写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

貸し出し中

2007年02月07日 | エッセイ・本・映画・音楽・絵画
 2月の初旬というのに、相変わらず異常な暖かさが続いている。4月初旬の気温だと伝えていた。

 そんな昼過ぎ、中央図書館に借りていた本を返しに行った。ついでに、購読していない新聞の読者投稿エッセイ欄に目を通し、岩国の投稿者のチェックをする。

 借りて帰る本を持って受付に向かう途中、コーナーにパソコンが4台置いてあるテーブルのそばを通った。

 読みたい図書を探すときに使うものだとは理解していたが、使ってみたことはなかった。

 その時、誰も触っていないのをいいことに、どんなものなのか挑戦してみることにした。ATM機と同じように画面に指で触れる方式のものだ。

 2週間前、市内および近郊の図書館に、今年発刊したばかりの同人誌と自費出版書を寄贈している。

 これが蔵書としてすでに登録してあるかどうかを見てみようかと思った。まず「花水木」と、同人誌の書名を入れてみた。

 岩国駅前にある図書館に置いてあるものが「貸し出し中」と出た。次に「行くぞ! ハートリー」と、自費出版書の書名を入れた。

 私が行っていた中央図書館に置いてあるものが「貸し出し中」と出た。すでに誰かが借りてくれている。

 驚くやら、嬉しいやら。誰に見られている訳でもないのに、画面を見ながら面映くなる。何処の誰だか知らない人が、読んでくれている。

 この本を図書館に寄贈していることは、このブログの読者しか知らない。それを見てわざわざ足を運び、読んでいただいているその「読者」に、心からお礼を申し上げた。

 「案ずるより産むがやすし」ということわざがあるが、何ごとも思い切ってやってみれば、また次の新しい展開があることを感じながら引きあげた。
 (写真は、ただいま貸し出し中の「図書館寄贈本」)