栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

笠シショーについて

2010-05-26 15:05:16 | 配合論

たとえば個々の馬についての配合的な評価とか、予想上の印なんかは、私と笠さんと栗山さんでも違うときがままありますし、そもそも強い馬が勝つとは限らないのが競馬で、血統や配合が優れた馬が勝つとは限らないのも競馬です

それよりも、「血統というツールを使って、個々の馬への理解を深め、競馬というスポーツそのものへの認識を深めることは、こんなにも楽しいことなのだ」というような話を、このブログでもっともっと広げていければいいなあ~と思いますね

私が笠雄二郎さんをシショーと崇めているのは、笠さんの人間性がとてつもなく素晴らしいからでも(^ ^;)、予想がおそろしく当たるからでもありません(^ ^;)

笠さんが血統を介して語る競馬論や、そのアプローチの仕方が、少なくとも私が目にした競馬論や血統論のなかでは、最も正しいのではないかと思っているからです

もう20年近く競馬で飯を食ってる私が、競馬に対して少しでも貢献や恩返しができるとしたら、「おそらく笠的な思考がアプローチとしては正しくて、そして正しいアプローチで競馬を考え語ることは楽しいことなのですよ」ということを、一人でも多くのファンに伝えることしかないだろうなあ~と、そういうふうに思っとるわけです

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コスモファントムとエイシンフラッシュについて

2010-05-26 14:50:12 | 血統予想

ここでは不透明さんとmtさんから質問があったコスモファントムとエイシンフラッシュについて書いてみますが、レース予想や共有クラブやPOGに関する、特定の馬についての質問についてはお答えしかねる場合が多々ありますm(_ _)m

それは仕事の関係上まずいケースがあるということと、単に面倒だという二つの理由によります(^ ^;)

まあ今回はダービーなので、けっこう長々と書いてみました

コスモファントム
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007110012/
ドンH(米G1・ダ9F)に勝ったStephen Got Evenの産駒で、強力メンバーのラジオNIKKEI杯2着が光りますが、母父のParis Houseが「HyperionとFair Trial」的な粘着力で走るスプリンターなので、父系のナスキロ的な斬れで走っているという感じではないですね~
脚質的には母父の粘っこさで走っている感じで、斬れがないのでどちらかといえば外回りより内回り向きの脚質だと私は思っています
同じ2着でも、ラジオNIKKEIと京都新聞とでは内回りのNIKKEIのほうがパフォーマンスは高かったというべきでしょう

エイシンフラッシュ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102951/
ドイツ血脈+Hyperion血脈が基調の、粘りや持久力に長けた重厚な血統ですが、母がRed God≒Stay at Home4×5なので意外に手先が軽くて、中山や阪神のスローを小器用に捲るような俊敏さもあるのがいいですね
2400mへの距離延長はプラスですが、長い直線でズバッと斬れるような脚はないので、東京でも京成杯のように先行粘り込みの形に持ち込んで、並んでしぶといところを引き出して食い下がりたいところでしょう

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あえて“4強”の不安点をあげつらってみる(2)

2010-05-26 13:56:11 | 血統予想

◇ヒルノダムール
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100727/
「マンカフェ×Blushing Groom」の黄金配合だが、母がラムタラ×L'EmigrantでNijinsky≒The Minstrel3×4で、このズブさをほんの少し引きずっているというか、一流の中距離馬としてはほんの少し反応が鈍く、ほんの少しスピードの乗りが滑らかでないところがあって、だからいつも肝心なところで不利を受けてしまう(「中山でG1級ということ」参照)
Nijinsky≒The Minstrelの3/4同血クロスを持つ馬にはジョリーダンス、ザレマ、ステラリード、メイショウラムセス、マルブツパワフルなどがいるが、G1で馬券に絡んだ例はジョリーダンスの安田3着のみ
ラムタラを父や母父に持つ馬にG1で馬券に絡んだ馬は一頭もいないし、L'Emigrantを持つ馬もキュンティア(オディールの母)が旧阪神JFで2着しただけ
「成功形の配合をすれば、地味な血統の牝馬からもオープン馬を出せる」のが種牡馬マンカフェの素晴らしいところだが、G1であまり実績のない血が母系に入り、しかもそれをG1であまり実績のないクロスで強調しているというのは、ハイレベルなG1においてはやはり割り引き材料というべきだろう
東京2400mは中山2000mよりは条件としてはいいと思うが、それでもやっぱり、東京でも、肝心なところでズブい面は覗かせるはずだ

