写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

腸内洗浄

2012年06月16日 | 生活・ニュース

 ちょっと気になることがあって、大腸の内視鏡検査を受けることにした。昨年の6月に同じ検査をしているので、ちょうど1年目の検査となる。何があっても、1年前に検査をやっているので大したことは起きていないと思っていた。
  
 検査の前日は朝からとる食事はきちんと決められている。朝はパン一切れくらいの軽いもの。昼は病院から与えられたレトルトのおかゆとマーボ豆腐、夕はクリームシチュウに無味のパイひとかけらだ。翌日は午後1時の検査まで絶食。その代わり、朝9時から11時までの2時間をかけて、腸内洗浄のために薬液2リットルを15分おきで飲みきらなければいけない。

 2リットルの薬液とは一体何か。腸内に残留している固形物を完全に排出させるための下剤である。薬の成分は クエン酸マグネシュウムが配合されていて、飲んだ水は腸で吸収されることはなく、大量に飲むのは固形物を水流で洗い流すためである。

 さて、検査当日の朝9時になった。2リットルの薬液をまず200ccのコップに注いだ。のどが渇いてもいないのに、薄いレモン味のする水を一気に流し込んだ。15分後に2杯目、30分後に3杯目1時間後に5杯目を飲むと、やっと半分の1リットルがなくなった。空きっ腹に飲むのは力が入らずつらい。

 気を取り直して、後半戦に入った。その辺りから、頻繁にトイレに通う。数回のトイレ通いのころから、固形物はなくなり透明な液体に変わって来る。11時、最後の薬液を飲んだあとは、透明できれいなものに変わり一安心。これで検査が受けられる。

 予約の時間に間に合うよう自転車で出かけた。途中の坂道では力が入らずやっと登り切る。前日とった食事は、1日でわずかに622kcalと表示してあったことを思い出す。自転車をこぐ脚が重いはずだ。検査室に入りいよいよ検査が始まった。若い先生は内視鏡の操作、看護師さんは腹を押さえたり姿勢を変えさせたりしながらカメラを腸に入れていく。

 昨年とは違ってやや難渋している。「はい、腹をふくらませて」「ちょっとお腹を押さえてみて」など指示を出すがスムーズに入らない。15分も経ったころやっと小腸の出口に無事到着。カメラをゆっくりと抜きながら検査をしていく。「はい、まったく問題はありません。お疲れさまでした」で無事終了。

 どっと疲れが出ると同時に検査前の注射のせいでのどが渇いている。自販機に走り、栄養ドリンクを一気に飲み干す。「腹ペコだ、おいしいものを腹いっぱい食べよう」と思うが真昼間だ。大した店は開いていない。結局行きつけのラーメン屋さんに駆け込み、味噌ラーメンと餃子で満腹。腹黒いといわれる腹は、見かけによらず白くきれいであった。