まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1128

2016年07月19日 |  マツタケの林地栽培 

7月22日(金)はまつたけ山復活させ隊第547回活動日です.午前10時に京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい.活動報告は榎本 輝彦さんです.当日夜、ブログを是非ご覧ください.
 
7月16日は、日本文化デザインフォーラム 第10回JIDFラボ 「マツタケ山再生と岩倉焼」と銘打って、まつたけ山復活させ隊活動を実施しました.
 参加は、まつたけ山復活させ隊メンバー30名、龍谷大学農学部1回生岩堀ゼミ生12名(写真1)と泉南でマツタケ山づくりに取り組む青年4名、山本裕久JIDF事務局長1名 合わせて47名であった.
                                写真 1
 
 まつたけ山復活させ隊陶芸班が7時から素焼きを始め、到達目標温度800℃を得るために、この蒸し暑さの中、窯内温度を観察しながら薪投入量を調節している(写真2 ある時間帯の窯たき人たち).この窯は、近藤高広さん設計で、材料費は全国支援者のカンパでまかない、組み立ては、仲間の中で技術を持った人の先導で全員が行なった.

                                 写真 2
 
 榎本輝彦さんが、香川山や設備を案内し、この活動の歴史(? たった10年されど10年ですが)を解説した.続いて、陶芸班世話人の内田正明さんが、里山づくりと陶芸の共存関係を見学者にひもといた.
 
 その後、JIDF山本事務局長から日本文化デザインフォーラムの説明を受け、11時から12時まで、ラボマスター役の私が、人がアカマツ林を呼び込みそのアカマツと共生を始めたマツタケの生活をレクチャーした.
 
 里山林は、いま、木々におおわれ鬱蒼とし緑はかつてないほど豊かである.なんか昔と違うなと思いつつも「緑豊かなことは良いことだ」と私たちは納得している. 

 日本では、細菌・ウイルスを除いて94500種の生物が記載されている(2000年).環境省のレッドリスト(2015年)によれば、動物の評価対象種数41924種の内3.2%、維管束植物7000種(評価対象種数)の内25.4%、菌類3000種(評価対象種数)の内2.1%に絶滅の恐れがある.マツタケも絶滅が心配される菌類である.しかも絶滅危惧種の5割に当たる生物が里山を住まいとしていた.

 緑豊かになって生物が死ぬなんて、皆さん 変じゃないでしょうか! 全国の里山林は常緑広葉樹林化もしくは夏緑樹林化し本来の姿を失いつつある元里山林で、本来の里山を住まいとする生物が生活できないほどにその環境が激変したと考えるべきである.緑が豊かになって生き物が死ぬ.これが緑豊かの実体・本当の姿である.
 
 里山林の放置が全国的に進み、林の生態系サービスの低下を改善する必要性からも,マツタケ林地栽培が最も望ましいマツタケの栽培法である.この林地栽培は,マツタケとアカマツの共生関係を利用している. アカマツ林(生息地)の植物や林床を整え(手入れ=攪乱)、土壌微生物(マツタケの生活に有利なグループと有害もしくは無関係なグループ)の関係をうまくコントロールする.

 しかし、マツタケとアカマツの相利共生は、不変の関係では決してない.その成立と維持には、今では人の努力(手入れ・栽培感覚)が必要である.この適度の攪乱は森林の生物や土壌の物理・化学性の制御(半栽培)で、生物の多様性維持に不可欠であるとの理解が、最近進んできている.

 両者の相利共生関係を「人の恋愛」に、師匠「濱稔」はたとえた.院生の頃は共生成立条件ばかりに思いがいき、破綻については余り気にとめなかったが、今は、破綻も考える必要性が分かるようになった.
 
 昼食は、松本 忠明シェフの手になるたっぷりの夏野菜と手羽元入りカレーをいただいた.準備をしてくれる当番の皆さん(写真 3).

                               写真 3 

 午後から、上述のまつたけ栽培概念の理解を深めるために、まつたけ山復活させ隊作業班・ヤマガラ班(世話人:堀井公雄さん)、三品班(世話人:三品伍楼さん)、川本班(世話人:川本 勝さん)、桑野班(世話人:桑野慶子さん)、榎本班(世話人:榎本輝彦さん)のマツタケ山づくり作業を経験して頂いた.
 午後4時に香川山BCに全員無事帰着.学生諸君も泉南の青年たちも心地よい汗をかいた様子.若干の質疑応答後、解散.
 
里山整備のデザインとして、放置された里山資源の活用に陶芸を採用した私たちの意図を理解頂いたものと思える.第10回JIDFラボは当初の予定通り終了した.JIDFに感謝申し上げます.次回第11回JIDFラボは9月30日で、作品に食材を合わせ、出来映えを見てみたい.