中山でG1級ということ
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/e213dc273cc6862a14c6e2f363b51108

◇ペルーサ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102705/
母父Candy Stripesはバブルガムフェローの半兄で亜リーディングサイアー
母母ディフェレンテはサンデーとの間にシーディザーブス、アルファフォーレスと先行しぶといダートの中距離馬を出しており、母系にはProminer、Tudor Minstrel、Dorileo(Forliと3/4同血)と「HyperionとFair Trial」的な粘着力の血が強い
つまり全体としては「サンデー×Lyphard×ハイインロー」の配合形だから、バブルがそうだったように根は前受け脚質で、「抜かせない強さ」に最大の持ち味がある血統というべきだろう
若葉のようにちょっとでも前に出てしまえば強い馬だが、青葉のように中団から差す形は、相手が弱ければあれでもいいのだが、強敵相手にはベストな戦法ではないと思う
他の有力馬がそれほど前のポジションになるとは思えないだけに、それを意識しすぎたレース運びになると差し届かず…というケースは考えられる

並んでも遊んでいる
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/76dcdb6a53176e188972d27fbba3dc4b

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あえて“4強”の不安点をあげつらってみる(1)

2010-05-26 13:53:45 | 血統予想

昨日はアクセス数が4000近くて過去最高でした
さすがダービーウィークやなあ~と思わされますが、検索キーワードの上位3つはこんな感じ

「ペルーサ」「ダノンシャンティ 血統」「ゼンノロブロイ Blushing Groom」

で、ちょっと今回はネガティブな方向で煽ってみようかなあと…(^ ^;)

◇ヴィクトワールピサ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102923/
昨年ネオユニ産駒のデータ検証をやり続けたときによく書いたが、産駒は基本的には東京で差すというより中山で捲る脚質に出やすい
東京芝良のオープン競走では(1.1.0.13)、連対例はトーセンファントムのいちょう1着と東スポ2着だけで、出走15回のうち人気を着順が上回ったのは6回しかなく、クイーンSやフローラSでズッコケ続けたミクロコスモスのように、人気ほど走れないケースが目立つ
今年のプリンシパルSでもミカエルビスティー(3人気6着)、マルカボルト(4人気7着)、ゴールスキー(8人気15着)と伏兵3頭を送り込んだが散々だった
しかもこの馬はHalo3×4でほんとうにHalo的な無駄のない走りをする馬で、それはコーナーを減速せずに回ることができて追い出してすぐにトップスピードに乗れるという意味で、中山や阪神の内回りでは大きなアドバンテージになっていた
配合の似たロジユニヴァースや3/4兄のスウィフトカレントとの比較や、Singspielを思わせる燃費のいい走りから2400mへの距離延長にはほぼ不安はないとみているが、器用さや俊敏さという最大のセールスポイントを、これまでの舞台ほどは活かしきれないという言い方はできるだろう
ネオユニもロジユニもダービーを勝ったといってもあくまで道悪での話で、03年は良ならゼンノロブロイが勝っていたかもしれない…と思っているのは筆者だけだろうか?

ロジユニヴァースとヴィクトワールピサの距離適性について
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/2e446ec7efd6a07cd2b6a707e102ff61

◇ダノンシャンティ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007105709/
Darshaanを持つ日本での活躍馬にはコタシャーン、グリーンプラネット・サニングデール・クレンデスターンきょうだい、キュンティア・オディール母娘、タイキブライドル・タイキトゥインクルきょうだい、モエレジーニアス、シンボリフェザード、イブロンなどがおり、Mill Reef系でも日本の高速芝向きの鋭さを誇る血脈だが、斬れすぎるので長いところよりはマイラー寄りのタイプが多いのも事実だ
Haloのクロスも3×3となるとさすがに長いところは問題で、ウイングレット、アドバンスヘイロー、ジュウクリュウシン、マヤノマヤ、ノボリデューク、シルバーストーン、ロスペトリュスなどがいるが、2200m以上では(1.0.1.16)、馬券に絡んだのはキングスチャペルの未勝利勝ち(中京芝2500m)と500万下3着(東京芝2400m)のみで、このキングスチャペルの母父がサドラーだったことを思えば、「Halo3×3に2400mを克服するスタミナは十分ある」とはとても言えない

ダノンシャンティの配合~爺ちゃんの遺産を食い潰さなかった3強
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/dd4e204be67e7fd66ce1841989353a27

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする