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駒ヶ岳のカール地形はお花畑

2012-10-07 00:10:07 | Weblog
駒ヶ岳の「カール地形」には「千畳敷カール」と「濃ヶ池」がある。
駒ヶ岳のカール地形は「お花畑」だった。高山植物の宝庫だ。

千畳敷カール」、2612m。2012年8月20日。

後方の「宝剣岳」(2931m)から手前に、
スプーンでえぐり取ったようなくぼみが「千畳敷カール」。
氷河」がゆっくり流れ下るときに、氷河の重みで山を削り取った。
手前は「剣ヶ池」で、最下点にできたくぼみに水がたまった。
氷河によって運ばれた「モレーン」と呼ばれる堆積した土砂が、
剣ヶ池の土手になっている。土手の先は急激に落ち込んで崖になる。
そして、この崖に滝ができる。

「千畳敷カール」の高度2612mは、
森林限界を超えているから、高い木は育たない。
「剣ヶ池」の先に「お花畑」が広がり、ハイ松が混じる。
「お花畑」の上はハイ松になり、そして岩場になる。

「千畳敷カール」で行き会った高山植物のパトロールの人は、
「今シーズンは大雪のため、雪解けが遅かった」
「高山植物は、今も見ごろです」
と言うが、そのためか、剣ヶ池の水が多い。

駒ヶ岳のもう一つのカール地形、「濃ヶ池」、2655m。

8月というのに、奥には雪渓が残っている。

上から見た「濃ヶ池」。

「駒ヶ岳」から降りる途中から見た「濃ヶ池」。雪渓が残る。
左奥は「将棊頭山」(しょうぎかしらやま)、2730m。

左の駒ヶ岳から続く尾根を見ると、
右の濃ヶ池側(伊那谷側)は、急に落ち込み、
左の木曽谷側は、なだらかであることがわかる。
右の濃ヶ池側は、氷河にえぐり取られたカール地形である。

駒ヶ岳(中央アルプス)には、これまでに2回行き、
千畳敷カールから駒ヶ岳(2956m)と、
宝剣岳(2931m)に登っているが、
3回目の2012年8月20日は、
駒ヶ岳、宝剣岳、三ノ沢岳(2847m)のほかに、
初めて、「濃ヶ池」へ行った。

「千畳敷カール」と「濃ヶ池」を巡ると、
「カール地形」は「お花畑」で、高山植物の宝庫だった。
今回の駒ヶ岳は、トレッキング仲間と登ったが、
高山植物に詳しい人がいて、おかげで、
いろんな高山植物を教えてもらった。

「お花畑」で高山植物の写真を撮って、
忘れないように、名前をカメラに入力していると、
どうしても、ほかの仲間から遅れがちになる。
急いで追いつくと、仲間から言われた。
「撮った写真を見せてください」

そんな仲間の要望に応えたい。
それに、自分用の高山植物の「図鑑」になる。

駒ヶ岳の「カール地形」である、
「千畳敷カール」と「濃ヶ池」の高山植物の写真を掲載する。
まず、「千畳敷カール」の高山植物。
ミヤマキンバイ。千畳敷カール。


チングルマ。千畳敷カール。


コイワカガミ(赤)とアオノツガザクラ(白)。千畳敷カール。


チシマフウロ。千畳敷カール。


クルマユリチシマフウロ。千畳敷カール。


チシマギキョウ。千畳敷カール。


ウメバチソウ。千畳敷カール。


ミヤマアシボソスゲ。千畳敷カール。


駒ヶ岳のもう一つのカール地形、「濃ヶ池」の高山植物。

チングルマの種子が手前に広がる。

チングルマの花と種子。濃ヶ池。

チングルマの花(右上)、咲きおわり(中)、それに、
ポヤポヤした種子(下)を、同時に見ることができる。

オンタデ。濃ヶ池。


ミヤマコウゾリナとクジャクチョウ。濃ヶ池。


ハクサンボウフウとシラネニンジンは、
似たような白い花だから、区別がつかなかった。
トレッキング仲間は、持参した植物図鑑を開いて違いを教えてくれた。
ハクサンボウフウ。濃ヶ池。


シラネニンジン。濃ヶ池。

違いは葉っぱ。ニンジンの葉っぱがシラネニンジン。

タテヤマリンドウ、左にチングルマ、右に黄色のオトギリソウ。濃ヶ池。


オトギリソウ。濃ヶ池。


トウヤクリンドウ。濃ヶ池。


ヨツバシオガマ。濃ヶ池。


エゾシオガマ。濃ヶ池。


ミヤマキンポウゲ。濃ヶ池。


ミヤマキンバイ。濃ヶ池。


「カール地形」は、
細かい土砂が堆積している、
雪による水分がある、
強風が吹きすさぶことはない。
これらで、「千畳敷カール」にも、
「濃ヶ池」にも「お花畑」ができた。

「カール地形」の上部の砂礫地や岩場でも、高山植物はある。
「駒ヶ岳」で、「白いコマクサ」と「赤いコマクサ」、
「宝剣岳」で、「エーデルワイス」に近い「コマウスユキソウ」、
「三ノ沢岳」で、「ダイモンジソウ」が、
吹きすさぶ強風に耐えるように、
陽に向かって咲いていた。
このことは、
「駒ヶ岳の白いコマクサ」、2012年9月23日、
http://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/744d0e49c1b6d1b18d1a11d72a9a7210
に記載したので参照してください。

「カール地形」の上部の砂礫地や岩場にある高山植物、
イワツメクサ、赤いコマクサ、白いコマクサ。

駒ヶ岳。

「千畳敷カール」と「濃ヶ池」の「ルート図」。

「駒ヶ岳登山マップ」から作成。
http://www.chuo-alps.com/ropeway/walk/senjyojiki/map_k.html

「千畳敷カール」の「お花畑」は、
駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅①から ⇒ 剣ヶ池② ⇒
八丁坂③ ⇒ 乗越浄土④まで登るルートで、
千畳敷カールの高山植物を眺めた。

「濃ヶ池」の「お花畑」は、
乗越浄土④から ⇒ 中岳⑤を経由して ⇒ 駒ヶ岳⑥に登り ⇒
濃ヶ池⑦まで降りて ⇒ 天狗荘⑧まで上がってくるルートで、
濃ヶ池周辺の高山植物を眺めた。
泊まりの駒ヶ岳頂上山荘⑨へは、
天狗荘⑧から ⇒ 中岳の巻き道 (危険)を利用した。

この「濃ヶ池」の「お花畑」のルートは3時間半。
それに、駒ヶ岳からいったん濃ヶ池に降りて、
また駒ヶ岳頂上山荘まで登ってくるのはきついから、
人が少ない。だから高山植物の荒れもないようだ。

千畳敷駅①に9時に着いて、
駒ヶ岳頂上山荘⑨到着は午後4時だったから、
7時間のゆっくりとしたトレッキングだった。
これは、駒ヶ岳山頂での昼飯のほかに、高山植物を、
千畳敷カールや駒ヶ岳、濃ヶ池で眺めていたから。

トレッキング仲間から高山植物を教えてもらった。
おかげで、自分用の高山植物図鑑ができた。
「駒ヶ岳のカール地形のお花畑」
高山植物を覚えようと思う。
山の楽しみが増えていく。
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