そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





そのとき僕は赤坂にいた。
TBSの5階会議室。
14時46分。
揺れはどんどん激しくなり、これはダメだと覚悟を決めた。
机の下にみんなで潜った。
ビルが折れると思った。
そのぐらい激しく長い揺れだった。
地の底に潜む邪悪な意志が、日本を滅ぼそうと本気で怒り猛っている、そんな圧倒的な敵意すら感じる、5分間の長く激しい揺れだった。

揺れがおさまったとき、iPhone上のYahoo!ニュースで仙台震度7の情報を得た。
友人のツイートでお台場方面から黒い煙が出ているとの情報を得た。
テレビ局の中は騒然としていた。
館内放送でエレベーター停止が告げられた。
会議は即刻撤収することになり、僕は自宅に帰るため非常階段を下りた。
階段を下りるときもビルはゆっくり揺れていた。
外に出ると、赤坂の街に人が溢れていた。
駐車場に停めてあった車に乗り込もうしたとき、続く巨大余震が来た。
僕の車が、隣の車が、激しく揺れた。
周囲の家屋が揺れ、ほとんど倒壊寸前に見えた。
ガシガシと地鳴りがした。
奇跡的に家屋は倒壊せずに、かろうじて耐えたように見えた。
車のエンジンをかけ、発車した。
赤坂通りから六本木通り、駒沢通りへと進んだ。
街には人が溢れていた。
みな不安そうな顔をしていた。
両脇のビルがいつ倒れてくるかと緊張した。
首都高がいつ倒れてくるのかと恐怖した。
ただ、自宅が燃えていないか心配で、車を走らせた。
まるでこの世の終わりだった。

僕と僕の猫、僕の家族、僕の友人たちは幸いなことに無事でした。

東北地方沿岸部の被災者のために、ただ祈ります。

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