まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ「十字軍」運動NEWSLETTER-429-

2009年08月12日 |  マツタケの林地栽培 
左大文字の送り火(2007)


まつたけ復活・里山再生市民運動


五山の送り火を守ろう!

 2005年に、岩手県岩泉町から15年ぶりに京都に戻って、マツタケの生活するアカマツ林を取り戻す市民運動に参加している.たたら式製鉄や登り窯式の陶芸や建築の梁材などに必要欠くべからずであるアカマツ材が風前の灯火状態から暴風雨にさらされる松明の炎状態になっていることを実感している.
 アカマツ林は、ここ京都でも 市の周りに位置する三山に当たり前にあったものであるが、今は、もうない.聞くところによると、五山送り火に燃やす薪は他から購入しているという.
 私たちは、様々な伝統を守り維持することにも、アカマツ林や300年の檜・杉を保全することによって寄与できると思っている.

五山の送り火
精霊導く炎 地元が支える宗教行事
8月16日午後8時から、京都盆地の周囲の山に、炎で描かれた「大」「妙法」の文字や鳥居、船が次々に浮かび上がる。お盆に迎えた精霊をふたたび冥府に返す精霊送りの意味を持つ、あくまで宗教行事である。市内の川沿いや御所など開けたところから遠望することができ、関係者は静かに手を合わせ先祖に思いを馳せて欲しい、としている。
東山如意ヶ嶽(支峰の大文字山)の「大文字」がもっともよく知られていて、送り火の代名詞になっている。
 江戸時代後期には「い」(市原野)、「一」(鳴滝)、「竹の先に鈴」(西山)、「蛇」(北嵯峨)、「長刀」(観音寺村)などの字形もあったが、途絶えたといわれている。
 京都市北部の地域で現在も行われている「松上げ」と同じような起源を持つと考えられている。
 京都三大祭(葵祭・祇園祭・時代祭)に五山送り火を加え、京都四大行事と呼ばれる。
 過ぎゆく夏の一夜、漆黒の山々に浮き上がる炎の象形…。人々の心を、熱く、あるいは切なく燃やす。この世にもどった精霊を、再び冥府(めいふ)へと導くという五山の送り火。中世の大灯籠(とうろう)由来の精霊送りは、途絶えることなく今年も16日、朱の焔(ほむら)で京の夜空を染めあげる。
 この行事の先陣を切るのは「大文字」。東山如意ケ嶽(にょいがたけ)の支峰大文字山(466メートル)の中腹で、午後8時に点火。75カ所の火床(ひどこ)に、その数6百束という膨大な量の赤松の割木(わりき)を積み上げ、燃え上がらせる。勢いよく燃え盛る炎の息吹は、2百メートル以上も隔てたふもとまでも伝わり、そのスケールと圧倒的迫力で、五山送り火を代表する。
 「防火扉がなかった数年前までは、熱風が舞い込んできまして、それは熱かった。手の甲や耳をやけどすることもしょっちゅうでした」と、すさまじい火勢の体験を話すのは、銀閣寺門前にあり、大文字寺ともいう浄土院の19代住職藤野俊秀(44)。大文字の点火と同時に、大の字中心部の火床「金尾(かなわ)」近くにある「弘法大師堂」の中で、30分ほども読経を続ける。
 浄土院はもともと天台宗の寺。それが浄土宗に改められた。そして、お寺には真言宗の開祖弘法大師が送り火の本尊としてまつってある。「独特の風習といいますか…。でも、これが昔からこの地域(旧浄土寺村)の人たちが大切にしてきた土着の信仰。私は、浄土宗の僧侶ですが、檀家のこうした信仰を大切に、送り火の行事の時は、浄土宗では異例のお勤めをして、古式通り霊をお浄土にお送りするのです」。父の務めを引き継いで、もう十数年がたつ。
 藤野の話す通り、大文字の強力な火勢は、地元の人たちの篤(あつ)い宗教心を映しているように思える。
 「この行事は精霊送りで、亡くなった人を供養するのが本来の意味。しかし最近は、あまりに観光行事化しすぎていると感じます。ましてや無神経に『大文字焼き』なんていわれるとねえ」と、不満を口にするのは特定非営利活動法人(NPO法人)・大文字保存会理事の久嶋憲二郎(66)。
 「合掌をして先祖を思う気持ち。この思いを表すために、サラリーマンも増えた地元のもんが相当な我慢や苦労をして毎年、大文字を続けているのです」と久嶋。「単に火を燃やしているのではない。観光で見てもらうのはいいが、地元が昔から大事に続けてきた宗教行事ということに、思いを致してもらえたら」という。
 さらに「村の先祖に対する思いから起こった地元の信仰。確かに最近は、何のために送り火をやるのか、外での関心が高まるほどに、これが崩れてきているように思います」と話すのは、同副会長の長谷川綉二(62)。地元での赤松調達など、送り火の資材の課題に直面し、山の問題から自然環境、精神のあり方まで、幅広い視点で大文字について考える。
 「先祖への思い、赤松、松葉、麦わらという昔ながらの材料で、一斉に赤々と火を燃やす。これを基本に、失敗しながらでも、しんどいけど続けていくしかないのです。こうするうちに、50年前にもう一度もどって、資材の育つ里山をきちっと整理していくという機運が生まれたらいい」と長谷川は思う。
 保存会会長の藤田征平(69)は、大文字五山保存会連合会の会長も兼ねる。「五山どこでもだが、会員の継承や資材の問題など、確かにいろいろ課題がある。大文字では、山に登ってくる一般の人も多く、事故も心配です。しかし、あの火をつける瞬間の緊張、燃えあがった時の充実感はそんな気苦労を吹き飛ばすんです」と。そして「何より、送り火のメーン『大文字』に携わっていることを光栄に思う。この誇りを支えに、今年も立派に、そして無事に送り火を点火したいですね」と声を弾ませる。
 東山の大文字、松ケ崎妙法、西賀茂船形万燈籠(とうろう)、衣笠の左大文字、そして嵯峨の鳥居形松明(たいまつ)-。京都四大行事のひとつ五山の送り火。約1時間、次々と燃え上がり、揺らめく焔のページェントは、見る者の心に、何か懐かしい思いをわき上がらせる。同時に、夏の終わりを告げる京の風物詩としてまた、人々を魅了してやまない。送り火に携わる人たちを訪ねた。京都新聞 2007年8月6日掲載