【お知らせ】

1)篠山市役所職員見学(3名) 講演会打合せ他
 日時:7月22日(金)13:00~
 場所:香川山

2)8月19日(金)【祝 550回開催の宴】(暑気払い)を挙行(食当班提案).午前中は、各班で作業するもよし、マツタケの碑詣参加もよしといたします.昼からは祝550回宴としましょう.飲み物実費で会費は500円(予定).美酒の差入れをお願いします.
 
【まつたけ山復活させ隊の心得・7箇条】

悔いの残らないようにするには! 
1.あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!
2.チェーンソーで立木を伐る作業は、取り扱いを習熟するまで厳禁です.万が一事故の場合は自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.
3.掛かり木の処理で死亡者が続出だそうです.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生.作業は慎重に!
4.急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.切り株を残さないように地際から伐りましょう!
5.マダニ対策の徹底を!
 イノシシやニホンジカの行動エリアが拡大し、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性脳炎症も日本に存在する.脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.
7.熱中症にも気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう. 


【まつたけ山復活させ隊とは!】

(目的)マツタケの生活する里山再生・保全のため集うものである

座して森と同化せよ

ほんの5分間
座って森に同化し
森の静寂に耳を傾ける.
木々の音、落葉を歩く虫の音、小鳥の会話.

森を理解するには
森と一体化すること、
森に抱かれること、体感すること!

Wilhelm Stölb
デュッセルドルフ 1954年生まれ .ミュンヘン大学で森林科学を研究
フリーランスのライター、林業の専門家、写真家、画家として活動
 
我々まつたけ山復活させ隊の仲間には、山づくりをする人、資材等を運ぶ人・軽トラを貸してくれる人、薪をつくる人、病害木を焼却する人、畑や水田を守る人、食事を作る人、道具類を整備する人、拠点を整備する人、道路を補修する人、バイオトイレを守る人、多機能窯を守る人、山を提供する人などがいる.作業内容を固定せず、気づいた人が仲間を集い作業をこなしています(原則).すべての参加者は、運動の目的を実現するために互いに対等で支え合い助け合うことを必要とする.

活動には、目的はあっても参加者の行為を縛る規約らしいものはない.個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるようにと願ってのことである.
参加は誰にも開かれているが、施設の安直利用者(あの人たちは何しに来ているのか?といぶかる参加者を指す)は、これを認めない.「香川山に来る」それにプラスする何かがなければならない.当然、マツタケ山づくりを共に楽しむことに共感を持つことが必須だ.

 参加を誘う場合には、そこの所を踏まえて欲しい.また、初めての人にきちんと氏名と参加目的をみんなにコアタイム時に話すように教えるべきである.挨拶もできない大人になることを恐れもする. 
これを怠ると一体感が希薄になって、まつたけ山復活させ隊の堕落に繋がる.ひいてはこの活動の存続に関わる恐れがあるとまつたけ山復活させ隊各自の自覚が欲しい.意識改革されることを強く期待する.

まつたけ山復活させ隊活動日

活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.登録外参加者・見学者などは500円(施設利用代などを含む).

§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.
内容
まつたけ山復活させ隊の活動について 
§1 我々のまつたけ山再生運動とは? 
§2 まつたけ山復活させ隊に参加するには 
§3 私達のマツタケ山造り(作業方法の特徴)
§4 こんな活動をしています! 
§5 今年の予定と目標?


回 開催日    報告担当者   男厨シェフ       特別企画       体験参加
547 07月22日(金) 榎本                           篠山市役所 職員 3名
548 07月30日(土) 三輪
549 08月05日(金) 宮崎

550 08月19日(金) 内田                 祝 550回開催・暑気払い
551 08月27日(土) 榎本
552 09月02日(金) 三輪      川崎+榎本班
553 09月10日(土) 宮崎
554 09月16日(金) 内田
555 09月24日(土) 榎本
556 09月30日(金) 三輪                 JIDF ラボ 11回 陶芸作品鑑賞会
557 10月08日(土) 宮崎      松浦+江指
558 10月14日(金) 内田
559 10月22日(土) 榎本
560 10月28日(金) 三輪
561 11月05日(土) 池内                            京都造形芸術大学 環境学受講生 
562 11月11日(金) 宮崎      内田+榎本班
563 11月19日(土) 内田
564 11月25日(金) 榎本                 JIDF ラボ 12回
565 12月03日(土) 三輪
566 12月09日(金) 宮崎      松本
567 12月17日(土) 池内

568 2017年1月7日(土)榎本

§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山(自称)
アクセス:
 京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

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§カンパありがとう!

 玉城山のオーナー玉城一郎さんから米13袋(30kg/袋)を提供頂きました.ここに掲載して感謝といたします.
 
  
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173


§主 催
まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forest
代表 吉村 文彦(微生物生態学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

香川理化学研究所(香川山オーナー)
代表 香川 晴男

 

 

 

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