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海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その10 イギリス、旅行者2

2010-08-11 00:08:11 | Weblog
タクシー・ドライバーは、の代表者。
旅が楽しくなったり、とんでもないことがおきる。
街の印象が良くなったり、悪くなったりする。
として、これまでに12か国を掲載した。

スペイン、ギリシャ、イタリア、イギリス、
ポルトガル、フランス、ドイツ、ルーマニア、
アメリカ、ブラジル、インドネシア、東ドイツの12か国で、
ヨーロッパが9か国、北アメリカ、南アメリカ、アジアが各1か国である。

これらの国で体験したタクシー事情をまとめる。
海外でタクシーに乗るときの注意教訓になる。

64) 海外でタクシーに乗るときの注意、教訓 その10 イギリス、旅行者2

イギリス、旅行者2
49) ホテルの住所をドライバーに渡す(2010年6月20日)
50) 一方通行を調べるドライバー(2010年6月23日)
51) インテンショナル故意に遠回りをしたドライバー(2010年6月27日)

同じ日本人でも、“滞在者”か? “旅行者”か? を見分けて、
キャブ・ドライバーは対応を変えることが起きたのである。
立て続けに2回も、ボッタクリにあったのだ。
2回とも、重いサムソナイトをガラガラと引っ張る、
という旅行者スタイルだった。

1回目は、スペインから、イギリス経由で日本に帰るとき。
2回目は、日本からイギリスに立ち寄って、フランスへ行くとき。

2回目の今回は、日本からイギリスに立ち寄って、
翌日フランスへ行くときで、ヒースロー空港から、
ロンドン市街のホテルまでブラック・キャブに乗る。

ウェブで調べたが、初夏のロンドンは観光シーズンで、
どのホテルも一杯であった。それでも、1件見つけた。
ロンドン市街ではあるが、西に外れた、
ウェスト・ヘムステッドにあるIホテルに空きがあった。

新たにオープンしたIホテルだから、まだ、なじみがない。
それに、ロンドンの繁華街には、歩いて行ける距離ではない。
それで、空きがあったのだろう。日本から予約できた。

ヒースロー空港からIホテルまで、ブラック・キャブで行くが、
万が一、キャブ・ドライバーがわからなかったら、
ウェブで予約した住所と地図を見せれば確実だ。

ヒースロー空港のブラック・キャブ乗場で、
40歳代、背の高いキャブ・ドライバーに、
ウェブで印刷したIホテルの住所と地図を渡した。
住所を知らないキャブ・ドライバーはいないから、
これで、間違いなくIホテルに着くだろう。

キャブ・ドライバーはロンドン市街へのモータ・ウェイM4を東に、
快適に飛ばしている。そして、市街に近づくにつれて、信号がある。
信号で止まるたびに、助手席に置いてある自分の地図をのぞき込んでいる。

Iホテルが、わからないのかな? それで、
「住所と地図はここに書いてある」
と、また予約の紙を渡そうとすると、
「わかっている。一方通行を調べている」
と、返ってきた。

そして、なぜか工事中の道路に入った。のろのろと進む。
おかしい、わざわざ通る必要のない道路を走っている。
やっと抜けると、Iホテルのあるメイダ・ヴェイルに行かずに、
さらに東のリージェンツ・パークにあるIホテルに行った。

同じIホテルのチェーンでも、これは違っている。
それにウェスト・ハンプステッドからは、離れていく。
あきらかに、遠回りをしている。
さっきは、工事中の道路に入って、のろのろと進んだ。

「ウェスト・ハンプステッドのIホテルに行きたいが。メイダ・ヴェイルにある」
ドライバーは振り返った。そして、わきに車を止めた。
1回目の停車である。

「リージェンツ・パークのIホテルではないのか?」
ふざけた答えが返ってきた。

「ウェスト・ハンプステッドのIホテルだ。
メイダ・ヴェイルにある。
住所と地図を見せたじゃないか?
リージェンツ・パークのIホテルではない」

ドライバーはUターンをした。東へ来すぎたのだ。
メイダ・ヴェイル地区にある西へ引き返した。

「最初から、メイダ・ヴェイルにあるウェスト・ハンプステッドの、
Iホテルと、言ったじゃないか」
「まちがえたんだ」
「ふざけるな! 正しいところへ連れて行け」

気迫に圧倒されたドライバーは、
“言いわけ(エックスキューズ)”と、
運転をいっしょにするわけにいかない。
車をわきに止めた。
2回目の停車だ。

そして、振り返って、
「リージェンツ・パークに近いと思ったんだ」
と、ドライバーは言う。
「わからなかったら、地図を調べろ!」

「さっき渡した地図と住所だ」
紙と怒りを渡した。

ドライバーは、しかたなく渡された地図と、
助手席に置いてある自分の地図を交互に見比べている。

ドライバーは、わかっているのだ。
メイダ・ヴェイルとリージェンツ・パークを間違うドライバーはいない。

そして、
「近くまで行って聞いてみる。わかりにくかったものだから」
と言いわけ(エックスキューズ)をはじめた。

「言いわけ(エックスキューズ)を聞くために、
乗っているのではない。早く正しいところへ連れて行け」
「連れて行っている」
と、キャブ・ドライバーは返してきた。

“ライセンス・ナンバー”を示すプレートが、
ドアに貼りつけてある。

それで、キャブ・ドライバーに言った。
「“インテンショナル故意”に遠回りをした。
ライセンス・ナンバーを、通報するつもりだ」

すると、ドライバーは車をわきに寄せた。
そして、止めた。
どうしたんだ?

