写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

修飾語

2007年02月05日 | 生活・ニュース
 日曜日、お昼ご飯を食べた後は、毎週決まったようにテレビで「新婚さんいらっしゃい」と「アタック25」を見るのを楽しみにしている。

 今週の新婚さんは、二組とも何ひとつ商品を持って帰ることが出来なかった。引き続いて「アタック25」が始まる。

 女性アナウンサーが問題を読み上げながら、局面は中盤に差しかかった。「ハイ次の問題です」と、司会の児玉清。

 「米倉涼子が看護士役を演じている『けものみち』『黒革の手帳』に続く松本清張原作のテレビドラマは何というドラマでしょうか?」という問題がでた。

 いつも、出場者になった気持ちで見ている私は、一瞬「えっ?」と思った。米倉涼子は「けものみち」のドラマでも、看護士役だったかなと思わず勘違いをした。

 答えは直ぐに分かったが、出題の文章に疑問を持った。「けものみち」や「黒革の手帳」では看護士役などやってはいない。

 この問題の読み方では、あたかもこれらのドラマで看護士役をやったように聞こえる。何がいけないのか。文章の中での、修飾語の位置がよくない。

 「米倉涼子が演じた『けものみち』『黒革の手帳』に続く松本清張原作のテレビドラマで、看護士役を演じているドラマは何でしょうか?」ならよく分かる。

 修飾語は、修飾したい言葉の直ぐ前に持ってくれば文章が明快になる。文章を書いていると、修飾語の位置で悩むことはよくある。

 「赤いテーブルの上のりんご」と書いたとき、赤いのはテーブルだと読めるが、りんごを言っているのかもしれない。

 その場合には「テーブルの上の赤いりんご」と書いたほうが、言いたいことが明確となる。

 勢いで書いた文章を、時間を置いて客観的に読み直してみると、このような誤解を与えかねない表現を見つけることは多い。

 「アタック25」のように、一刻を争ってボタンを押すようなクイズ番組で、不適切な文章を読み上げては、回答者も瞬時の判断が鈍るのではと思った。
  (写真は、「赤いテーブルの上の赤い絵の具」)