ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

総理後継者と言われる政治家たち

2017-06-08 13:32:33 | 徒然の記

 安部総理の後継者として、マスコミで語られているのが、石破茂、岸田文雄の両氏です。

「政治家は国民に不人気なことでも、キチンと言わなければならない。」というのが、石破氏の信条ですから、安部総理の憲法改正談話に異議を唱えています。

 平成27年の閣議後の記者会見では、安全保障関連法案の審議をめぐり、「国民の理解が進んでいるかどうかは、報道各社の世論調査の通りで、まだ進んでいるとは言えないと思う。」「あの数字を見て、『国民の理解が進んできた』と言い切る自信が、私にはあまりない。」と話しています。

  今回も、「戦力の不保持を定めた2項を維持しつつ、自衛隊の存在を明記すれば矛盾する。」「整合性をどう取るか答えを出さないまま、改正することに納得していない。」と主張しています。

 自民党の政治家で、安部氏の姿勢を批判するのは勇気がいることですし、憲法改正については正論だと賛成します。また外国人参政権に関する法案についても、氏は反対意見を述べています。

「憲法上の議論が多く残り、国民的議論も成熟していない。」「私は、拙速な法案成立に断固反対する」「憲法上の住民とは日本国民を差すと考えており、多くの疑義がある。」「この問題は国の形そのものにかかわるものであり、憲法のあり方からしても、拙速な法案成立には断固反対していく。」

 これについても、私は石破氏の意見が正しいと思い、賛同せずにおれません。ところが皇位継承については、保守政治家らしくない粗雑な意見です。

「将来的に皇族は、悠仁親王ただ一人になってしまう可能性は否定できず、」「男系男子のみで皇位を継承し続けることは不可能に近い。」「皇室の安定的な継続を考える上で、このことに関する議論を避ける訳にはいかない。」

「旧宮家の復活案もあるが、一般国民として長く人生を送ってきた人物を、皇位継承者とすることは妥当性に疑問がある。」

「皇室が途絶えることは、日本の国体そのものの滅失を意味するものであり、男系男子の皇位継承を基本としつつ、女系天皇の可能性も敢えて追求するべき。」

 石破氏の意見には、おかしな理屈と言いますか、矛盾があります。宮家の復活について、長く一般国民として暮らしてきた人物を、皇位継承者とするには疑問があるという意見です。女系天皇の配偶者となった一般人は皇族となり、御夫婦の間に生まれた子供も皇位継承者となります。

 一般人の子供が皇位継承者となることと、かっての宮家が皇位継承者として復活することのいずれが、国民に違和感を与えるものか、妥当性が高いのか、大いに議論されるべきです。今上陛下と結婚された一般人の美智子様と、皇太子殿下の配偶者である一般人の雅子様が、どれだけ皇室の伝統を破壊し、陛下の尊厳を貶めているのかを見れば、一般人との婚姻がいかに問題が多いか、今は国民の多くが理解しています。

 まして女系天皇ということになりますと、一般人の男子が介入してきます。善良な人柄ならまだしも、奸計と悪意の無頼漢なら、皇室が崩壊させられる危険性が高まります。氏には、なぜご先祖たちが男系天皇を守ってきたのかという、肝心の問題への思考が欠落しています。外国人参政権法案が、国の形そのものに関わるものだと、拙速を戒める氏が、もっと大切な、国の形にかかわる皇室の問題に、どうしてこうも理解がないのか不思議でなりません。

 その上、政治家は靖国神社へ参拝すべきでないというのが持論だというのでは、国を大切に思う庶民の気持ちが分からない、魂の抜けた政治家としか思えなくなります。

 さてそこで、もう一人の総裁候補者と言われる岸田文雄氏です。5月29日の新聞に、宏池会を率いる氏が、故池田元首相の銅像を前にしている写真が掲載されました。宏池会創設60周年の式典とのことで、氏がポスト安部への決意を語っていました。

「安部首相は卓越したリーダーだが、頼り続けてはならず、」「今から力を蓄え、何をするべきか、考えなければならない。」

 課題が山積しているというのに、今から何をするか考えるような人物が、果たして総裁候補者でいいのかと、素直でない私はすぐに反応します。国会での答弁を聞いていても、何を喋っているのか、さっぱり分からない不明瞭さに、うんざりさせられています。

 ネットの情報を調べてみますと、氏の意見は意外とハッキリしていました。「憲法改正賛成」、「集団的自衛権の行使を禁じた、政府の憲法解釈見直しに賛成。」「新基準を満たした、原発の再開に賛成。」「女性宮家の創設に反対。」

  こうした肝心なことを明言しない氏は、果たして総理の器なのだろうかと、首を傾げてしまいます。

 「今の日本の政治において、気になることがあります。」「強いリーダーシップ、米国中心の外交、タカ派的体質が強調されることです。」「それぞれの意義を否定するものではありませんが、要はバランスが大切だと思っています。」

 氏の言葉として紹介されていますが、反日のマスコミが安部総理のリーダーシップや、タカ派的体質を攻撃しているからといって、的外れな反応をしてどうするのでしょう。国の安全保障や歴史の見直しなど、これらはタカ派的傾向と言うより、これから国際社会で、日本が普通の国となるための、普通の動きです。米国中心の外交に疑問を抱くのであるなら、敗戦後の無節操な国民的自己反省への警鐘があってしかるべしと、私は思います。

 

 こうしてみますと、いろいろ苦情はあっても、安部氏の後に、石破氏と岸田氏に総理になってもらいたいと、そんな気持ちにはなりません。利敵行為に明け暮れる反日野党が、毎日国会で国民の嫌悪をかき立てているから、人材の払底した自民党でも、一強政党の地位にいます。いわば民進党や共産党の役割は、安部内閣のための支援団体でしかありません。

敗戦後の日本の歪みが、こんなにも明確になってきた時なのに、国民の選択の幅は一向に広がりません。私はしばらく、ねこ庭の草取りでもしながら、汗を流すといたしましょう。

コメント (8)
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