3回目の停車だ。
そして、ドライバーは振り返った。

少し身構える。
「“インテンショナル故意”にやったことではないことは、
理解してくれ」
懇願する口調に、ガラリ! と変わった。

これまでの、言いわけ(エックスキューズ)をする、態度ではない。
乗客に対する、これまでの高圧的な態度をガラリと変えた。
ドライバーは、インテンショナル故意に、
遠回りをしたことだけにはしたくない。

しかし、間違えたのではなく、
わざと乗客をだましたわけだから、
「地図を見て、一方通行を調べている、
と、さっき言ったじゃないか?
明らかにインテンショナル故意だ」
「………」
ドライバーは黙った。

「これまで乗ったロンドン・キャブで、最悪のドライバーだ!
早く正しいところへ連れて行け」
時間のムダだ」

「………」
ドライバーは、前を向いた。
そして、すごすごと発進させた。
正しい方向に向かった。

すると、道端にポリス・マンがいる。
ドライバーは、そさくさと車を止めた。
4回目の停車になる。

地図を握りしめて、降りた。
そして、ポリス・マンに近づいていく。

握りしめた地図をポリス・マンに広げて、
ウェスト・ハンプステッドのIホテルを聞いている。
そして、ときどき、こちらを振り返っている。

わざとらしいな。
これは、インテンショナルに遠回りをしたことでないことの、
ジェスチャーだ。
あくまでも、
「道を間違えたんだ」
「それで、ポリス・マンに道を聞いた」
と、いうことにしておきたい。

メイダ・ヴェイル地区に来れば、
あとは、住所のハウス・ナンバーでIホテルは、わかるはずだ。
イギリスの住居表示を、イギリス人が知らないわけがない。
まして、免許を受けたキャブ・ドライバーだ。
それに、ホテルは大きな建物だ。
地図に載っている。

ドライバーはキャブにもどると、
ポリス・マンが指した方向に発進させた。
そして、ウェスト・ハンプステッドのIホテルに着いた。

ロンドンに滞在しているときには、
通りの名前を言えば、問題がなく行けたのだが。
1回も停車させることもなく。

それが、今回は旅行者だ。
地図と住所を見せている。
それでも、4回も停車した。
ポリス・マンに道を聞くジェスチャーまであって。

ドライバーは、“滞在者”か? “旅行者”か? をちゃんと見分けて、
不正をしたのだ。工事中の道路の、のろのろ運転と遠回りのボッタクリだ。

メーターは、53ポンド(8,500円)をさしている。
「50ポンドでいいな?」
「いいですよ」
ドライバーは、50ポンドに納得した。
案外、スンナリと受け入れた。
チップは、とうぜんなしだ。
ドライバーは、工事中の道路の、のろのろ運転と、
遠回りで、53ポンドまでつり上げたことは、わかっているのだ。

乗客から50ポンドの提案は、ドライバーにとっては、ありがたかった。
メーターの53ポンドにチップの10ポンド、
あわせて63ポンドをボッタクルという、
もくろみは外れたが。

「領収書をくれ」
LICENSED LONDON TAXI RECEIPTと印刷されている領収書に、
50ポンドと書き、日付を入れ、サインをした。
サインは判読ができないが、
ちゃんと領収書を発行したから、
当局への通報はなしにする。

遠回りをせずに、安全にお客を届けて、
チップの10ポンドをもらった方が、
お互いに“気分”がいいだろうに。
メーターが40ポンドになったのと、同じじゃないか。

ドライバーは、ガソリンと時間とチップを損した。
それに、
「これまで乗ったロンドン・キャブで、最悪のドライバーだ!」
とまで言われた。

ロンドン・キャブのドライバーとしての“誇り”は、
ないようだ。まったく。

今後、キャブ・ドライバーという職業を、
続けていかなければならないのに、
「当局に、通報されるのではないか?」
「そのときには、インテンショナルに遠回りをしたわけではない。
道を間違えたんだ」
「それで、ポリス・マンに道を聞いた、と言おう」
と、ビクビクが残るじゃないか。

RECEIPTと印刷された領収書には、

“LICENSED LONDON TAXI”
「認可されたロンドン・タクシー」とあり、
“Thank You for your custom”
「ご利用、ありがとうございます」と、お礼があり、
“ALWAYS USE A licensed TAXI・CAB”
「いつも認可されたタクシー・キャブの使用を」とある。

旅行者にも、お礼が伝わるような、ロンドン・タクシーになってくれ。


教訓72) 行き先の地図と住所をタクシー・ドライバーに渡そう。
 これで、わからないタクシー・ドライバーはいないはずだ。
教訓73) タクシー・ドライバーが「一方通行を調べている」
 と言って、工事中の道路に入ったり、遠回りをしたら、
 ボッタクリと思っていい。しかも、インテンショナル故意の不正である。
教訓74) 行き先の地図と住所を渡して、インテンショナル故意な不正、
 であることがわかったら、
 「インテンショナル故意に遠回りをした。
 ライセンス・ナンバーを、通報するつもりだ」
 と、はっきり言おう。
 不正をしたタクシー・ドライバーは、高圧的な態度をガラリと変える。
教訓75) ライセンス・ナンバーを、写真に撮ればより正確である。
 あわせて、ドライバーの後ろ姿でもいいから、写真に撮れば、
 ドライバーを特定しやすい。
教訓76) LICENSED LONDON TAXI RECEIPTと印刷されている領収書を、
 必ずもらうこと。そして、日付、乗降場所、タクシー料金、
 タクシー・ドライバーのサインなどを確認すること。
 なにかのときの、エヴィデンス証拠になる。
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