まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1362 香川山の京マツタケ不作の原因は10回も発生した高温障害か降水不順か? 

2018年11月03日 |  マツタケの林地栽培 

11月3日(土)、第659回の活動報告です.今日は、久方ぶりの快晴でアウトドア向きの日和であった(写真 1).14時に京都円町にある気象台アメダス最高気温は20.0℃だった.南東の風1.9m.真にのびのびと山や畑で活動ができました.

写真 1.雲一つない最高の日和でした.ノビノビ、山を畑を楽しめた.図の真ん中を2台の飛行機が飛んでいる.

 本日の参加者は、22名.名簿記載順に、前田、有山、小長谷、Take、ホリイ、内田、松本、阿閉(仁)、尾林、太田、川本、ヤマダ、川崎、三輪、藤井(貞)、宮崎、三品、佐塚、Janson、吉村、猫田、西村さん達でした.

 現在の香川山の発生数は、図1をご覧下さい.2016年はシロ4つに13本.2017年はシロ5番に192gの大物1本.今年は、シロNo.1に3本であった(写真1-3).統計処理するにはデータ数が不足なので多いか少ないかの議論はできないと考えます.でもシロ2~5には発生がありません.又、新たなシロも見つかっていません.温度と降水に何らかの問題があると思えます.

図 1.香川山におけるマツタケの発生の様子(2016-2018)2016年にはシロを特定していません.

これが京マツタケの姿で有る.このマツタケは1本か2本か? 取った人如何でしたか?!発生したマツタケを見るOwen君.彼はマツタケの香りが大好きな男である.

 図2は香川山の10月の地温の様子で、左縦軸は温度.横軸は10月の日にち.右縦軸は雨量(mm)と日照時間を示しています.2本の横軸19℃ラインと12℃ラインはこの間に地温があればマツタケの発生が見られます.11月分は載せていませんが11月3日まで12℃を下回っていません.黄色と青の縦棒は、それぞれ日照時間と雨量を表しています.

図2. 2018年10月の地温と降水量

 香川山の京マツタケの発生は、もう終わったと見るかいやいやまだ雨があれば発生の可能性はあるとみるか.皆さんはどうお考えでしょうか! ここよりは西にある岡山県の市場に出るマツタケも、確かに終焉を迎えているように見える.もちろん「そんなマクロの話ではダメでしょう」というお叱りは覚悟の上ですが.

 図2を見ると、まだ期待できる地温です.すると雨が足らないのでしょうか.秋のマツタケ発生には、発生期前2週間くらいの雨と発生期間(最高地温記録後の初刺激日:9月26日から始まる、終わりは地温が12℃を示す頃)の降水が効いているため、9月の降水も見る必要があります.

 ここで2016年と2018年の9月と10月の降水量を示します(図3).2018年9月の降水量は390.5mm、降水回数は19回、1回の平均雨量は20.5mm.10月のそれは35.5mm、降水回数は12回、1回の平均雨量は3mm. 2016年の9月の降水量は458.5mm、降水回数は18回、1回の平均雨量は25.5mm、10月のそれは、99.5mm、降水回数は12回、1回の雨量は8.3mmである.

図 3. 2016年と2018年の降水パターン 余り変わらない.これでは不作の原因が読めません.図2を合わせてみなければなりません. 

 降水回数は、16年と18年でほとんど変わりません.10月の雨量が少し低いと思われます.子実体を実験室で形成させられないため、この雨量の違いの意味があるかどうか分かりません.バカマツタケの室内実験でそのことを明らかにすることに意味がある.

 次いで、地温を見たいが、図が大きくなるのでブログでは見せられません.見たい方はお知らせ下さい.地温の推移は、10回の高温障害の発生を見せている.ここでいう高温障害は、子実体原基刺激後の地温が19℃を上回ることを意味し、刺激のキャンセルでシロにダメージを与えない場合と原基が分化せずシロにダメージがある場合と原基が子実体に分化後の、文字通りの子実体成長の高温障害を含んでいます.
 長年の経験則では、9月・10月の降水パターンがそう変わらないが(これだけでは足らないこと意味する)、何度も発生した子実体生長の高温障害発生があったことと10月11日以降(地温が19℃を安定的に下がっている期間)に雨が少ないこと(図2)が今年の3本のみの発生を決めたと、まだ発生期は終わっていないが、思えます.

【お知らせ】

講演会

1)滋賀県林研グループ連絡協議会 高島支部主催 
    アカマツ林の若返り、重機による地掻実施
  【日時】11月9日(金)13:00~17:00
  【場所】高島市朽木柏341-3 グリーンパーク想い出の森
      研修後懇親会(会費:宿泊込みで10000円)

2)長野県筑北村社会福祉協議会主催 山福農林会共催  筑北村・長野大学後援
  【講演】人とアカマツ林とマツタケ-マツタケは林地栽培できる-
  【日時】11月17日(土)13:00~16:30(開場12:30)
  【場所】長野県筑北村本城農村環境改善センター多目的ホール
      筑北村西条4195(筑北村役場となり)
  
  【現地研修】
  【日時】11月18日(土) 10:00~12:00
  【場所】筑北村学有林

放送
3)ならドットFM パソコン・スマホで聴ける
 【日時】11月8日(木)午後7:00-7:30
     今年のマツタケなどにまつわる話

きのこ観察会
4)京都御苑きのこ観察会
【日時】11月25日(日) きのこ観察:午前9時30分~12時  
【場所】京都御所 堺町休憩所集合(間之町口 地下鉄烏丸丸太町駅下車、東へすぐ)
 主催者は京都御苑きのこ会(世話人 佐野修治氏)  HP(http://gyoenkinokokai.web.fc2.com/)参照下さい
 参加料は無料、事前申込不要.京都御苑は国民公園です.動物・植物・菌類の採集は禁止されています.

 


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§カンパありがとう!
 
   
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173


§主 催

まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学;マツタケ生物学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

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