写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

メジロペア

2007年02月08日 | 季節・自然・植物
 メジロペア、競走馬の話ではない。メジロのペアの話である。1ヶ月も前、ある人のブログに、庭に置いたミカンにメジロがやって来たことが書いてあった。

 2年前、我が家の庭にもメジロがペアでやって来たことがあったが、昨年は餌も置かなかったせいか、1度も見ることがなかった。

 1週間前から、花水木の枝に半分に切ったミカンを刺して待っていた。ヒヨは直ぐにやって来た。翌日もその後も、毎日ヒヨばかりがひと鳴きしながら飛んできた。

 何も来ないよりはいいが、ヒヨは見ていてかわいいとは言えない。追うことはせずそのままにしていた。

 刺して置いたミカンを調べてみると、きれいに実はなくなっていた。今朝、買い置いている新しいミカンをまた輪切りにして餌台に置いておいた。

 昼食の後、コーヒーを飲んでいた時「おとうさん、来たわよ、メジロが。ほらあそこ」と妻が窓のブラインドの向こうを指差す。

 直線距離でいえば、わずか4mくらい向こうで、1羽のメジロがミカンをついばんでいる。ついばむ時間は短く、ほとんどの時間は周りをきょろきょろと見回している。

 よく見ると、もう1羽が近くに植えたオリーブの小枝に止まっていた。更なる見張り役をしているのだろうか。

 しばらくすると、交代して餌を食べ始めた。阿吽の呼吸で、2羽は役割分担をしながら餌を食べているように見える。

 長い間餌をついばんだと思ったとき、招かざるヒヨがやって来た。チィチィと鳴きながら2羽は連れ添って逃げていった。

 待っていたメジロがやっと来てくれた。しかし買い置いていたミカンは底を突いている。翌日の餌を買いに、孫のおもちゃを買いに行くような軽い足取りで出かけた。

 正月初詣のおみくじを思い出した。大吉を引いた。「待ち人、必ず来たる」とあったが、本当に来てくれた。

 来てくれるのを待つばかりではなく、今度はいつか、あのメジロのねじろも訪問してみたい気もする。役割分担、私の分担の少ないことをメジロ夫妻を見て少し反省した。
  (写真は、やっと来てくれた「メジロ」)