界は、 - 9 ( 金泳三大統領の政策 )

2020-09-03 06:44:41 | 徒然の記

 氏は著書の中で、1994 ( 平成6 ) 年の世界予測をしています。先に読んだ日高氏は、『1994年世界はこう動く』で、世界の主要国についてバランスよく語っていました。

 しかし落合氏は、韓国・中国に多くのページを割き、欧米諸国への言及はわずかです。ページ数を数えてみますと、次のようになりました。

  1. 北朝鮮を含む韓国・・83 P   ( 金賢姫インタビュー  17 P )

  2. 中国      ・・21 P

  3. 台湾      ・・  4 P

  4. マレーシア   ・・  4 P

  5. カンボジア   ・・ 11 P

  6. オーストラリア ・・  6 P

  7. フランス    ・・  5 P

  8.     ドイツ     ・・  4 P

  9. イタリア    ・・  9 P

   10. ユーゴ・マケドニア・・  24 P

   11. ウクライナ、グルジアを含むロシア ・・36 P

   12. アメリカ・・  22 P

 私のように日本を中心に世界を考え、国別でしか地球が眺められない人間でなく、氏は世界を駆け回る国際人である氏は、国境を重視していません。英・独・仏は、大きな括りでヨーロッパで、アメリカは南北を合わせて叙述しています。東欧西欧を、ヨーロッパとして説明したり、ロシアとの関係で語ったりしています。

 世界は流動的ですから、これでも良いのでしょうが、私には分かりにくい説明になります。氏の区分でオーストラリアは、英連邦の国でなく、アジアになります。オーストラリア自身が脱欧州をかかげ、アジア同化志向をしていますから、それなりの理由があります。

 そんなことを考えながら、韓国の叙述に入ります。当時の大統領だった、金泳三 ( キム・ヨンサム ) 氏の話から始まります。

 「盧泰愚 ( ノ ・テウ ) に代わって、金泳三が大統領に就任した。」「32年ぶりの、文民大統領の誕生である。」「就任前、彼の評価はあまり高くなかった。」「しかし意外や意外、彼は史上最高の支持率を誇る、大統領となっていた。」

 「その人気の秘密は、徹底した〈ピューリタン革命 〉 にある。」「最優先課題である経済再建は時間がかかるとみて、大衆受けの良い、〈 社会の大掃除 〉から始めたのである。 」

 そのターゲットとして、金泳三は次の5項目をあげました。

   1. ワイロ   2. 見栄張り文化  3. 労働規律の低さ 

   4. 過剰消費  5. 不正蓄財

 氏による金泳三大統領と、韓国社会の描写が始まり、私の知らない韓国の姿ですから、息もつかずに読みました。

 「韓国ではソウル五輪を契機として、経済のバブル現象が起こり、」「貧富の差がさらに拡大した。」「一部の富裕層が、ゴルフ場やネオン街で大金を使い、」「海外のブランド品を買い漁ると言う風潮が、生まれた。」「当然、中・底所得層はこれに反発し、」「もっと金をよこせと、賃上げストに走る。」「ストが多発すれば生産性は低下し、競争力はさらに落ちる。」

 「それに加え、極端なコネ社会である韓国は、」「日本以上に、ワイロが横行していた。」「上から下まで、ワイロなしではビジネスが成立しないと言っても、過言ではない。」「こうした傾向が、公正な競争を妨げ、」「経済の活力を削いでいた。」

 氏は、新任大統領として金氏が果敢に実行した政策を紹介します。

   1. 土地所有の公正化と政治家の資産公開。

     就任早々の法相、保健社会相、建設相の三人を更迭し、国会議長が辞職に追い込まれた。

   2. 清貧政権のアピール

     閣僚のゴルフ禁止、昼食の出る会議ではソバを食べる。

   3. ネオン街退治

     ルームサロンへの税率を、20倍に引き上げ検討と発表すると、70%が閉店に追い込まれた。ネオン街の灯が消えた。

   4. 巨大汚職の摘発

     巨額賄賂を受け取ったとして、前政権の超大物政治家三人を逮捕。

  これに対する、氏の意見です。

 「彼のこのようなクリーン作戦は、マスコミから、無血革命という最大級の賛辞を受け、」「女性や若者には、高い支持率を誇っている。」「彼のクリーン作戦に対する私の評価は、次のとおりだ。」

 「この作戦の表の目的は、賄賂の横行、過剰消費、浪費、見栄張り病を退治することにより、」「沈滞した社会の雰囲気を一新し、かつ国民の高い支持率を得ることにある。」

 金大統領の説明がまだ続きますが、ここでも金賢姫のインタビューの時と同じ、違和感を感じました。スペースが無くなりましたので、ここで一区切りとしますが、大事なことなので、息子たちは必ず次も読んでください。関心のある方がおられましたら、「ねこ庭」へ足をお運びください。

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