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最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

2002年SECAD at Dunedin 出席 その13 オタゴの鯨化石

2021年10月13日 | 昔の旅行
Meeting of SECAD in New Zealand, 2002. Part 13. Cetacean fossils of Otago University

 会期中、時間が空くと参加者が標本を見たいとリクエストしていた。ニュージーランドを訪れるのは欧米の研究者にとって簡単ではないし、このころから古鯨類からヒゲクジラとハクジラがどのように現れたのかという問題についての豊富な標本がここに集まってきていたから、そういう標本にみなさん大きな興味を持っていた。約10年前から私は訪れているが、来るたびに新しく重要な標本が増えてくるのには感心していた。Dr. Fordyceは一部の重要な標本をポスター会場に展示して解説しておられた。いくつかのものは、当時未公表であったが、その後記載されたものが多い。

13-1 芦屋層群の鯨に近い種類 2002.12.10
A basal mysticete from NZ

 地下の処理室も公開されていて、時間の許す限り博士が解説をしておられた。ここでは情報公開が広く行われていたのだ。

13-2 鯨化石を解説する博士 2002.12.10
Explanation of fossils

 正面の大柄な人はM. Uhen博士、その左の若い二人は東工大でDNAのレトロポゾンをもとに系統をまとめている院生である。

13-3 鯨化石の討論 2002.12.10
Discussio of fossils

 ここでは、日本の研究者を中心に討論をしている。また、よその鯨化石レプリカも収集してある。

13-4 「セイウチクジラ」レプリカ 2002.12.12
Cast of Odobenocetops

 オドベノケトプスは、頭の先端から下方に出た牙が、顎の下を後方に向かって伸びるという、なんとも奇妙なクジラである。ペルーとチリの中新世の地層から発見され、1993年に記載された。写真は左にあるのが頭骨(右側面)で、写真の上が前方になる。そこから右に直線的に伸びるのが牙。写真では見えないが、外鼻孔は頭の先端ではなくやや後ろに下がった背側に開いている。

13-5 処理室 2002.12.13 
Room for fossil cleaning

 化石処理室も公開されていた。処理は高い技術を持つA. G. 氏が行っていた。残念ながら彼はこの後に不幸なできごとがあって、私が会ったのはこの写真の時が最後となってしまった。

Keywords: SECAD Dunedin Otago Cetacea fossil二次適応学会 ダニーディン オタゴ大学 鯨 化石

Abstract. Part 13. Cetacean fossils of Otago University.
The researchers in the meeting had interests on the basal whalebone whales and also basal toothed whales. On that problem, the Otago University had collected many important specimens at that time. Dr. Fordyce guided even treating rooms in basement floor. There was a cast of Odobenocetops. Miocene peculiar toothed whale with Walrus-like tusks, was displayed.