写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

印刷用紙

2007年02月20日 | 生活・ニュース
 先日自費出版した「行くぞ! ハートリー」を初めて手にし、ページをめくっていて気がついたことがあった。

 本の表紙のデザインや体裁のことではなく、原稿の文字のことである。ワープロで20数万字の量のものの編集を終え、エプソンのプリンターで印刷をした。

 それを持って印刷屋に行くと、その原稿を写真にとって印刷用の原版を作り、印刷していく。

 原稿を再加工していくたびに、文字の形は少しずつだが崩れて不明瞭になる。出来上がった本を開き、あるページをめくったとき、黒い塊のような字をいくつも見つけた。

 例えば「裁断機」というように字画の多い字がある。原稿では、字の中に辛うじて隙間を認めることが出来たにもかかわらず、本にすると隙間は少なくなり黒い塊に見える。

 プリンターの性能が悪いからとばかり思っていた。判読出来ないほどのことではないが、見た目が良くない。

 今度同じように本を出すときには、もっと性能のいいプリンターに買い換えようと思っていた。

 ところが今日、プリンター用紙を買いに行った時、はたとあることに気がついた。「細かな文字もシャープに再現」「特殊表面処理によりニジミを防ぐ」と表示した用紙を見つけた。

 大きく「高画質マット用紙・スーパーファイングレード」と書いてある。これを買って帰り、印刷のテストをしてみた。

 本の原稿にした用紙と印刷の出来栄えを比較してみると、驚いたことに雲泥の差がある。字画の多い文字でも、滲むことなく1画1画がしっかりと印刷されている。

 この用紙に印刷して出版すればよかった。今回購読していただいた方には申し訳なかったが、こんなことを初めて知った。

 後悔先に立たずではあるが、ひとついい知恵がついた。素人出版の用紙にまつわる失敗談ではあったが、ヨーシ、今度はうまくやるぞ~。
(写真は、左から、「出版本・本の原稿・マット用紙に印刷したもの」)