OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

鰭脚類フィギュア 第14回 岩石

2011年09月23日 | 鰭脚類フィギュア
鰭脚類フィギュア 第14回 岩石

石製の鰭脚類フィギュアは多くない。しかも材料の石の名前は判別しにくい。入手時に産地を詳しく聞いて記録する必要があったのだが今となっては遅い。


トラバーチン 大

長さ13センチの大きなもの。材料は緑色のオニックス・トラバーチンである。オニックス onyx は、縞メノウの事だが、石材としては沈殿物であるトラバーチンの縞状のものもそう呼ぶ。鉱物名としては方解石か。小倉のインポートフェアで中近東、たぶんイランの商人から買ったもの。おなかの右下に大きな欠けたところがあって(写真にも写っている。)値切った記憶があるが、国は確かではない。いずれにしても鰭脚類のいない国なので、そのせいか前肢は犬みたいである。モデルはアシカかな?


トラバーチン 小

長さ5.5センチ。材料は右半分が茶色、左が緑色のオニックス・トラバーチン。入手場所はたぶんどこかのパワーストーン屋さん。産地不明だが上のものと似たところもあるので中近東か?やはりモデルはアシカのようだ。


中国礫質石灰岩 アシカ

長さ8.5センチ。全体に見られる球状のものは、内部に構造がなく、化石ではない。たぶん石灰質の礫岩であろう。腹部下面に数字の6が大きく刻んである。アシカ類のように見えるが確かではない。


中国ウミユリ化石 アシカ

長さ7.5センチ。全体が古生代の石灰岩でできている。石灰岩にはウミユリ茎部の化石がびっしりと入っている。それ以外の化石は見られない。このような石灰岩は中国四川省の石炭紀ぐらいの地層に見られる。この彫刻は1980年代に中国から見えた客人のおみやげで頂いたもの。玉を支えていることからアシカのようであるが、後肢は垂直になっていて魚のような条鰭が刻んである。前肢もヒレになっていない。


白トラバーチン アシカ

長さ6センチ。白から薄茶色の透明感のあるトラバーチン製。下面は大型の機械丸鋸で切断した面をそのまま使っている。産地はわからない。


白石灰岩 アシカ

長さ6.5センチ。黄色みがかった白い石灰岩でできている。石灰岩には化石や構造はみられない。耳が大きくてちょっと変だがアシカだろう。首のたるみはほかにあまり見られない造型。だからアシカ類をあまり見たことのない人の作品だろう。

今回紹介したのは6種6点。通算78種101点。今回で100点を超えた。関係国は前回までの11か国に中近東のたぶんイランが加わる。次回からきれいな鉱物をつかったものを紹介していく。