栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

ダノンシャンティの配合~爺ちゃんの遺産を食い潰さなかった3強

2010-05-11 09:29:30 | 配合論

「SingspielやRahyの甥にあたる超良血で、Halo3×3のクロスの影響で非常に動きに無駄がなく、毎日杯や共同通信杯のようにスローのヨーイドンになっても速やかに反応し加速できる。しかし東京マイルの淀みないペースで同じような脚が使えるかとなると、根っからのマイラーではなく1800~2000mがベストだけに、少し斜めに構えたい部分がある」(NHKマイルC「血統クリニック」)

「SingspielやRahyの甥にあたる超良血。Halo3×3らしい無駄のない脚捌きで、脚質は自在で斬れもスタミナも兼備していて非常に弱点が少ない。2000m前後ならどこで走っても同じぐらいのパフォーマンスを出せる馬で、堅実に相手ナリに駆ける馬が多い今年のクラシック路線においても、最も精度の高いモノサシだろう。この馬に完勝するのはなかなか大変だが、完勝しないとG1で大きなことは言えない」(毎日杯「血統クリニック」)

こうしてみるとダノンシャンティについては「Halo3×3で、Haloらしい馬だ」ということしか書いてませんね(^ ^;)それは今でも同じように思っているのですが、

Millicent≒Mill Reef4×5
Variete=Vanille6×6
Blue Swords=Bluehaze6×7
そしてMountain FlowerとAureoleとSwapsを通じるハイインロー継続クロス

と、父母のスピードとパワーとスタミナの血をバランス良くクロスさせた相似配合になっていて、Halo的軽さ俊敏さをきちんと支えられる配合になっていることは付記しておかないといけないですね
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007105709/

「反応が抜群」「瞬発力と完成度が違う」というアンカツさんのコメントや、「体型は伯父のシングスピールに近い」という松国師のコメントからしても、やっぱりこの馬の最大のセールスポイントは、Halo的な無駄のない走法からくる俊敏さなのだと思います

ヴィクトワールピサはHalo3×4で、ペルーサはHalo≒Red God3×4ですが、サンデーの血が遠ざかっていくにつれて、Halo的スピードを増幅していく必要が出てくるのは当然だということはこれまでにも書いてきました

その一方で、ダノンシャンティもヴィクトワールピサもペルーサも、Halo的なスピードを支える欧スタミナのサポートに恵まれていたことも見逃せません

ヴィクトワールピサの場合は、ネオユニの代ではハイインロー的欧スタミナを強化し、自身の代ではミスプロ×HaloのMachiavellianで米スピードを補った

ペルーサの場合は、ゼンノロブロイの代では「サンデー×ミスプロ×War Admiral×La Troienne」で米スピードを強化し、自身の代ではハイインロー的欧スタミナを注入した

そしてダノンシャンティの場合は、欧米のバランスについては2世代続けてとれているのですが、フジキセキの代ではクロスが薄くなった点を相似配合で補った

このようにプロセスはそれぞれ違えど、けっきょく辿り着いたところは同じというか、たしかにサンデー爺ちゃんが残した遺産は大きいけども、それを食い潰すことなくやるべきことはやってきたから、孫の代でもG1を勝てたということでしょう(あ、ペルーサはまだ勝ってないですが…)

Halo的走法で速やかに自在に加速する3強と、「無駄にアクションが大きい(byノリ)」ルーラーシップが激突するダービーを観に、当日は府中へ乗り込む予定です

コメント (3)
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