京都の伝統行事と景観をまもろう!
マツノザイセンチュウ病枯損アカマツやナラ枯れ枯損木は伐倒・焼却を進めよう!
これらの樹病は、依然として猛威をふるっている.周りに放置されている枯損木を感染源とする蔓延が後を絶たないのである.景観上も優れているとは言えない.これを放置することは、新たな感染を助長し、里山という生態系を破壊することになる.里山の崩壊は、生物の多様性に多大の損失を与える.
枯損木を放置している所有者には、「感染を手助けしているという認識」がほしい.国民の樹病への無関心がこのまま続くようだと、里山林は全国に800万haあり、その230万haを占めるアカマツ林は一部を除いて壊滅するであろう.同じく230万haあるコナラ林を加えると、“これは由々しき問題である”では済まされない.
林は、地面の所有は個人のものであるが、林の公益的機能は国民のものである.だからこそ、国民も林の手入れに税を使うことを認めているのである.材生産中心の林業に一味違う新たな活用法を付加することが必要である.ボランティアだけの里山再生作業ではアカマツ保全やまつたけ産業復活の展望がないからである.
今、一歩を踏み出す時にある.
京都ならではの事業として考えられることがある.五山の送り火にはアカマツの薪が必要だ.市内の景観を守るためにも、アカマツ林帯とすべきエリアは健全なアカマツ林に戻すのである.それを定期的に伐採し、後は天然下種更新する.アカマツ材は送り火の薪や松明に加工し販売するのはいかがだろう.するとそのうち、マツタケも顔を出すようになるに違いない.行政の応援を期待したい!

開催予定日 2009年8月―12月
活動場所は岩倉香川山. 活動開始は、午前10時頃.終わりは午後4時頃.
お盆休み
第203回08月21日(金)ブログ報告:三輪
第204回08月29日(土)ブログ報告:榎本
第205回09月05日(土)ブログ報告:池内
第206回09月11日(金)ブログ報告:三輪
第207回09月19日(土)ブログ報告:榎本
第208回09月25日(金)ブログ報告:宮崎
第209回10月03日(土)ブログ報告:三輪
第210回10月09日(金)ブログ報告:榎本
第211回10月17日(土)ブログ報告:池内
第212回10月23日(金)ブログ報告:三輪
第213回10月31日(土)ブログ報告:吉村
第214回11月07日(土)ブログ報告:榎本
第215回11月13日(金)ブログ報告:宮崎
第216回11月21日(土)ブログ報告:三輪
第217回11月27日(金)ブログ報告:榎本
第218回12月05日(土)ブログ報告:池内
第219回12月11日(金)ブログ報告:宮崎
第220回12月19日(土)ブログ報告:三輪 大忘年会 感謝祭
年末年始で休み
第221回01月09日(土)ブログ報告:榎本


まつたけ十字軍運動とは?
今、1年間に40,000種もの生物が絶滅(約13分に1種)していると推測されている.生き物1種の絶滅は、10種から30種の生き物の絶滅を呼ぶという.
日本で、802種の動物が絶滅危惧種とされ、7000種の維管束植物の24.1%(4種に1種)が絶滅危惧種に挙げられている(2007年).
環境省によれば、絶滅危惧種の50%強に当たる生物の生息地は、人里離れた奥山でなく里地里山と呼ばれる私たちの生活の場である.緑が豊かになって生き物が追われている!
私達の周りにありふれた生き物であったフクジュソウやヒメシャガなど、メダカやチョウ類やニホンウサギなど、またオオタカやイヌワシなどが、消え続けている.マツタケも、京都府では絶滅危惧種に指定されている.
生物の保全・多様性上危機に瀕する里山(アカマツ林)をマツタケ山に戻すことが目的である.私たちのマツタケ山づくりは、山-川-畑・水田(-海)のつながりを重視する.マツタケ山づくりで生まれるバイオマスの利用を、「自然」との共生型すなわち徹底した有機物循環型「農林業」に組み込む.また、我々の成果は、情報として正しく発信し、全国に230万haあるアカマツ林に普及させることを願っている.
近代的マツタケ学発祥の地、京都市左京区岩倉を活動拠点として、我々は循環型農林「業」を楽しむ.「楽しむ」ということにおいて、いわゆる農林業的作業と異なる.
時折のイヴェントや開催日のコアタイムに集まることによって、作業の情報などを共有し、互いの知恵や技術を学び、また、里山復活の喜びをともにする.
運動は、食事を作る人、木を伐る人・運ぶ人、薪をつくる人、病害木を焼却する人、畑や水田を守る人、設備を造る人、道具類を整備する人、多機能窯を守る人、拠点を整備する人、道路を補修する人、バイオトイレを守る人などすべての参加者が、互いに対等で支え合い助け合って維持運営されている.
まつたけ十字軍運動全体は、アリストテレス風に言えば、個の参加者の総和以上の意味を持つ.それ故、参加者はこの運動の全体性を見失わないようにしたい.

主 催 
まつたけ十字軍運動
代表 吉村 文彦(マツタケ生態学者)  
〒607-8421 京都市山科区御陵岡ノ西町38-27.
075-581-8932, 090-6227-4305

共 催 
京都大学マツタケ研究会
代表 大石 高典(京都大学こころの未来研究センター)
TEL/FAX 075-753-9682 / 携帯 080-6123-4706

香川理化学研究所
代表 香川 晴男
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« まつたけ「十字軍」運動NEWSL... | トップ | まつたけ「十字軍」運動NEWSL... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

マツタケの林地栽培 」カテゴリの最新記事